大学病院の看護師ってどんな感じ? 実体験を踏まえた大学病院メリット、デメリット

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#1718 2022/02/07UP
大学病院の看護師ってどんな感じ? 実体験を踏まえた大学病院メリット、デメリット
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大学病院で働きたいけど実際病院の雰囲気ってどんな感じなんだろう?勉強は得意じゃないけど私でも働けるの?
そんな大学病院勤務にまつわる疑問・不安に対して、10年間の勤務歴に基づく実体験や同僚からの話などをもとにお伝えしていきたいと思います。

大学病院の看護師になる方法

大学病院の看護師になるには一般病院と同様に採用試験を受ける必要があります。新卒、中途採用の方ともに採用試験は随時行なっているところが多いので気になる病院があれば一度チェックしてみましょう。試験内容は病院によって面接のみのところ、小論文や適正試験などが追加で必要なところなど様々あります。
大学病院附属の看護学科がある場合、そこから入職される方も多いですが、その他の専門学校、短期大学などの方もバランスよくいるので看護師免許があれば特に学歴が問題になることはないでしょう。学生時代に実習でお世話になった病院を希望して入職される方も多いです。
入職時に希望する部署に関してアンケートがある場合が多いですが、希望通りにいかない場合もしばしばあります。どうしても働きたくない場所がある場合はその旨をしっかり伝えておく、第3希望まで希望欄がある場合は記載しておくことが大切です。

大学病院の雰囲気

医療の現場だけでなく研究や教育機関でもあるため、より専門的な疾患の患者と関わる機会が多く各部門が専門的、細分化されています。とにかく他部門、他職種の方が働いている病院なので自分の働く病院であっても知らないスタッフが多く広い病院内で道に迷うことがあるほどです。
病棟で働く看護師は若手から中堅看護師までが多く、外来で働く看護師は家族のいる方やベテランの看護師が多い印象です。日々院内や病棟内で勉強会が開催されるため学習意欲が自然と高くなります。
新人の方への指導や精神的なサポートをしてくれるプリセプターやサポーターなどがしっかりついてくれるので安心感があります。私が働く病院では中途採用の方にも技術チェック表があり自信がない処置や理解度を確認しサポートしていました。

大学病院で働くメリット

・アセスメント能力や考える力がつく
・指導体制がきっちりしている
・急変時など人手が確保しやすい
・キャリアアップを目指せる
・最新の設備や必要なものが揃っている

アセスメント能力や考える力がつく

新人の頃からアセスメント能力や普段の学習が求められる機会が多く自然と考える力が身につきます。看護技術は経験を重ねるうちにうまくなりますが、この考える習慣や論理的な思考のプロセスはすぐには身につかないので若い頃から触れておくことは重要です。

指導体制がきっちりしている

大学病院では前述の通り個々人の技術習得度や理解度を考慮した教育制度があるので中途採用者にも比較的優しい環境であることが多いです。
大学病院から一般病院に転職した友人の話ですが、勤務初日からほとんど説明や指導もないまま医療度の高い患者10名の受け持ちをすることになりました。担当の指導者がいたのですが、指導者とは名ばかりで忙しく動き回っており、わからないことを聞きにくい、または聞いてもほとんど教えてもらえない状況でした。なんとかその日を終えることは出来たもののこのままではいつ医療事故を起こしてしまってもおかしくないと初日で退職することを決めたということです。
この話は極端な例かもしれませんが、教育体制やシステムがしっかりしているということは自信を持って納得しながら働くこと、患者だけでなく自分自身を守る上でも非常に重要なことです。
また、大学病院では病院内での異動なども多いため医療処置や患者説明などのマニュアルがきちんと整備されていることが多いです。自信がない処置の場合でもその都度確認、復習することができ、誰でも標準的な看護が提供しやすいようなシステムになっています。病院によって同じ手技でも方法や物品が違うこともあるので中途採用の方にとっても安心につながります。

急変時など人手が確保しやすい

大学病院では他の病院に比べて医療スタッフの数が多く、研修医の数も多いので急変があった際に人出が確保しやすい点も安心感があります。院内には救急対応チームがあり、病棟・外来の垣根を越えて急変時に相談できるチームがあったりします。

キャリアアップを目指せる

認定看護師や特定看護師などキャリアアップを考えている看護師にとっては、同じ職場や院内にすでに働いているスタッフが身近にいる環境であるため、意識が高く持てるなどよい刺激を受けられるでしょう。資格習得に向けてのサポート制度が充実しており支援を得やすい環境と言えます。

最新の設備や必要なものが揃っている

最先端な医療設備であったり、薬剤、医療処置に必要な物品は日々刷新されていっています。大学病院にいれば常に新しいものに触れることができ、また一般病院に比べて物品が潤沢に揃っている場合が多いです。点滴確保がしやすい留置針やドレッシング剤など多種あり用途によって選びやすい環境があります。

大学病院で働くデメリット

・細分化されており知識が限定的になりやすい
・看護技術の経験が少ない
・委員会活動、勉強会、新人指導、看護研究など負担になることも
・予想もしない場所への部署変更がある

細分化されており知識が限定的になりやすい
看護技術の経験が少ない

各領域、専門分野が細分化されているので、自分の担当領域のことは得意であってもそれ以外の一般的な看護技術に関して苦手意識があったりします。
私の勤務していた大学病院では男性への膀胱留置カテーテルの挿入は尿道損傷のリスクがあることから、医師にしか許されていませんでした。そのため私は女性の処置しか出来ませんでしたが、他病院にいけば看護師が実施するのが当然です。大学病院出身の看護師は使えないと陰で囁かれたりするのはこういう理由です。点滴の確保などは研修医も積極的に行うため看護師が行う医療実践の機会は一般病院に比べて少ないといえるでしょう。

委員会活動、勉強会、新人指導、看護研究など負担になることも

大学病院では日々勉強会、委員会活動、看護研究などが活発に行われています。業務時間外でこのような活動をすることが多く学習機会になる反面、負担に感じてしまうこともあります。新人指導や学生指導などにも力を入れているため指導する側も時間や労力が必要になります。特に中堅以上の看護師は様々な面で中心的な役割を任されることが多いので負担を感じやすいかもしれません。

予想もしない場所への部署変更がある

病院にもよりますが、私の働いていた病院では大体3-5年で病院内での部署異動がありました。希望が通る場合もあれば、自分が思いがけなかったような部署に異動することもしばしばです。病棟や外来以外にも輸血部や透析部、退院調整部門などのデスクワーク中心の部署があったり、高齢者だけでなくNICUなど新生児が対象になることもあります。このように働く場がたくさんある分、今まで培った知識を活かすことが難しい場合があります。

大学病院の看護師に求められること

教育・研究を行う機関でもあるため、常に新しい知識や技術を更新していく必要があり、向上心があることが重要です。自身の能力の向上はもちろん新人・学生への指導や自部署の発展のため問題意識をもって取り組む必要があります。一般病院に比べて他部門・多職種のスタッフや学生などにも関わる機会が多いため、円滑なチームワークが図れるようなコミュニケーション能力も大切になります。大学病院を利用する患者さんは高度な医療を必要にする方が多く、病状的に重度であったり精神的に不安定になることも多いので、それに対応する精神力も必要になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。大学病院は新人の方、中途採用の方に関わらず教育制度やサポートが充実しており自信がなくても学習意欲が高い方であれば働きやすい環境があるといえます。一方で専門的になりすぎるあまり広い分野での一般的な看護知識や技術が身につきにくい面もあります。
大学病院の雰囲気が少しでもイメージ出来るようになれば幸いです。メリット、デメリットを理解をした上でご自身に合った病院を選んで下さいね。

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