転職をするとき、必ず行われるのが面接です。しかし、この面接をして採用されて就職してからも面接が定期的に行われることもあります。実際に就職してどうだったか、仕事の取り組み方を再確認するための面接です。一度だけではない面接についてご紹介します。
・はじめに
転職をしたいと考えた時から、求人を探し、条件に合うものがあれば面接を受け、合格をすれば転職成功!となりますね。
新しい職場に期待を寄せながら、先輩の指導のもと仕事を覚えていく日々が始まります。転職してすぐは、環境になれるだけで精いっぱいですし、仕事もどんどん覚えていくことが増えてくるため、毎日が勉強と勤務の繰り返しで疲労困憊するのではないでしょうか。
そのような日々の乗り越えて、少しずつ患者や業務を覚えてくると、だんだんと全体像がとらえられるようになり、少し精神的に余裕も出てきたり、仕事の面白さを感じることも増えるようになります。
そのように感じるまでの期間は、個人差があります。新しい職場の人間関係にも慣れ、業務を覚え、仕事の独り立ちが出来るようになるには数か月かかることもありますが、中には入職して2週間程度で夜勤を始める看護師も。もちろん指導看護師とともに夜勤を行いますが、順応性が高く、看護経験も豊富な看護師は転職後もすぐに仕事に慣れ、日勤と夜勤をこなせることも多いのです。
・転職して1・3か月目に面接が行われることが多い
転職する病院では、中途採用者が入職してから試用期間というものを設けています。試用期間というのは、その病院により異なりますが、1か月から数か月というところが多いです。入職時に雇用契約を結ぶので、この試用期間もきちんと給料は支払われます。また給料をもらうからには、しっかりと業務をこなす責任があります。
ただ入職して、だれもが始めからスムーズに働けるわけではありませんね。新しい環境に飛び込んで人間関係の構築をしなければいけません。また業務を一つずつ覚えていかなくてはいけないからです。新しい職場に入り、頑張ろう、看護師として再出発をしようとモチベーションが高い中途採用看護師ならいいのですが、時には新しい職場に期待して入職はしてみたけれど、他の看護師になじむことがなかなかできない、思っていた働き方と違う、思った以上に覚えることが大変!と転職したことを少し後悔をしている看護師もいます。そのようなことを感じ始めるのが仕事に少し慣れてきた1か月目、3か月目くらいなのです。
試用期間というのは、採用した事業所が中途採用看護師を見極める期間でもあります。採用時の面接だけで、その看護師がどんな人かを判断することはできませんね。入職して実際に勤務を始めてから職場の環境に慣れてきたか?他の看護師とチームワークを取れているか、勤務態度はどうか?無断欠勤はないか?などで判断する期間でもあるのです。
試用期間というのは、採用した事業所と中途採用看護師のお互いにとって、仕事の取り組み方を見極める大切な期間なのです。
・魔の3か月目の面接
著者が勤務する職場では、中途採用看護師が入ってきたときには、基本的に1か月目と3か月目に面接を行います。
1か月目の面接時というのは、やっと新しい環境に慣れてきたころに行います。患者や仕事についても、ぼんやりと全体像が把握できたころで、まだまだ独り立ちするには不安があるという人も少なくありません。そのため面接では、今の環境に慣れてきたか?新しい環境になって精神的に大きなストレスを抱えていないか、このままやっていけそうかということを判断します。
問題となるのは3か月目の面接です。この頃には、先輩看護師の指導のもと職場の業務も一通り経験し、独り立ちして仕事をすることも少しずつ出来る時期です。またスタッフにも慣れてきて、人間関係も構築される時期でしょう。そのため、一緒に働く私たちにも中途採用看護師の働き方、仕事の取り組み方というのも見えてくるし、働きぶりを見たの評価の声も聞こえてくる時期なのです。
著者が勤務する職場にも、中途採用看護師が昨年入職し、ちょうど先日中途採用者の3カ月面接が行われました。その前に、上司から私たち看護師にヒアリングが行われました。「○○さんの働き方はどう見える?」と。私たちも一緒に働く仲間としては、早く慣れて少しでも戦力になってほしい、そして仕事を覚えてくれたら…、少しでも長く働いてほしいと思っています。
しかしながら、中途採用看護師の考え方は少し期待を外れるものでした。
勤務している事業所は訪問看護ステーションであり、午前中3件、午後に3件程度の訪問があります。
中途採用看護師はこのうち、午前中1件、午後1件を同行していました。複数回訪問を重ねたところでは、一人で訪問をすることも。
3カ月の面接では、この訪問について評価する時期でした。これまでの中途採用者は、3か月目を目安として土日の勤務を開始、また夜間や休日の待機勤務を開始するという時期でした。
就職してからだんだんと仕事を覚え、時間配分が出来るようになれば訪問件数を増やしていくことも可能です。ただ仕事の取り組み方、能力も個々によって異なるため、みんなが同じペースで進むわけではありません。今回の中途採用看護師も、比較的スローペースで教育が進んでいくタイプでした。しかし、ずっとそのままで進んでいくわけにはいきません。そろそろ誰かに同行というばかりではなく、責任をもって一人で行動をしてほしいという所長の願いも込められた面接をしたのです。
面接では、本人の思いを尊重しながら今後の勤務についての話が進められました。本来ならもっと早い段階で土日勤務や待機勤務をし始めていた中途採用看護師もいました。しかし、彼女の場合は就職して3か月たっても「出来ればゆっくり…まだ平日の訪問すら自信がないので、自分自身が納得して進めたい」という申し出だったのです。
しかし、この面接で決断を迫られました。実は訪問看護ステーションというのは、利用者の多いときと少ないときの波があります。彼女が就職してきたときには、比較的訪問に余裕があった時期であり、丁寧にオリエンテーションをすることが可能でした。しかし、だんだんと忙しくなってきて、新規依頼も舞い込んでくるようになりました。そこでそろそろペースアップを図りたいと所長は考えたのです。
決断を迫られた彼女が下したのは、仕事は続けていきたい。ただみんなと同じように動けるようになるには自分には3年かかる…ということでした。更に3か月たつ今でも訪問の道順に不安があるため、訪問は余裕をもって進めていきたいということでした。
中途採用者を求むと求人を出しているところは、看護師の確保をしたいというところですよね。少しでも即戦力になってほしい、少しでも看護経験がある人がよいと期待をもって求人を出します。さまざまな問い合わせがくる中から、この人ならと思って面接まで進むのです。
しかし、看護師経験は十分あるのに、仕事に取り組む姿勢というのが、他の看護師と異なっていたらどうでしょう。もちろん慣れるまでの指導や独り立ちできるまでの指導は必要です。しかし、自分の個人的な理由で仕事をゆっくりしたいというのは許されるのでしょうか。
その場合は、やはり面談をして、そう考える理由を知るとともに、これからどのように働いていくかという意思を確認しておかなくてはいけないのです。
そのようにして行われた今回の面接。
これからも仕事を続けていくと決断した彼女。訪問には車の運転が必須ですが、今はナビなども充実しているので、それは自己解決してもらうことになりました。ただ焦りは事故につながるため禁物です。そのためゆっくりペースで働きたいという要望に応え、訪問件数や業務は調整されました。その代わりに、土日の勤務を月に1回だけ入れていくことにしたのです。土日というのは、平日に比べ訪問件数が少ないです。そのため、ゆっくり働きたいという彼女には最適だったのではないでしょうか。
このように転職をした時というのは、採用を決めるための面接をしたら終わりというわけではありません。実は就職してからも試用期間というものがあり、節目では面接をされることがあるのです。特に中途採用者の場合は、就職してから「イメージと違った、思ったよりも仕事がきつい」と自分の理想とかけ離れていることに気付いて後悔することも少なくありません。そのため、面接で確認をしながら仕事に取り組めるように調整が必要なのです。
まとめ
今回は転職して就職してからの面接について紹介しました。実際転職後に後悔をする中途採用者も少なくありません。それは今後の働き方にも大きな影響を及ぼします。そのため、お互いの意思確認と早期解決などが必要なのですね。転職を考えた時にはぜひ参考にしてみてください。
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