受診したり入院している患者さんの中には、いろいろな症状を呈することがありますね。その時の一つとして、熱性けいれんがあります。熱性けいれんは、子供におきる症状です。ここでは、その時にどんなケアやアセスメントをしたらいいのかお話します。
・熱性痙攣は身近で起こる
病院を受診したり入院したりしている子供の場合は、発熱の症状を呈することがあります。病院を受診する子供の場合は、ほとんど熱がある状態といっても過言ではありません。
その時、待ち時間に間に熱性痙攣を起こしてしまうこともあります。その時、看護師の対応が重要となるのです。しかし初めてその状態を見た時には、看護師としてライセンスを持っているといっても、戸惑いどうしたらいいのかと思うこともありますね。
子供に限らず、大人の痙攣の場合も同じことが言えます。全身の痙攣が起きているのを見たり、眼球が固定している所を見ると、看護師として戸惑うことは当たり前のことなのです。自分で判断したり対処できない場合は、直ぐに先輩看護師に声を掛けるようにします。
入院している子供の場合は、その疾患により熱性痙攣を起こすかもしれないとアセスメントをすることが大切です。特に、一度でも痙攣を起こしたことがある子供の場合は、おきやすくなっているので特に注意をします。その時も、過去の病歴などを知っておくことが重要です。
・痙攣時の家族のケア
痙攣が起きている時には、看護師も戸惑うほどびっくりします。痙攣発作に慣れている看護師であっても、その状況にはなれることができないでしょう。それだけ、痙攣発作が起きている時の状況はかなりびっくりして戸惑うことになります。
そしてそのケアをした後には、家族のケアも忘れないようにします。家族は、自分の子供が痙攣を起こしている状態を見ると、半分パニックになってしまう事があります。その時、処置をしたりする場面を見ている場合は、よりトラウマになってしまうこともあります。
家族には、その時に起きた状況について、きちんと理解してもらえるように説明をして安心させてあげましょう。家族としても、子供のケアについて知りたいと思っています。それは、今後もおきる可能性があるからです。不安な家族に声をかけて、その気持ちを理解して対処方法について説明を行います。
入院している患者さんの場合は、看護師を呼んでもらうことになります。外来を受診している子供の場合は、家で起きた時の対処方法について家族が理解しやすい方法で説明を行いましょう。
・熱性痙攣の観察
痙攣がおきた時には、どのような観察をしたらいいのでしょうか。その時、なんといっても重要なのはその長さです。痙攣の場合は、長い場合もあるし短い場合もあります。その時に、すぐに痙攣がおさまることもあります。長い時には、その長さを把握するとともに、医師への連絡をすることも重要です。
そのことからも、看護師一人が観察をしてもうひとりの看護師が医師への報告をするなど、スムーズな連携を行うようにしましょう。いつも痙攣が起きている場合は、医師の指示があることもあります。その指示に従い、いつもと違う場合はそこでアセスメントを行います。
観察としては、その前駆症状の観察も重要です。何度も起こしている場合は、その前に特徴的な症状があります。まずは発熱時に注意します。38度以上になると、その後に頻回に観察を行います。今まで痙攣を起こしたことがない場合でもその時の状態によりおきることもあります。
また、観察として発作の様子やチアノーゼの有無等を観察してその時に素早く対処します。対処が遅れてしまうと、嘔吐などにより誤嚥をしてしまうと命の危険性もあります。観察により、対処を早く行うことが出来るので命を守ることができるのです。
・看護師自身の戸惑い
熱性けいれんを起こしている患者さんを見ると、看護師としてびっくりすることは当たり前ですね。そして、その時に初めて見る場合は、特に大きな戸惑いを持つことになります。
熱性けいれんというのは、かなりリスクの高い状態です。そのまま痙攣がおさまらずに、重症化することもあります。そのことからも、看護師がその状態の患者さんに対処する場合は、的確な観察と処置をその時に行う必要があります。そ の処置については知らないと大変なことになるので、かならず教わったり、自分で知識として習得するようにしましょう。
そしてそのことがあった場合も、焦ることなく対処できるようになりたいですね。
・横にする
熱性けいれんを起こしている患者さんの場合は、一番に安静にさせることが大切です。そこで、起きている場合は、顔を横にして寝かせるようにします。顔を横にするのは、嘔吐した時に誤嚥するのを防止するためです。その患者さんの場合は、嘔吐をしてしまうことがあります。嘔吐をした時に、誤嚥をしてしまうこともあるのです。そのことは、 なんとしても食い止める必要があります。また横にした場合に、激しく体を動かすこともあります。その時、周りに転落しえしまうおそれもあるので、転落防止の準備をすることも大切です。
熱性けいれんを起こしているときは、必ず付き添いその状態を観察しています。そして、痙攣がおさまった後でもおきることを想定して、ベッド柵を必ず取り付けるようにしましょう。周りに、危険なものがないかアセスメントすることも大切です。
・静かな環境を作る
熱性けいれんが起きた時には、ベッド場であるとそのままでベッドでない時にはベッドに寝かせるようにします。そして大切なのは、なんといっても静かな環境を作ることなのです。
けいれんを起こしてしまうその原因の一つとして、刺激により起こすことがあります。明るい部屋では、くらい部屋よりもおこしやすくなります。また音に関しても、敏感に反応することがあります。
その環境は、くらい部屋で音がない静かな環境を作るようにしましょう。そしてそのことは、家族にも伝えるようにします。熱性けいれんは、繰り返し起こすことがあります。そしてそれは、自宅で起こしてしまうこともあるので、その環境の重要性について説明するようにします。
・医師の指示の確認
熱性けいれんを起こした患者さんが落ち着いたら、医師に報告をしてその指示を待ちます。熱性けいれんは、まず熱をさげることが重要となります。そこで、解熱剤が指示として出されることがあります。その時、一緒にけいれんを抑える座薬や点滴を行うこともあるので、その指示を実施するタイミングについても医師に確認をしておきます。
輸液で血管確保を最初にするのか、熱を下げるほうが先なのか指示内容のタイミングをしっかり聞いておきましょう。
・ベッド周囲の環境整備
熱性けいれんを起こす患者さんの場合は、その痙攣が起きている時に、意識がないので周りにぶつかってしまうことがあります。特にベッドで起こした場合は、ベッドにあるものが危険物となってしまうことがあります。
けいれんを起こすかもしれないと思われる患者さんの場合は、ベッド周囲に危険なものがないかよく整理をしておきます。特に子供の場合は、おもちゃなどで鋭利なもののあるので、それを取り除いておきましょう。ぶつかると危険なものは、ベッド周囲に置かないことが大切です。
・体を冷やす
熱を下げることが大切となるので、その時に体を冷やすようにします。それは、まずきているものを観察します。着ているもので、暑くなっている場合はそれを脱がせるようにします。そして熱が逃げやすいパジャマにするようにしましょう。緩めの体を締め付けないものがベストです。
またクーリングを行います。脇の下などを冷やして解熱をはかります。
・看護師同士の情報共有
熱性けいれんを起こした患者さんについては、必ず申し送りをすることになりますね。その時、詳細についてしっかり記録に残し、ほかの看護師も理解しやすく、対処しやすいようにすることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?熱性けいれんを起こす患者さんの場合、その時瞬時に看護師としてアセスメントする内容がとても多いです。そしてそのときの観察と、看護師が行ったアセスメントにより医師の治療が決まることもあります。そのことを思い、しっかり勉強して頭に留めておきたいですね。看護師同士で情報を共有して時には勉強会を行うようにしましょう。
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