ope看とは?手術室看護師になる方法とメリット、デメリット

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#1703 2022/01/23UP
ope看とは?手術室看護師になる方法とメリット、デメリット
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『ope看』と呼ばれる手術室の看護師は敬遠されることがありますが、医療において非常に必要な存在です。手術室看護師経験者による手術室看護師についてと、ope看になる方法、メリット・デメリットを紹介したいと思います。

「ope看とは?手術室看護師になる方法とメリット、デメリット」  

『ope看』と呼ばれる手術室の看護師は「看護師の墓場」と言われることがありますが、実際には医療において非常に必要な存在です。手術室看護師についてと、ope看になる方法とメリット・デメリットを紹介します。  
『ope看』とは?皆さんはどんなイメージがありますか?  「器械だし看護師と外回り看護師がいて…」と聞いてことがあると思います。その通りで、手術の流れに合わせて術者に器械を渡していく器械だしと、患者の全体の状態を把握し、いち早く危機を発見したり、患者やその時の状態に合った追加物品を提供したり、患者の体位を安全に保つ外回りがいます。今、ざっくりと一文にまとめて説明しましたが、箇条書きにしました。下記は一部で、手術中の業務は多く多忙です。
器械だし(直接介助)看護師  
・術者に器械を渡す。使いやすい状態に準備をしておく。  
・本人も手を洗いガウン、手袋を身につけ、無菌操作を行う。  
・術野を常にみて、手術の流れに沿って、医師をサポート。  
外回り(間接介助)看護師  
・患者のバイタルサインはじめ、全身状態や出血量などの把握と、異常早期発見
・報告。  
・手術の流れをみて、追加物品の提供。  
・医師・麻酔科医・器械だし、その他手術関係者のサポート。  
・患者の体位把握。褥瘡、スキントラブルや神経トラブル、脱臼予防。  
・覚醒時の安心安楽のために声かけ。  
・病棟に申し送り。  
さらに、命の危機状態にある手術中の患者に対応するため、常に緊張状態の空間にあります。そのため、手術室の看護師は看護師の中でも非常に特殊な存在で、その特殊さゆえに「看護師の墓場」と言われ、一般的な看護師とは別の存在とされています。私も実際に手術室勤務の経験がありますが、現在はope室から離れ、周手術期の患者がいる一般病棟で勤務しています。なので、手術室看護師の視点からと、手術室から離れての視点から、今回考えていきたいと思います。  手術室というととにかく非日常的で、患者にとって人生において経験するかしないかの状況にあり、ごく稀な環境下で業務を行います。ドラマにあるよう血液をはじめとするグロテスクと言われるものと接するのは当然で、超緊急時も多くあります。時には腹を切って内臓を出したり、開放骨折であれば骨が出ていたり、お腹から歯や髪の毛が出てきたり…。また、患者が麻酔で眠る中の看護であったり、患者が手術という非常事態に立ち向かっている状態を看護していく環境に、一般的な病棟やクリニックで行われる看護とは大きく異なり、その点で大多数の病棟看護師から敬遠されたり、同業者と認めてもらえなかったりします。そのような特殊な環境ということを理解し、受け入れる覚悟がまずは必要と考えます。しかし、患者がどのような手術を行なっているのか、どのような傷を負い、どのような麻酔下にあったのかこの目で見ることができるのは、手術の現場にいる手術室の看護師のみなので、非常に大きな経験と知識になります。
現在私は病棟にて勤務しておりますが、看護している患者の手術を実際に目で見て内容を把握している病棟看護師はごくわずかであると思います。そのような点で、手術室看護師を経験しておくことは非常に大きな経験になります。  
しかし、実際には、「看護師の墓場」と言われるよう、別の世界とされ、あまりいいイメージを持たれません。実際私の周りでも手術室への配属を希望する人は0の等しく、自身もあまり前向きに捉えるまでに多くの時間が必要でした。  
それでも医療において非常に必要な存在なのです。多くの入院患者は手術を必要としています。特にがん患者においては、手術の適応で手術により寛解する可能性が高い患者にとっては、手術の成功は大きく命に関わります。また、帝王切開であるば、手術を行わなければ最悪2人の命に影響がでます。
そう考えると、非常に患者にとって未来を支える大切な存在であると理解できると思います。そういった責任を強くもてることで手術室の看護は行えると私は思います。  次に、手術室の看護師になる方法としては、まず病院によってはできる手術が大きく異なるため、自身がどのような患者や手術に関わり、どんな手術室の看護を行いたいか明確にしていくことが必要と考えます。実際に、あまり人気ではないため手術室看護師の求人自体は多い割に応募する人数が少ないとされています。しかし、倍率が低いからといって、容易な考えでは決して成り立たない業務内容であるため、覚悟が必要と考えます。
また、先ほど記したように、病院によりできる手術が異なり、「以前手術室の看護師をやっていた」と言っても全く違う対象や疾患、術式や器具であることがあるため、0から学ばなくてはならないという覚悟と精神力が必要になります。特に手術室の経験がないと「コッヘルとペアンの違いは?」といった特殊器械に関する疑問から始まるため、手術に関わるどころではないのです。病棟では絶対に目にしないものの名前や使い方を多く覚えなくてはならないため、特殊と言われるのだと思います。それらの覚悟もあっての手術室看護師なのです。  
しかし、その点も多く含めて、手術室看護師の経験とは大きな誇りになると私は思います。
実際に、「手術室看護師ってへんな人が多いよね」と言われたことが何度もありますが、心のなかで「その患者がどんな手術をしてきたのか、私の方が知ってるぞ!」と心の中でつぶやいたりします。それくらい私は誇らしいことだと思います。  そして実際に現在周手術期に関わる病棟で勤務しておりますが、手術室を離れてみて見えることもあります。例えば、手術後どのように回復していくのか、本人や家族にどんな不安があるのか、麻酔や手術体位がどのように影響するのか、流れがわかるからこそ見えるイメージがありリスクが見え、現在の看護に大きく役に立っています。正直なところ、私自身は病棟の看護師をはじめとする一般的とされる看護師の技術を身につけたいという一心で手術室を離れましたが、いまだに手術室で勤務できたことは誇りに思いますし、経験したことは大切な自分の知識として病棟で活用できています。  そして次にデメリットですが、一般的な基本的な看護技術が身に付けられないことだと言えます。具体的に病棟で看護師が行う、採血や点滴の留置針確保、夜間の対応、清潔ケアや処置は行わないため、そのような技術は身につかないと思った方がいいでしょう。その点を受け入れられることで手術室での勤務ができると思います。
さらに病院により、行われている手術が違うため、1つの科に大きく偏ってしまう可能性があります。ope看のスペシャリストを目指すのであれば良いですが、そうでなければ選択に慎重になった方が良いと思います。また、新卒での手術室勤務はお勧めできません。社会人としての行動や一般的な看護技術を身につける機会は、新卒の期間に大変多くあるため、そのチャンスをうまく活かせない可能性があります。というのも、私がそうであったためです。手術室以外での勤務を一切希望しないのであれば、良いと思いますが、そうでなければ危険です。数年後に0から基礎を学ぼうと思っても、新卒の時ほど環境が整ったところはないと言っても過言ではありません。その部分でも厳しい覚悟が必要です。  
最後に、非常に厳しい現場である手術室であるため、間違った偏見もありますが、経験者としてはとても誇らしい経験ができたと思っています。どの現場にいても同じ看護師です。お互いが尊重しあえる関係であってほしいと思います。

まとめ

「ope看って?」の疑問が少しでも解決できていれば幸いです。「やっぱりope看にはなりたくないな。」と思う方も多いと思いますが、ope看についての理解ができることで、さらに看護に良い影響があると思います。少しでも興味を持っていただけることが私の望みです。ご覧くださりありがとうございました。最後に、ope看ってすごいんです!ope看を離れた私は、心からそう思います。

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