救急看護師といえば、皆様どんなイメージがありますか?「大変」「怖い」「かっこいい」色々あると思います。私はドラマで救急看護師が活躍する場面を見て「憧れ」を抱いていました。でも同時に「しんどい」「大変そう」というイメージもあり、救急病棟に配属が決まった時は「喜び」と「不安」で複雑な思いでした。そんな私が気づいた救急看護師になるために「やっておくこといいこと」をおしらせします。
①勉強すること(特に循環器の勉強)
・勉強が必要な理由
勉強することは救急看護師に限らず必要なことです。しかし知識や技術不足は患者の生死に直結するからこそ、救急看護師はより勉強することが求められます。また、急性期医療は新しい医療器具や治療法がどんどん現場に出てくるので、そのつど勉強は必要になります。
しかし救急看護はとてつもなく広いです。その広い分野の何から勉強すればいいのかわからないという方は多いのではないでしょうか。安心して下さい私の経験をからアドバイスさせていただきます。
・まずは循環器を中心に勉強する
私は救急病棟配属前に新卒から3年間循環器病棟で働いていました。その3年間は必死で勉強しました。辛いことはありましたが、その経験は救急病棟ですごく役に立ちました。
ではなぜ循環器を中心に勉強したらいいのかというと、重症患者と呼ばれる患者は循環動体の破綻が起きている可能性が高いからです。
例えば腸に穴が空いた消化管出血で運ばれた患者がいますね。血圧は低下し、意識レベルも低下して、脈拍もすごい速さです。しかし救急外来に運ばれた時点ではその患者の病態は「わからない」のです。つまり採血やCTを撮るまでは確定診断はできない。(他院からの紹介で確定診断されている場合もありますが)患者を診断し、治療するまでの救急看護師の仕事は「患者の生命をつなぐ」ことです。
その際に循環器の知識はすごく役に立ちます。例えば血圧を上げるために「先生補液を全開にしますか?」「足を挙上しますね」といった行動をとることができます。ほんの一例ですが、循環器の理解は全ての急性期疾患を学ぶ上で基礎になってくれるでしょう。
循環器の勉強が苦手な方はまずは、それぞれの病棟で重症な患者の理解を深め、その上で循環器の参考書を広げて当てはめてみてもいいと思います。きっと気づくことがあるはずです。そうなると循環器は面白いと思いますよ。まずはACLSなど蘇生処置を覚えるという人もいますが私は、循環器知識を学んだ上で蘇生処置など学ぶとそれぞれの処置の根拠が理解できるのでオススメです!
②勇気を持って救急病棟に飛び込んでみること
・「救急看護ができる場所」で学ぶことが大事
どういうことかと言いますと「百聞は一見しかず」ということです。当たり前だろと思うかもしれませんが、「大変そう」と思っている現場に飛び込むのは勇気がいることです。しかしいくら参考書で理解を深めても、実践できない環境ではもったいないです。さらに実際に救急看護を専門にしている場所で経験することは、体感で参考書の10倍くらい勉強になります。でも先輩看護師は厳しいし、医者もピリピリしている。「つらい」「くるしい」そう思う人も多いと思います。実際に病んで辞めていく仲間もいっぱいいました。私も逃げ出したくなった時は数え切れません。けれど「つらい」「くるしい」中で学んだことが、今後きっと役に立ちます。何よりそういう経験は自分の中に残り続けます。私の中にもいくつもあります。事例は出せませんが、反省し学ぶことで成長でたと実感してます。
・実際に働くことで気合が入る
私たち病院は基本的に白いナース服なのですが、救急病棟・ICU・手術室・カテーテル室はナース服ではなくスクラブを着ていました。別に白いナース服でもいいんですが、スクラブの方がかっこよかったですし、自分ができる看護師になれた気がしてやる気が出てきました。まぁ服の違いは病院によって異なるとは思うので当てはまらない方もいるとは思います。
救急車がバンバン運ばれて、病床には呼吸器やECMOなどを繋いだ患者がいる。家族も毎日面会にきて声をかけている。そういう姿を見ると「頑張ろう」ってきっと思えますよ!看護師になった時点であなたは優しい人間ですから、奮い立つでしょう。
③落ち着いて行動できるようになること
・落ち着くための方法
救急現場では、一分一秒を争う患者の急変が起こります。急変時はみんながバタバタして何がなんだかわからなくなってしまいます。その時は「自分は何をすべきなのかを一歩立ち止まって考えてみること」が大切です。すると「記録ができていないな」「シリンジポンプが足りないな」「家族へ連絡しているかな」など色々と見えてきます。自分の役割を理解し的確な行動をしましょう。
しかし気をつけて欲しいのは「自分ができないことはできないと言う」ことです。自分ができないのに頼まれごとを受けてしまったら、患者の生死に関わるような事態に発展するかもしれないので必ず言うようにしましょう。勇気が要りますが、患者のためだと思って引くことが大事です。恥ずかしいことではありません。また勉強すればいいだけの話です。
そして「何かをする際は声を出す」ことも大切です。そして返答を待ってください。例えばあなたが間違った薬を投与しそうになった時に誰かが止めてくれるかもしれません。そして自分自身で声を出すことで落ち着くための「間」が生まれます。絶対にしてください!
・イメージトレーニングをしておく
患者の急変が起こるときは何かしらの前触れがあるはずです。まずはそこに気づくことが重要です。例えば「朝から言動がおかしい」と思った時に、その時点で気づいて相談し、対応できればベストですが、相談しても様子観察してくださいという指示が出るかもしれません。そういう時に「もし脳梗塞だったとしたらこんな症状が出て、CTやMRIを取ったり場合によってはカテーテル治療が必要かも」というようなイメージトレーニングをしておくと、急変時にも落ち着いた対応ができるでしょう。
もちろん急変に慣れることも大切ですので急変経験は大事にして、次に活かしてくださいね!
④自分のストレスケアができるようになっておくこと
・救急看護師はストレスが多い職業です
私はストレスケアが何よりも大事だと思っています。救急看護師はとてつもないストレスフルな職業だと思います。患者は重症で自分の技術不足で死んでしまうかもしれません。医師も余裕がなく、看護師に厳しい態度をとってくる医者だっています。患者の家族さんだってとても張り詰めた様子です。そして何より救急病棟は怖い看護師が多い気がします。やはり根性がある人・正義感が強い人が残っていく職業なんでしょうね。中には相当辛く当たってくる人もいました。さらに勉強もしなくてはいけません。そういうストレスによって自分が壊れてしまっては元も子もありません。
・私のストレス解消方法
私は山登りとカラオケが趣味なのでストレスが溜まってきたなと思ったらまず山へ登っていました。そこで景色を見て自分の悩みはなんて小さいんだと思うと少し楽になったからです。そしてカラオケに行って光GENJIの「勇気100%」を熱唱するとスッキリします。知らない人は聞いてみてください。忍たま乱太郎の歌でめっちゃ歌詞いいですよ!と、話は脱線しましたが、自分なりのストレス解決方法を持っておくことが重要ですね。あと他人に悩みを聞いてもらえる関係を築くのも重要ですね。特に同期は大事にしてくださいね。
・どうしてもしんどいなら離れること
せっかく勇気を出して救急病棟に配属されたのにしんどくてたまらない。という方で精神的にも追い詰められているようなら病棟を移動するか、辞めることを勧めます。それは逃げではありません。恥じないでください。離れることも勇気です。救急看護を続けたいならあなたに合った違う環境があるはずです。あなたの人生なんですから自分を一番大事にしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?救急看護師は想像以上に大変な職業です。過酷な環境で学ばなければなりません。しかし頑張ればきっとあなたの看護師人生の大きな財産を作れるはずです。憧れの救急看護師を目指している方はこの記事をぜひ参考にしてみてください。みんな最初は必ず初心者です。怖い先輩も憧れの先輩も、努力して今があるのですよ。でも無理はしすぎずに頑張ってくださいね。どうしても無理なら離れることも重要ですからね。
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