就職や転職をする際に、多く聞かれる『自己PR』。自分が就職したいと思っている夢を叶えるために、どんなことをアピールしていけば良いのか、悩みますよね。今回は、その自己PRについてのポイントを、状況や年代別に紹介していきます。
面接で多く聞かれる質問項目、書類に書く事項の中でも多い内容に『自己紹介(自己PR)をお願いします』というものがあります。その質問は、自分の強みと相手の強みを存分に織り交ぜて、そこで活躍したいという熱意を伝えることができる大切な場面です。
そこで、今回はこちらで自己PRの効果的な書き方・伝え方を紹介していきます。
◎状況別の自己PR
様々な理由で転職を決意し、今とは違った場所に転職をする方も多いと思います。今とは違った環境に就職するけれど、どうアピールしたらいいだろうと悩むことも多いですよね。ここでは状況別にポイントを絞って、解説していきます。
①育児や親の介護など、家庭の事情で就職する場合
家庭の事情は率直に話すことは必要です。しかし、就職したい理由に「残業が少ないため」、「家から近いため」、「託児所が魅力的だったため」という理由を述べると、他の病院でも良かったのではないかと思われてしまう可能性があります。そのため、その病院のホームページや資料などで、看護観や症例など、その病院・施設等の独自の強みを調べて、その病院・施設等にしかない魅力に惹かれたことをアピールすることが重要です。看護師として働くにあたって、なぜその病院・施設を選んだのかという理由が明確に相手に伝わるようにしましょう。
②ブランクから復帰する場合
なぜ今まで働いていなかったのかは、率直に説明する必要があります。留学や育児など、相手が納得出来る理由を用意しておく必要があります。教育体制が整っていることに魅力を感じて、応募するとしても、「ブランクがあるから1から教えて欲しいです」などの受け身な姿勢は禁物です。「早くこの職場に慣れて、戦力になれるように精一杯努力します。そのために、仕事を覚えて行けるように頑張ります」と、自分から積極的に学ぶ姿勢を相手にアピールしていきましょう。
③キャリアアップのために就職する場合
新しいことにチャレンジするために転職する場合は、なぜその科目をピックアップしたのかを明確にするのが大切です。今までの職場で培ってきた知識を、新しい場所でこう活かしていきたいということをアピールしましょう。
同じ診療科目でキャリアアップを目指す場合は、以前働いていた職場にはない魅力を事前に調べて、その魅力に惹かれたことをアピールしましょう。
配属先の希望が叶わない可能性がある場合では、最初は他の科目でもかまわないということは伝えておきましょう。他の配属先になったら入職する気がないという誤解を招かないようにするためです。
④美容系クリニックに就職する場合
怪我や病気で苦しむ患者さんをみていく病院やクリニックと異なり、綺麗になりたいといった健康な方のニーズに応えるのが美容クリニックです。そのため、これまでとは違う環境になるのにもかかわらず、なぜ挑戦したいと思ったのか、問われることがあります。美容に対する思いや、接客力を強みとして活かしていきたいということをアピールしていきましょう。美容系クリニックは、未経験で入職を希望する方が多いようです。同じ未経験でも、明るく元気に受け答えする人や、美容対する思い、これまでの経験をどのように美容に活かしていくかを熱く語れる人ほど、採用に近づきます。
⑤介護施設へ就職する場合
介護士が多く働く介護施設では、介護士との連携が重要になってきます。以前の職場でチーム医療を意識して連携を大切にしていたことをアピールすることで、介護士との連携もスムーズに出来るということを伝えることができます。また、介護士等他職種との連携が少ない場所で働いていた場合は、「ご教示いただきながら、力になれるように頑張ります。」など、良好な関係を築きながら、他職種のことを尊重する姿勢を見せていくことが大切です。
介護施設では、看護師の観察能力も重要となってくるので、利用者の健康状態をしっかりと観察できるという強みもアピールしていけたら良いと思います。
また、利用者が長く滞在している介護施設では、利用者の家族との関わりも重要となるため、利用者・家族の思いを大切にした看護をしていきたいということをアピールすると良いでしょう。
◎年代別の自己PR
経験年数の長さ・年代によってもアピールの仕方を考えていく必要があります。経験年数が短くても、長くても、何をどのように強みにしてアピールしていくべきか悩みますよね。こちらでは、そのお悩みを解消できるように、年代別の自己PRをご用意しました。
①看護師経験年数が3年未満の人、3年以上のブランクがある人
経験3年未満の人は、特定のやり方に染まっていないフレッシュさが武器になります。今後の目標や、将来なりたい看護師像を織り交ぜつつ、まだどこにも染っていない柔軟性とやる気をアピールしていきましょう。特に柔軟性の面と適応力については、学生時代や前職での経験、エピソードを交えて、「私の長所・強み」という形で伝えると良いでしょう。
育児などで、3年以上のブランクがある場合も、前に働いていた時に養った知識や技術を活かしながらも、新しい知識を貪欲に吸収して、1からスタートする意欲があることを、積極的にアピールしましょう。
「初めての経験で、まだ経年も浅いですが、自分から積極的に学ぶ姿勢を持って、一生懸命頑張ります」と、熱意を謙虚に話すことが大切です。また、転職してもすぐに辞めてしまわないだろうかと思われないように、心機一転して長く働きたいと思っていることもアピールすると良いでしょう。
②看護師経験が3年以上の人
看護師経験が3年以上ある人であると、ある程度の看護技術も習得し、リーダーシップも図れるようになり、現場での即戦力として活躍できる立場であるのが強みです。
同じ診療科でも、病院によっては業務内容や進め方に違いがある場合を考慮して、自分には経験があるが、考え方は柔軟だということもアピールしていきましょう。
まずは、就職しようと思う職場の方針や業務範囲などを、しっかりと覚えた上で、これまでの経験を活かして行きたいということを伝えましょう。
リーダー・主任経験のある方や、ベテランの方の面接をする際にも、相手には柔軟性を重視されることが多いです。1日でも早く、次の職場でのやり方に慣れて、戦力になるということが必要となります。方針を理解した上で、経験やリーダーシップを発揮すると、心強いと思われます。
これまでの経験を活かして、次の職場でも柔軟に対応していくということをアピールしていきましょう。
◎自己PRをしていく上での注意点
○前職でのお金・人間関係・残業が多いことが転職理由の場合
前職にこのような不満を持って転職する場合、そのまま率直に話してしまうと、「待遇や条件面だけを重視して、応募先を選んでいるのかもしれない」と思われてしまい、熱意が伝わらない可能性があります。前向きな転職理由を話すことで、熱意を持って応募してくれたんだということをアピールすることができます。
働き方を変えるために転職をすることは、自分の生活を充実させるためにも良いことです。しかし、自己PRをする時には、それだけではなく、就職したい場所の特徴や、独自の強みを理解して、ここで働きたいという思いが伝わるよう、説明できるようにしていきましょう。
○ゆっくりと働きたいという理由には注意
ベッドの回転が早い急性期病棟と比べたら、穏やかな職場に思えるところもあると思いますが、実際には担当医や介護スタッフとの連携などといった、別の忙しさがあります。分かっていないと思われないように、不用意な発言はしないのが良いです。
まとめ
全てに共通しているのは、前向きな転職理由と、それを現実にするためには、自分が受けているその病院・施設であることだという説得力です。
自己PRをする際には、長く働きたいと思っていることや、自分の経験を活かして柔軟に対応して活躍していきたいという熱意が伝わることが大切です。
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