救急は医療の花形です。
救急にいきたいという看護師も多いと思いますが、救急は大変だという先入観から敬遠している人もいるのではないかと思います。実際に病院選ぶときには何を参考にして、救急の現場ってどんな感じなのか。イメージできるように具体的に伝えます。
まず、救急看護師になるには、、、ですが、救急看護師の働く場所は一次?三次救急医療病院で仕事内容が異なり、救急医療を行う施設には特徴があります。
一次救急医療病院は入院の必要がなく外来のみ、二次救急医療病院は入院や手術処置を行う重症患者を扱うところ、
三次救急医療病院は一刻を争う重篤患者を扱うところです。
救急の看護師になりたいなら3次救急のある救命救急センターでしょう。
希望の都道府県の救急救命センターを検索して調べれば出てくるのでまずはそこで病院が絞られます。
次に大事なことは救命救急センターがどのくらい重傷者を受け入れているか、救急車はどのくらいくるのかという規模感です。これも毎年厚労省が救命救急センターの評価結果というものをホームページに載せているので、それを参考に各救命センターの規模感を予想することができます。
救急でガッツリやりたいならば、救急車を多く受け入れているところ、重症患者が多いところを選ぶと良いと思います。
次に、救命救急センターのシステムについてですが、病院によって機能別に細分化されているところ(例えばHCU、SCU、ICUなど)や、院内の術後患者と外からの救急患者など院内全ての重症患者を収容している救命センターもあります。救命センターやりたかったのに、救急病棟だった、、みたいなこともあるのでこればかりはインターンシップなどで職場の内部を見学しないとわかりません。
また、救急外来兼務でEICUなどで勤務となることもあれば、救急外来とEICUは別部署になっているところもあるので、重症患者のケアをしたいのか、救急車からくる初療対応がしたいのか明確にプランを持っておく必要があります。
救急外来ではフライトナースとなってドクターヘリに同乗したり、DMATといって災害の現場で初期対応に携わったりする場合もあります。
最も重要な救急看護師の役割は、救急処置の実施と迅速な初期対応です。心臓や呼吸が止まってしまった患者さんへの救急蘇生処置や、出血を止める止血方法や包帯法、骨折時の処置などの応急処置があります。また、脳卒中、冠症候群など何から何まで対応するのが救急看護です。暇な時は暇ですが、忙しい時は休憩も取れないのが救急の現場です。
医師が行う様々な救急治療場面で、処置介助を行うことも多く、気管挿管、補助循環などの介助、交通外傷、など多岐に渡ります。
こうした医療行為が多いのも特徴ですが、体を清潔に保ったり、体位を整えたり、トイレの介助をしたり、痛みを和らげたりなどの生活行動援助も重要な役割です。他には、患者さんとその家族に対する心のケア、救急医療チームが円滑に機能するように調整することなども仕事の一環です。一般病棟と違うところであり、大変なところは救急の患者さんは急に発症または具合が悪くなり、そのままなくなってしまう方もいます。
そこで家族が面会した際に気持ちの整理がつかず、取り乱しているときにどんなケアや方法を考えて、最期の面会をデザインするのか。そこが一番難しい反面やりがいもあります。
人の生命のなかでも一番重大な場面を日々立ち会っているのが救急の看護師です。辛いことも多いですが、一番必要とされる場面だと思います。
救急看護師になるには希望を言えば特に制限なく配属されるでしょう。病院によって一年目は配属されない病院、一年目からでも配属される病院があります。それも見学などで尋ねると良いでしょう。
救急には様々な診療科の患者さんが搬送されますので、その現場で対応することにより様々な知識を実践で学ぶ事が可能です。たとえば「救急センター」「ER」や「フライトナース」としてドクターヘリに同乗、災害現場で勤務するなど幅広い現場で様々なスキルを学び取ることで、通常の看護師以上の仕事をすることとなります。そして、救急隊、警察など多職種と連携することもあり、幅広い知識が必要です。
命にかかわる緊急な現場で働く救急看護師は、冷静な判断力を養うことができ、命を救うという充実感や達成感も得ることができます。素質についてはやりたい気持ちがあればどんな性格でも良いかと思います。働いていく中で図太くなって感情のコントロールもできるようになり、忙しい時でも冷静に対応できるようになります。そこは心配いりません。
給料についてですが、だいたい月に6回くらいの夜勤です。救急車は昼間でも夜でもくるので、日勤も夜勤も同じ人数、看護体制で勤務が組まれます。一般病棟のように夜間は3.4人ということはないので夜勤が多くなってしまうのはデメリットかもしれませんが、その分給料も高いです。
また救急はさまざまな研修が外部であるので、自己研鑽出来る方はインストラクターとなりお小遣い程度ですが報酬がもらえます。
キャリアについてですが、認定看護師、診療看護師、専門看護師、大学院進学、医療機器メーカー、管理職、訪問看護など多岐に渡りキャリアを形成するステップを踏むことができます。
細かくキャリアプランを描かなくても救急にいれば自ずとやりたいことが見えてきて、いろんな経験が積めます。
人間関係についてですが、これは救急だからといった特徴は特になく、病院、病棟によりさまざまです。
救急では多職種連携や即席でチームを組み対応することも多いので、他者を理解し協同する意識が求められます。個人プレーは求められないので、組織人としても、チームの中の調整役としても看護師は重大な役割を担ってます。
救急では男性看護師も多いので、人間関係は比較的良いところが多いのではないかと個人的には感じます。また、自己研鑽など向上心をもって仕事をしている人が多いので、より高い環境に身を置いて仕事をしたい人には良いと思います。
救急を経験して病棟へ異動したとしても、急変対応など役立つことは多く、病棟から救急に異動したとしても、自身の強みを持って全診療科を診る救急で役立つことは多いです。
そのため、新卒から救急でも、中途から救急でもどちらでも学ぶことは多く、全人的に患者を捉えることができるので救急に異動するタイミングはやりたいと思った時で良いと思います。
両方経験することで患者を急性期から慢性期まで理解して全体像を掴めると思います。
また最近は救急ではコロナで重症化した患者を管理していると思います。
感染対策や腹臥位療法など人手や手間が多く大変です。
テレビで放送されているように完全防備で、救急車がひっきりなしに搬送されてくることもありましたが、世間に貢献しているというやりがいもあります。
テレビやドラマで放送されている救急の現場は、イメージ通りのところもありますが、患者さんが少なく、救急車が少ないことも多いので、そんな時はまったりと緩い雰囲気でのびのびと仕事をしています。
毎日が怒涛の忙しさなんてことはないので、救急希望の方はあまり身構えず、やりたい気持ちがあれば飛び込んでくると良いと思います。そのあとどんなキャリアを進んだとしても糧になる経験ができると思うので興味がある方は一歩踏み出してみてはどうですか?
子供から高齢者でどんな病気、症状でも、24時間いつでも対応するのが救急です。そんな万能な能力を身につけてみたいと思いませんか?
救急看護師としてキャリアの一部分だけでも経験するだけで、得られることは大きく、看護師を極めることは人格形成にも繋がります。
救急をやりたいという方を応援していますのでぜひ救急の世界に飛び込んでみてください。
まとめ
救急は他の病棟と大した大きな違いはなく、誰でも飛び込んできたら順応できると思います。大変だ、素質がない、など身構えずやりたいという気持ちがあれば飛び込んでみてはいかがですか?患者、家族の生命の一台場面を支える看護師さんが求められておりやりがいも大きいです。解剖、重症管理などからチームワーク、リーダーシップまで多岐に渡り学ぶことができ、人格形成にも繋がります。やりたい方ぜひ救急へ。
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