大学病院の看護師になるには?メリット/デメリットを募集要項から紐解いていきましょう。

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#1580 2021/09/24UP
大学病院の看護師になるには?メリット/デメリットを募集要項から紐解いていきましょう。
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私は新卒で大学病院に就職し、結婚・出産し現在育休中です。今後も復帰し継続して働く予定です。そんな私が大学病院の看護師にどのようにしてなったのか、またなるためには何が必要で、どうしたらよいか、続けるためにはなにが必要かHow toを経験談からお伝えします。

メリット/デメリットを募集要項から紐解いていきましょう。

・大前提としての募集要件は。

看護の教育課程がある4年制大学、もしくは看護専門学校を卒業し、看護師免許を有する、もしくは取得見込みであることが必須です。 仮に、取得見込みで就職内定がもらえても、その後看護師免許が取得できなければその時点で内定は取り消されてしまいます。総合病院や地方の病院では、看護助手として1年間働いて翌年試験を受けたり、准看護師の免許を持っていてそちらで働くということを耳にします。ですが、私の働いている病院では看護助手は看護助手としての採用が必要であり、准看護師の資格ではパートですら募集されていません。そのため必ず看護師免許を取得しなければなりません。 私としてのメリットは、内定をもらった際に絶対に受からなければならないと国家試験合格をなんとしてもしなければならないと意識がより強くなったことです。デメリットは仮に落ちたら、そこでは働けないため新卒でも1年間無職になってしまうことでした。

・就職する看護師の割合はどうなっているのか。

私が就職前に気になったのは、大学病院では系列の看護学部からの卒業生が多いのではないか、外部生は仲間外れにされるのではないかということです。 私の働いている病院の内訳としては約50%が内部生、40%が外部生、10%が中途採用者といった状況でした。外部生は北は北海道から南は沖縄の方までほんとに日本全国から集まってきていました。既卒の方は3-5年目くらいの方が多い印象で、向上心の高い方ばかりでした。 実際就職してみると、はじめのうちはオリエンテーションでグループワークがあり内部生も外部生も既卒者も混ぜて行われ、そこで関わった人たちとは打ち解け合うことができました。村八分にされたり疎外感を感じることはなかったです。また、配属されてからも程よく混合されていました。先輩たちも分け隔てなく接していました。 私としてのメリットは、外部生や既卒だからといって気負いすることがなかったことです。就職前は最も気がかりなことのひとつだったので、そこは安心してもらってよいかと思います。また、自分の病院を受診する際に知り合いが少ないので、気まずくならないのはよかったことです。一方でデメリットは、他の部署に用事があるときに知り合いがいないことです。内部生では、同学年や関りのあった先輩・後輩が院内のあちらこちらにいるのでそこで親しそうにしていると時々うらやましくなることはあります。

・気になるお給料事情

給料は基本給は低いものの、手当やボーナスが多く、結果として高いことがいえます。手当の内訳としては看護職手当というものが看護師であるだけでつきます。他にも夜勤手当は月4-5回程度の夜勤があり、手当の割合の多くを占めています。残業手当は部署にも寄ると思いますが、私の場合は月30-40時間程度だったので、多くもらっていました。それだけたくさん残業しているということですが、給料に反映されているから自身では納得していました。ボーナスは各大学病院に寄りますが、私のところはとても多く、そこはありがたいと思っています。昇給としては、毎年自動的に上がっていくのでこれという成果を出していない人でも、同時期に入職した人と同等の基本給とボーナスをもらえます。一方で、保健師の資格を持っていてもなんの意味もありませんでした。病院によっては手当がつくところもあるみたいですが、私のところはありませんでした。また、ラダー制度があっても給与には反映されません。主任や師長まで上りつめれば手当がつきます。 私としてのメリットは、年収が非常によかったことです。同じ病院の看護師もブランド品を持っている人が多いです。私はそこまでブランド志向がなかったので、貯金をしています。デメリットは、資格に対しての手当てがない事です。認定看護師や専門看護師は別ですが、保健師やACLS、心不全療法士・糖尿病療法士・呼吸慮法認定士、心電図検定など取得してもなにもつかないのは張り合いがないと感じます。また、ラダー制度があるのに給与に反映されないというのは、せっかく上がってもかわらないのであればそのままでよいと感じてしまうからです。

・募集人数が多いのはなぜか。

大学病院はほかの病院と比較しても、募集人数が圧倒的に多いですよね。それを考えたことがある人はどれほどいるでしょうか。それはつまり裏を返せば、離職する人も毎年募集人数程度いて離職率が高いからです。悪くいってしまえば使い捨ての駒なのではないでしょうか。もちろんそんな風に謳っている病院はどこにもありませんが。 大学病院というと最先端の医療を提供しています。位置づけとして急性期になります。勤務は忙しく、過酷、体力勝負でもあります。また、残業時間も多いうえ、各係が割り振られたり、カンファレンスが行われたりすることもありそれにも時間がとられます。最新の医療についていくためには知識・技術の自己研鑽が必要になりますし、勉強会も多く、OJT・OFFJTともに参加しなければなりません。正直、過酷な状況で体力的にも精神的にも厳しい環境です。そのため、ついてこれない人や、結婚や出産を機に辞めていく人が多い印象です。 私が就職したときの同期は5人いましたが、1年目で既卒の方が以前の病院の方が良かったと辞めました。2年目で新卒方が美容クリニックへ行きたいと辞めていきました。現在残っているのは3人ですが、私を含め内2人が部署移動をして1人しか残っていません。また、ある年の後輩では7人中5人がメンタルで部署移動や辞めていきました。 私としてのメリットは、同期が多くいたので心強かったことです。これだけの人数がいるわけですから相当なことがない限り目立つことはありません。また、落ち込んだときに支えあえたり、一緒にご飯や旅行に行けたことです。デメリットは仲の良かった同期や先輩・後輩が次々に辞めていってしまうことです。もう一緒に働けなくなるのはさみしさを感じます。

・休日はどのくらい。

私のところは、4週6休プラス祝日と有休が付くので月7-8日休みになります。他、年末年始や創立記念日が休みになります。病棟ではシフト制になりますので、土日・祝日・年末年始の出勤には手当がつきます。他に、夏季休暇は5日つき、普通休と有休と合わせて連続して10日取得することができました。これは、働いている人数が多い大学病院ならではのものではないかと思います。海外旅行にいく方が多く、お土産は多国籍のものがありました。結婚休暇は別途10日支給されるため、式の翌日からハネムーンへ行く人が多いです。 私としてのメリットは、連続した休みの日数が多いことです。毎年、海外旅行には行き、場合によっては2カ国回ることや国内旅行を数か所めぐることもありました。他にも、夜勤明けで連続して休みを2日くらいとれた時には一人旅をすることもありました。また、結婚休暇ではヨーロッパのクルーズ旅行へ出かけ、充実させることができました。デメリットは、日勤が連続して5日のときや、日勤4日と夜勤のときは体力的に辛かったです。

・選考方法の内容は。

私の働いている病院の就職試験は、看護師国家試験程度のマーク式のテストと面接、適正検査です。テストのレベルとしてはそんなに難しいものではなく、普通に国家試験対策をしていれば問題ありません。国家試験対策の方法としては、ひたすら過去問を解いてください。面接は3対1の10分程度の面接で、ここまでの交通手段などフランクな話から始まり、今後どうしていきたいなどの話をしました。また、見学会やインターンシップに来たことはあるかを聞かれたので、なるべく参加した方がよいと思います。適性検査では、配属先を決定するときの参考にすると聞きました。内申書が悪い人以外は、滅多に落ちることがないと思います。 私としてのメリットは、国家試験の対策はずっと行ってきていたので問題は簡単でした。デメリットは、どこの配属希望かに対してあまり深く考えずに答えてしまい、ハードな病棟配属になってしまったことが悔やまれます。

・それでも大学病院の看護師として働きつづけるコツは。

仕事とプライベートを分けることです。私は最新の医療に関わっていきたいという思いがあり、そのためには勉強会の参加やラダーアップのために日々いそしんでいます。毎日、緊張感のある職場で忙しく働いています。ですが、プライベートでは友人と旅行へ行ったり、家族とのんびり過ごしたり、一人旅行をしたりと仕事のことはなるべく考えないようにしています。プライベートなときに仕事での係の仕事は持ち込まないなどの工夫をして、リラックス・リフレッシュするようにしています。

・大学病院の看護師としてやっておいた方がよいこと

就職前にその病院のしっかりと下調べをすることです。大学病院と一概にいっても募集要項から読み解けることのように、どのような違いや特色があるのか理解しておくことが重要かと思います。私は、入職してから自分の病院に資格手当がないことを知り、他の病院にはありそこは後悔しています。勉強会や研修の費用を負担してくれる病院もあるようで、調べておけばよかったと思っています。 また、なんのために大学病院の看護師になりたいのかを明確にしておくことも大切になってきます。私は、前述のように最新の医療に関わりたいので働き続けています。同僚のなかには、いつか訪問看護師になりたいのでそのために今は基礎作りをして活かしていきたいと話している者もいます。ただ、何の目的もなく働くのであれば大学病院で働くメリットはなく、早期に辞めてしまうと思います。別にそれが向上心だけではなく、給料がよくて長期休みが取れるからと働き続けている者もいるので、それでもいいと思います。いずれも働く目的をもっているので続けられることだと思います。やる気次第で知識や技術は後からついてくるのでどうにでもなります。 上記を踏まえて大学病院での就職を検討してみて下さい。

まとめ

最後までご高覧いただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか? 大学病院の看護師の実情を知ることができましたでしょうか。また、大学病院の看護師になるための参考になりましたでしょうか。 今後、大学病院の看護師を目指す方が増えたらと願っております。そして、就職希望の方が内定をもらえることをお祈り申し上げます。

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