転職の際に良い病院って本当にあるの?その疑問にズバリお答えします!

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#1562 2021/09/06UP
転職の際に良い病院って本当にあるの?その疑問にズバリお答えします!
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「良い病院」とはあなたが「優先する条件」に該当し、他の条件が自分自身の許容範囲内である病院です。さらに、現在の勤務先が実はあなたの探している「良い職場」なのではないか、冷静に比較検討してみることも大切です。また「良い病院」の絶対条件である「人間関係の良い病院」は見極めが非常に難しいものです。自身がコントロールできるレベルの病院を見極め、人間関係を育てていくことが必要です。

看護師は転職する人が多い職種だと言われています。多くの病院が人手不足で転職の選択肢が多いのが一つの理由だと考えられていますが、そんな中、どうせ転職するなら少しでも条件の良い病院に転職したいですよね。では、転職の際に良い病院って本当にあるのでしょうか。何度か転職を繰り返してきた看護師歴30年の著者がその疑問にズバリお答えしたいと思います。

●【まず考えてみて欲しい「良い病院」の条件とは?】

疑問にお答えする前に、まず考えてみて欲しいことがあります。あなたにとって「良い病院」とは、どんな病院でしょうか。一般的には次のような条件が挙げられると思います。
①給料が良い。高額である。
②福利厚生が充実している。
③仕事が楽。(給料に見合った内容である)
④やりがいのある仕事である。
⑤人間関係が良い。
⑥指導体制が充実している。
⑦尊敬できる先輩や上司、医師がいる。
⑧施設が綺麗で新しい。
⑨最新式の設備が整っている。

では、このような条件がすべて整っている病院って存在するかというと・・・・
そんな夢のような職場は、まず存在しません。万が一、それに近い職場が存在したとしても従業員は誰一人辞めないので、求人が出されることは永遠にないでしょう(笑)
では「良い病院」とは、どんな病院なのか。それは、転職を考えているあなた自身がもっとも大切だと思える条件、つまりは最優先する条件が満たされている病院であり、なおかつ他の満たされていない条件が、あなた自身の我慢の限界を超えないレベルである、つまりは許容範囲である病院だということになります。

転職先を探す際には、あれもこれもと欲張ってはいけません。自分が「これだけは譲れない」という条件に絞り込んで該当する転職先をリストアップし、他の条件に関して妥協できるか探っていくのが現実的な対処方法です。そうすれば、実際には存在しない理想の職場を探し続けて何度も転職を繰り返す転職難民になってしまうこともないでしょう。
実は私自身、若い頃、このありもしない理想の職場を追い求めて、転職を繰り返してしまった時期がありました。転職して間もないのに現在の職場のあら探しをしては、他にもっと良い職場があるはずだと思い込み、再度、転職を繰り返すという過ちを犯していたのです。本当にお恥ずかしい話ですが、自分自身の看護師としての実力を顧みず、せっかく一生懸命指導してくださった方々に感謝の気持ちを持つことすらありませんでした。「良い病院」という幻想に捕らわれて、完全に自分自身を見失っていたのだと思います。

●【転職を決意する前に考えて欲しい、今の職場は本当に「良い病院」ではないのか?】

これらのことを踏まえて、もう一度よく考えて欲しいのは、現在の職場、つまりあなた自身が辞めようとしている病院は、本当に「良い病院」ではないのかということです。

「青い鳥」という童話をご存知でしょうか。二人の子供が「幸せの青い鳥」を探し求めて旅に出るのですが、どこをどう探し回っても見つからず、最終的に戻ってきた自宅に「青い鳥」がいたというお話です。ここから忍耐力がなくて何度も転職をくりかえす若者を「青い鳥症候群」などと揶揄する風潮があったものです。まずはこの童話を教訓にして、あなたの今いる職場が実は理想の職場なのではないか、辞める前に一度冷静に分析してみる必要があります。

ここでもう一つ、参考のため、私自身の経験をお話ししましょう。私が以前勤めていた病院は、給料も良く仕事内容に見合っており、やりがいもあって人間関係もよい、本当に私にとって理想の職場でした。ただ一つ、私にとって理想通りではなかったこと、それは上司Aさんの存在でした。彼女は感情的になりやすい性格で、いつも誰かをいじめては憂さ晴らしをするような最悪の上司だったのですが、数か月前からイジメのターゲットにされるようになり、私は精神的にギリギリの状態でした。もうこれ以上は我慢できないという状況にまで追い込まれていたのです。
数か月後、結局、私は彼女に追い出される形で職場を希望退職したのですが、その一年後、Aさんの横暴ぶりを見かねたトップの方たちが、Aさんを退職させるように計らってくれて、その病院はあらゆる面において本当に働きやすい「良い職場」になったのです。その時点で私はその病院に戻って働きたいと思ったのですが、すでに新しい職員が決まっており、その願いはかないませんでした。

当時、この事実を知って、大変後悔したのを私は今でも覚えています。もう少し我慢していれば、なんとかやり過ごしていればと何度思ったことでしょう。しかし、起こってしまったことはもう取り返しがつきません。一方で、あのまま我慢し続けていれば、精神的な病を発症していたかもしれなかった、やはり無理だったのだと思う気持ちもあるのです。
私は決して「我慢せずに今の職場で働き続けて下さい」と言っているのではありません。
ただ、このようなケースもあるのだと理解して、一時的な感情だけで暴走しないようにと注意を促しているのです。転職するのも、もちろん一つの「勇気」ですが、思いとどまることもまた「勇気」の一つなのではないでしょうか。転職が容易な看護師という職業だからこそ、よく考えて結論を出してほしいと思います。

●【良い職場の絶対条件である「人間関係」の良い職場を見極める方法とは?】

先に挙げた私の経験からもご理解いただけるように、職場における「人間関係」は良い病院の絶対条件であるといっても過言ではありません。逆に言えば、他の条件がすべて満たされていたとしても「人間関係」が壊滅的な状態であれば、辞めたいと思う人が多いというのも事実です。この「人間関係」という、かなりやっかいで不確かで流動的なしろものが良好な職場は本当に存在するのでしょうか。

「人間関係」が良いか悪いかは、同じ職場でも感じる人によって違いますし、日々変わっていく不確かなものです。あくまでも独自の見解ではありますが、いわゆる「人間関係の良い職場」を見極めるのは非常に困難だと言えるでしょう。しかし、一方で「人間関係の悪い職場」は比較的把握しやすいものです。ピリピリとした空気、重い空気が職場全体に漂っており、職員が怯えている、常に顔色をうかがっているなど、一目見ただけでわかる職場が多いようです。まずは、この「人間関係が悪い職場」を除外し、
比較的人間関係が良いと思われる職場、自分自身でなんとかコントロールできそうな職場を選ぶことが重要です。

そして、そのような職場を選んだら、後は、そこにじっくりと腰を据えて「人間関係」を育てていくことが重要だと思います。「きちんとあいさつをする」「思いやりを持つ」「仕事のミスを最小限にする」などの人間関係を良好にするための基本的なことを守りつつ、お互いの信頼関係を着実につみあげていくことが「人間関係を良好にする」第一歩です。長年続けていれば、不確で流動的だった人間関係が、次第に強固でゆるぎないものへと変化していくことを実感できるでしょう。「人間関係のよい職場」は探して見極めるのではなく、その素質を見出した上でじっくりと育てていくものだと理解してください。

だからこそ、私のように安易な転職を何度も繰り返すのは得策ではありません。そのためにも一生働ける職場をできるだけ早めに見つけ出し、あなた自身が本当に良いと思える職場を育てるつもりで日々精進していきましょう。

まとめ

良い職場を見つけるためには、現実的な条件提示と、それによる比較検討、現在の職場を客観的に見る冷静さなどが必要です。さらに良い職場は、はじめから存在するものではなく、あなた自身がその素質を見出して自ら育てていくものでもあります。このような真摯な気持ちでとりくめば、きっと良い職場にめぐりあえることでしょう。

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