救急看護師って格好いいイメージがありますよね。コードブルーというドラマでは、医者もそうですが看護師もとても格好良く取り上げられたいました。私自身、コードブルーを見て救急に憧れて、その道に進んだ者です。では、どうすれば憧れの救急で働くことが出来るのか、その一つの道として私の経験をお伝えします。
ということで、タイトル通り救急看護師になるための方法の一つとして、私自身の経験を踏まえてお伝えします。
私は、救急看護師に憧れて看護師の道を選びました。いつか患者さんの命を救えるような、そんな格好良い看護師になりたいと、夢を見て看護師になったのです。現在、看護師8年目となり、念願叶って救急看護師としては6年目になります。
あれ、初めから救急で働いていた訳じゃないの?そう思われましたかね。そうなんです。実は、初めから救急の分野で働けた訳では無かったんですね。ではどのような経緯で、現在に至ったのかをお話しします。
入職前には、恐らくどこの病院でも、配属希望を聞かれると思います。そこで、新卒一年目の私は目をキラキラさせながら、以下のように希望を書きました。
①救急外来
②ICU
③循環器
もし、救急が無理だった場合には、急性期の分野で働きたいと思っていたので、このように希望を出したのですが、、、
部署発表の日、配属通知を見た私は驚きました。私の配属先は、なんと手術室だったんですね。第三希望まで書いたのに、一つも希望が通っていないじゃないか!と、その配属先を見たときには、絶望を感じたのを覚えています。
・手術室なんか希望していない
・患者さんとの関わりが少ない
・看護が見出しにくい
・実習で学んだことがほとんど活かされない
こんな気持ちから、入職して3ヶ月くらいは毎日のように、辞めたいと家で泣いていました。
皆さん、手術室のイメージってどんな感じですか。学生さんでも、今の実習だと急性期実習の中に、手術室見学実習の日が1日ある程度だと思うんです。なので、ほとんど手術室の看護って学ぶことが無いんです。
で、実際のところはどうだったのかというと、大体最初に感じていたイメージのまんまだったんですよね。手術室看護師として、やりがいを感じることが出来たのは1年以上経ってからでした。出来ることが増えて、手術が楽しくなるには時間がかかりました。
手術室看護の魅力については、ここではお伝えしませんが、手術室にもちゃんと看護があり、とてもやりがいのある分野だと、経験したからこそ思います。
では、話が少しそれてしまったので、救急の話に戻していきます。2年間、手術室の看護師として働いた私でしたが、やはりどうしても、救急が学びたい!と思い、異動希望を出したんです。しかし、2年しか一つの部署で働いていない私の希望は通らず、もう少し手術室で頑張ってほしいと言われました。私の勤めていた病院では、救急病棟で5年以上働いた人しか、救急外来には降りることができないという制度でした。
つまり、救急看護師として働くためには、まず救急病棟に配属されなければならない、尚且つそこで5年以上働かなければ、私の夢見た救急外来では働けないというのが現実だったのです。看護学生の頃は救急に配属されれば、すぐに救急外来で働ける!と思っていたのですが、現実はそんなに甘くありませんでした。それはそうです。看護師としての経験が無い人を、人の命を救う現場に出すことは出来ないのです。知識も技術も、何も持っていないヒヨコには、人の命は預けられないということです。
しかし、これでは何年経ったらそこにいけるのか分からないなと思ったんです。そこで、私は1つ目の職場を辞めて、地元の救命救急センターに、転職することに決めました。本当は、家からも近いその救命救急センターに、初めから就職したかったのですが、附属の専門学校だったため、そのまま母体病院への就職を勧められたという経緯がありました。
それ故に、遠回りをしたかなと思っていたのです。初めから、地元の救命救急センターに行けていたら良かったのにと。しかし、遠回りだと思っていた私の経験は、近道だったのだと後に気付かされるのでした。
新しい職場へ入職後、配属発表がありました。配属先は、手術室でした。あれ、、救急がしたくて、前の職場を辞めたのに、また手術室で働くことになるのか。と思っていたのですが、私が入職した救命救急センターは、手術室の看護師が救急外来を兼任する形をとっている所だったのです。
中途採用で入職したスタッフは、私の他にも沢山居ました。皆、救急外来で看護師をしたいスタッフばかりでしたが、救急外来に降りることが出来る部署である、手術室に配属されたのは、私ともう一人だけでした。入職後、部署配置の理由を師長さんに聞くと、手術室経験があったからだと言っていました。これは、棚からぼた餅でした。救急外来で働くために、手術室の経験が役に立つなんて、1つ目の病院に就職した時には、考えもしていませんでしたから、嫌だと思いながらも、頑張ってよかったなと思ったことをよく覚えています。
2つ目の病院は、全国でも数少ない手術室と救急外来が兼任の病院でした。多くの病院は、恐らく救急病棟もしくは救急ICUスタッフが、外来搬入が来れば降りるというスタイルで働いていると思います。なので、普通に考えると手術室経験があって、救急に配属されたのは、あなたの病院だったからではないですかと思われるかもしれません。しかし、それは違うのです。
救急には、一次救急、二次救急、三次救急という分類があります。一次救急は、軽症患者さんを診ます。一方、三次救急は重症度と緊急度の高い患者さんを診ます。もし、救急に興味がある方は、自分が行きたい病院は、何次救急なのか一度調べて見てください。
二次救急、三次救急であれば、手術室の経験が生きること間違いなしです。なぜなら、救急外来で傷の処置を行ったり、重症症例では外来で手術を行うこともあるからです。そんな時に、手術の経験がある看護師が介助につくのと、手術の器械のことなど分からない看護師が介助につくのでは、処置にかかる時間に雲泥の差が出来ます。これが、手術室看護師が、救急で重宝される理由です。
これまでお話ししてきたことが、救急看護師になる唯一の方法ではありません。あくまでも、こういう方法もあるよという紹介にはなりますが、実際に働いている中で、手術室経験のある救急看護師はとても多いのは事実です。
やはり、一番ストレートに考えると、救急病棟への希望を出し、そこに配属されて何年か経験を積んだ後、救急外来に降りるというのがスタンダードな流れになるかと思います。しかし、まれに私のように飛び級が出来てしまうケースもあるのだということを、お伝え出来ればなと思って今回この記事を書かせてもらいました。
一見、遠回りしたかと思われる手術室の経験が、救急看護師になる近道だったのだと私は考えています。私は、看護師3年目にして、多くの人が憧れる三次救急の救急外来看護師として働くことができました。なので、もし早く確実に救急看護師として働きたいのであれば、初めに手術室から学ぶというのも一つの手なので、是非参考にして頂けたらと思います。
救急看護師の魅力としては、やはり患者さんの命を救う最前線にいるということです。もちろん、責任は大きく、プレッシャーに感じたり、怖いなと思うこともあります。しかし、それ以上に医者やコメディカルとチームとして、1人の患者を救えた時には、言葉にならない達成感があります。この現場で働く人が、少しでも増えればなと思っています。
まとめ
いかがでしたか。救急看護師になるための道が一つ増えましたでしょうか。きっと、色々な方法で救急看護師になることが出来るのだと思いますが、私のように手術室看護の経験を経て、救急看護師になると言う道も、選択肢の一つとして考えて頂ければと思います。救急看護師として働く人が一人でも増えて、救急看護の面白さを知ってもらえると嬉しいです。
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