訪問看護師としてのアセスメントについて

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#1527 2021/08/02UP
訪問看護師としてのアセスメントについて
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15年ほど病院勤務をしました。その後家庭との両立が難しくなったため、転職をしました。元々病院勤務時代に高齢者が多くなっていて自宅でのケアがいかに大事かを感じていたので訪問看護師として働くことを決めました。実際働き出して、理想と現実が違うことを目の当たりにしました。訪問看護師としてのアセスメントについて話したいと思います。

病院勤務時代はまず、病院に来る理由があるので体の面からアセスメントをしていました。

入院時のアセスメント①

手術だったり、慢性疾患の急性期を治療したりと目的がはっきりしていたので、その疾患や症状からアセスメントしていました。だいたい疾患によって観察することは決まってくるので、そこから考えていました。その状態観察からさらに個別の症状など観察していく形でアセスメントしていきました。

入院時のアセスメント②

身体面からアセスメントして、介助の必要性がある場合の計画を立てていました。入院中の生活範囲はベッド上とトイレ、お風呂くらいなので、その範囲で手伝いが必要かどうかをアセスメントしてケアプランを立てていました。麻痺があったり、視力障害があったりすることで日常生活の手伝いの必要性をアセスメントしていました。自宅でどのようにしていたのかなど確認してなるべく帰ってからその能力が奪われることがないようケアを立てていきました。

入院時のアセスメント③

個別性として生活歴や環境、自宅での状態を確認してアセスメントして行きました。その際、高齢者が増えているここ最近は退院後の生活面を考えるとまた体調を崩して緊急入院になるかもしれないとか身体面で介助が必要なのに独居をしているだったり問題があることが結構ありました。退院に向けて介護保険の説明や利用できるサービスなどその人に必要だろうことをアセスメントして説明していました。病院では退院後のその先の生活を補助できたつもりでいました。

家庭との両立が厳しくなったため、その後転職先を探しました。
退院後の患者さんの生活面が気になっていたので訪問看護師として働くことにしました。
働き出して実際は理想通りにいかないことを目の当たりにしました。入院時は薬の管理ができないだろうなとか体重測定を毎日してほしいけどな、食事の準備や入浴に手伝いがあると生活が少し変わってくるだろうなと思い、それを退院後も続けられるならと介護保険やサービスの説明などしていましたが、実際は審査は厳しく、また認定がおりても利用できるサービスがかなり限られていたりして結局週に一回しか薬の確認や体重測定ができなかったりすることを知りました。
生活面でも買い物や食事の準備、入浴など全部を使えるような介護の認定がおりることも稀なことを知りました。その中で本人にとって一番望まれることや必要だと思うことを妥協と言ったらダメですが他は我慢して抜粋しなければならないことを知りました。また本人が家になるべく入ってほしくないと考えている場合も少なくなく、そう言った際には家族との関わりなどを考慮してアセスメントしなければなりません。遠方に住んでいる家族との連携や主治医、ケアマネジャーとの情報共有など多岐に渡ったアセスメントが訪問看護をする際には必要なのだと知りました。

病院では、一人で患者を担当していたとしてもすぐに周りに相談してアセスメントしたり助言を得ることができます。また、次の勤務者がいるため違った目があるので自分では気づかなかったことに気づいてくれて違ったアセスメントをしてくれたりします。
訪問看護師は限られた日の限られた時間に30分だったりの短い時間を利用者さんと過ごしてバイタルや薬、食事などあらゆる情報を得てその場でアセスメントしなければなりません。他にこういったアプローチをしたらどうだろうか、本人さんはこれを望んでるけれどサービスの単位として可能なのだろうかなどありますがその場で誰かの助言をすぐに受けることは困難です。
事業所などで再度他のスタッフと相談して結果は次の週だったりになります。また、次の確認の目が自分だったり、一週間空いたりするので自分が行ったアセスメントが良かったのか不安がずっと残ります。すぐに誰かの目が入らない、対応できないことは不安ですが、他のスタッフや主治医、ケアマネジャーと一緒に情報共有しアセスメントしていくことが訪問看護師としては重要だと感じています。

訪問看護のアセスメント

本人にとってのニーズが何かを知ることが一番だと思います。薬はもちろん大事ですが、週に一回の訪問で毎日確実に飲めなくても目を瞑る必要があります。週に何回か飲み忘れがあってもそれでよしと完璧は求められません。それより本人が望まれることをケアして週一回でも状態を把握できることが大事になりそこをその時にアセスメントする必要があります。何かサービスがまだ必要だと感じた時、サービスの単位や他のサービスとの兼ね合いがあるのでどちらが優先されるのかをじっくり考える必要があります。

訪問看護でのアセスメントの事例

独居でホット導入が必要だが喫煙者であるため導入ができてない利用者さん。
状態悪化による入退院を繰り返していたため内服を確実にするため、また入浴介助をデイサービスで受けるため介護保険の申請をして認定を受けました。一番はやはり疾患による状態悪化を起こさないため、ホット導入をするのがいいですが本人は禁煙はできない、高齢のためホットの管理も厳しいとのことでした。
内服だけでも確実にとアセスメントし元々一日三回内服していたのですが、飲み忘れが多かったため朝のみの内服に変更してもらいカレンダーで管理することにしました。
週一回訪問看護に行き内服確認と内服セット、バイタル測定をしました。入浴は自分ではいると呼吸促迫が強く出るのでデイサービスで週一回ですが入ることになりました。
内服はカレンダー管理にしたこと、朝のみの内服に変更したことで飲み忘れることが減りました。状態悪化もなく入退院を繰り返すことがなくなりました。
もし、病院入院時であれば優先順位としてホット導入が一番にきていたと思います。
ただ本人の年齢やニーズ、管理ができるのかといった自宅での生活を考えるとホット導入は無理を敷いていることだと思います。

病院での治療のためのアセスメントと訪問看護での自宅での本人のニーズに沿ったアセスメントは大きく違うことがわかります。
もちろん本人が安全安楽に過ごせることは大事ですが、ニーズを大切にして自宅で見ていくことが本人の安全安楽だったりするのです。
病気だからこれが必要だ、この治療をしないといけないという認識が正解とは限らないことを訪問看護で働くようになって知りました。
また、急変時に備えられるよう毎週の訪問で状態をアセスメントしておくことも大切なことではあります。
看護師として訪問看護で働く際、アセスメントは病院の通りにはいかないことを知りましたが、やはり病院で学んできたアセスメント方法やケアの仕方は役立つし、一人で行動しアセスメントする不安はありますが、他のスタッフとの情報共有や連携など病院と同じように対応していく面では一緒だと思います。
就職する際は病院から入る人が多いと思いますがそこでの経験は他の職場になった際でも役立つので周りにスタッフがたくさんいる間にいろいろ学んでいくのがいいと思います。

まとめ

病院入院時と訪問看護でのアセスメント方法は切り口が全く違ったりして戸惑うことが多いです。ただ、どちらも経験や他職種との情報共有や連携が大切で周りのスタッフと一緒にアセスメントしていくという気持ちで日々勉強していくのが大事だと思います。就職する際は病院から入る人が多いと思いますがそこでの経験は他の職場になった際でも役立つので周りにスタッフがたくさんいる間にいろいろ学んでいくのがいいと思います。

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