オペ室看護師になるには、まずは体力づくりから

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#1522 2021/07/29UP
オペ室看護師になるには、まずは体力づくりから
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学生時代は、直接的にオペ室で必要な勉強はほとんどしないのが現状だと思います。それでは、オペ室看護師になるために何が必要か。新卒から4年間大学病院オペ室勤務した経験からお話ししたいと思います。

この記事では、オペ室看護師になりたい人やオペ室に初めて配属された方に向けて私が経験したオペ室看護師についてまとめていきます。

まずはじめに

私がオペ室看護師になろうと思ったきっかけから簡単にお話ししていきます。
もともと看護師を目指すことを決めた時から“オペ室看護師になりたい”と思っていました。それは、自分の性格的に病棟で患者さんに親身になって看護をするというよりかはオペ室で黙々と器械と向き合っている方が自分に合っていると感じていたからです。
今思えば、病棟看護師でも全然やっていけたなとは思いますが、新人からオペ室看護師になって後悔はしていません。大変なこともたくさんありましたが、それ以上に初めの大変な時期を乗り越えた先には、仕事が出来ている自分に自信を持ち、やりがいを感じていたからです。

オペ室看護師になる方法

それはただ一つ、オペ室へ希望を出せばいいわけです。もちろん、オペ室というその特殊性から実際に希望を出すのにはちょっと勇気がいるかもしれません。
基本的にはオペ室は、経験者は優遇されるように思います。当たり前ですが、オペ室経験者だと即戦力になり得ますので、病院によっては未経験者は取らないところもあるかもしれません。新人は病棟での経験を積んでからという病院があるのも事実です。その裏には、オペ室看護師一人を育てるのにかかるのは5年と言われているので、初めの頃は本当に何もできません。病棟では独り立ち時期はさておいても、おおよそ3か月である程度のことはできるようになるのではないでしょうか。それに比べるとかなりの差のように思います。
ですが、新人であろうと既卒であろうと経験がなかろうと希望しないことには始まりませんので、ぜひなりたいと思っている方は希望してみるところから始めてください。
その後のことは、実際に配属が決まってから、あるいは配属されてから考えていけばよいのです。
もし、オペ室看護師になりたいと思うのであれば、オペ室看護師は長時間立っていたり、24時間オンコールで睡眠中でも30分後にオペが始まったりすることも良くあり、体力的にはハードだと思いますので、自身の体力づくりを始めにしておくのが良いと思います。

オペ室看護師の一日はどのようなスケジュールか

一日の流れを説明する前に、私が働いていた病院の規模感をまずは説明します。病院全体の病床数は500床弱、二次救急、ほぼ全ての診療科の小さい手術から大きい手術まで行っており、一日の手術件数は30件前後でした。
1日30件って少ないと思われましたか。それとも多いと思われましたか。手術室での経験がない方にとっては、分かりにくい数字だと思います。1日30件というと土日は緊急枠で少ないとしても、年間で換算すると7,000件ほどです。これは、トップレベルではありませんが、まぁまぁ多い方です。
それでは、一日のスケジュールをお話ししていきます。
まずは、朝の朝礼はどこの部署でも同じだと思います。その日一日のオペの注意事項やその他のお知らせなどの話があります。朝礼が終わると、各々自分の担当のオペ室へ移動し、器械出しであれば器械のセッティングを、外回りであれば部屋全体の準備をしていきます。
その後はオペの始まりから終わりまでを担当するか長いオペの場合は、途中でお昼交代があります。器械出しも外回りも交代できます。
お昼休憩の後も再びオペに入ります。隙間時間やオペが終わって人出が空いてくると翌日のオペ患者さんの情報収集を行い、術前に患者さんのところに訪問へ行きます。オペが終了し、術前の訪問が終われば、日勤は退勤し、夜勤帯へと交代します。
夜勤では、日勤帯で終わらなかったオペや緊急オペを担当し、オペが終われば部屋や器械の片づけ、翌日の準備をして、緊急オペに備えます。緊急オペが来なければ自由時間なので、眠ることもできますし、個別の仕事があればそれをやる時間になります。
夜が明けて、日勤へとまた交代していきます。
私は24時間オンコールのある病院で働いていましたので、夜勤もありましたが、これは病院によると思います。夜勤のないところもあります。

オペ室看護師になって大変なこと

先ほど長いオペだとお昼交代がくると言いましたが、これは時間は決まっていません。ですので、遅いと16時にやっとお昼休憩ということもたまにありました。そして、外回りですと、椅子に座る時間もありますが、器械出し担当は基本的に椅子に座ると不潔扱いですので、手を洗ってからはずっと立ったままです。これが正直きついです。
清潔なガウンを着て、変な動きも出来ませんし、器械台の前でずっと立ったままなので、足が棒になります。多少、不潔にならない範囲で動いたりはしていましたが、座れないのはやはり辛かったです。
他には24時間オンコールなので、緊急オペが入ると寝ていてもすぐに準備にとりかからなくてはいけません。深夜の時間だったりすると睡魔との闘いになります。

とはいえ良いことも

病棟での夜勤はある程度の忙しさのベースがありますが、オペ室では、オペが入らなければ暇なので何をしても良いというところです。ラッキーな日は出勤した時にはすべてのオペが終わっており、緊急も来ないと本当にやることがありません。それもそれで手持無沙汰なのですが。
また、不規則勤務ですが、ベースはカレンダー通りで夜勤回数も多くありませんので、あまり体の調子は悪くならなかったです。
また、ある程度経験と知識が増えてくるとやることが決まってくるので、自分がどう動けば良いか体が覚えてくるようになって、オペ室での業務が楽に感じてきます。
病棟よりも医師と仲良くなりやすいのも良いことです。オペ中は医療者だけの空間になり、雑談も交えて話したりすることもあるので、仲良くなりやすいです。オペ中の雑談もコミュニケーションの一環だったりもするので、仲良くなっておいて損はありません。その後の仕事の関係が良好になります。

時間外労働と給料について

定時上がりのことが多かったです。緊急が立て続けに入り、夜勤帯でも回せない場合に選ばれた日勤者が残りますが、長くても残業2時間程度でした。
病棟看護師と比べると夜勤回数はかなり少ないので、夜勤手当は見込めません。その他、オペ室にはオンコール手当、危険手当がつきましたが、私がいた病院ではあまり多くはもらえませんでした。オンコールで働いた時間分は時間外手当として加算されます。

オペ室看護師になるためにどんなことを勉強したらよいのか。

職場見学などで学生さんが来られると、「オペ室看護師になりたいのですが、何を勉強すれば良いですか。良い勉強方法があれば教えてください」と言われることがあります。
学生時代で言えば、解剖生理学は非常に大切になってくると思います。ただ、実際に勉強していくのは配属されてからのことの方が圧倒的に多いです。使用する器械の名称や使用用途、医療機器の使い方など本当に覚えることが山のようにあります。実際に私が事前に勉強していて役立ったのはその解剖生理学くらいしかありません。
というか、オペ室はそこの病院のオペ室にしかないルールもかなり多いので、事前勉強の仕様がないように思います。器械の名前を独自のあだ名で要求してくる医師がいたりすると、新人さんは混乱するわけです。先輩は即座にその名称がどの器械なのか頭にインプットしているので、すぐに渡すことが出来ます。そのようになるには、やはりそこのオペ室での経験値を上げていくことが重要なので、やはり配属してから学ぶことがほとんどです。オペ室経験者は即戦力にもなりますが、やはり始めのうちは手探り状態なのです。
配属前に勉強をして知識を入れることももちろん大切なことですが、私はそれよりも体力勝負なオペ室看護師に必要な体力づくりから始めることが必要かなと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
オペ室看護師は初めのうちは本当に何もできません。先にいる先輩方も初めは今のあなたと同じ立場だったのです。それが普通です。初めのうちから出来る人は一人もいません。配属されてからたくさん経験を積み、数年かけて知識と技術を身に着けることで一人前のオペ室看護師へと成長していきます。そのために、まずは“体力づくり”ここから初めていくのがいいかもしれません。

 

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