看護師になって臨床経験を積んでから美容クリニックに転職したいと考えている学生さん、現役看護師の方に少しでも参考にしていただけたらと思います。
私自身の体験談とともに美容外科への転職について書かせていただきます。
・美容外科への転職に必要な経験
未経験でも受け入れてくれるクリニックはありますが、多くのクリニックが採用条件として臨床経験を問われます。クリニックによってさまざまですが、2年以上からが多いと思います。
その理由としては、美容外科では施術を行うためモニターの管理や手術前後のケア、薬剤の管理など看護師業務が必須です。そのため臨床経験者を優先して採用する傾向があります。
わたし自身、救急病院で3年ほど臨床経験を積み、美容外科へ転職いたしました。
・面接では何を聞かれる
これまで4社の美容外科の面接を受けました。共通して聞かれることは、なぜ看護師になったのか、美容外科への転職理由、志望動機は聞かれます。
わたし自身も面接官となり、面接を数十名行ってきましたが、上記の質問は常にしておりました。
美容外科だから美容知識が必要かなのか心配になる方もいらっしゃると思いますが、美容知識は就職してから学べるので、まず先に大切なのは看護技術の正確さだと思います。
・美容外科看護師の役割
美容外科では、美容整形手術がメインです。容姿を変化させるために行う施術の介助や手術準備、術後のケアが必要となります。
麻酔を使う手術中は、状態管理や点滴、モニター管理などを行うため、看護師としてのスキルも必要になります。
手術の介助としては、直接介助と間接介助があります。直接介助は、医師の指示に従い手術物品を渡したりする機械出し看護です。手術物品にはさまざまな機械、物品があるため、使い方、名称、医師への渡し方を覚える必要があります。
慣れてくると、医師が手術しやすいように考えながら、物品の準備をしたり、迅速に対応できるように整理整頓ができるようになります。
次に間接介助です。手術している医師の周りをサポートする役割の外回り看護です。手術進行に応じた物品の準備や、補充、患者さんの状態観察、手術の記録、環境整備などを行います。
手術室経験者ではないと美容外科での看護師はできないのかとよく質問がありますが、クリニックによっては、女性のみの募集であったり、経験者優遇がありますが、手術室経験なくても採用しているクリニックはたくさんあると思います。
・美容外科への転職のメリット
夜勤がない。
美容皮膚科、美容外科は入院を必要としない場合がほとんどですので、夜勤がありません。私は病棟勤務している際に夜勤がとても苦手でした。みんなが寝ている時間に働くのがとてもキツく感じてました。そのため夜勤がないのはとてもメリットになってます。
残業が少ない
もちろんクリニックによるとは思いますが、多くが予約制にしていると思います。そのため、飛び込みの外来患者さんがほとんどいないため残業が少ない傾向です。もちろん手術時間が伸びたり、術後のケアに時間を要す場合は残業にはなると思います。
給与水準が高い
ネットや求人を見ても美容の看護師の給料は高いと感じていると思います。実際私の場合、病棟で働いてた頃、日勤に加え、夜勤を週4回行った時の給料と美容外科で働いてる時の給料を比べても、毎月美容外科での給料の方がもらえる金額は多かったです。
あと、クリニックによっては報奨金を出しているところもあります。売り上げに準じてボーナスみたいな感じで給料とは別にプラスでお金をもらえるので、年収は看護師の中でも高い方もいると思います。
美容知識が増える
美容系クリニックで働くのであれば、働きながらスキンケアや美容知識を勉強するため、美容の知識が増えます。元々美容に興味がある方はさらに知識が深まり、やりがいが出てくる方もいると思います。難点は、スキンケアなどは本屋さんに数多くありますが、美容系の教科書となるものはあまり多くないことです。どんどん新しい機械や施術が入ってきますので、その場で習得していくことで知識が増えていきます。
接客スキルが身につく
来院してくださったお客様への接客が大切となります。どの仕事でも同じですが、言葉遣いや身だしなみにも十分に配慮が必要となりますので、接客面での勉強にもなります。
クリニックによっては、接客スキルを高めるため講師を呼んだり、クリニック内でマニュアルがあったりします。接客スキルが身につくと自信にもつながると思います。
社員割引
クリニックによっては、社員は安く施術を受けられるところもあります。目的は実際に施術を経験することによって、相手におすすめすることができるためです。あとは、新しい機械など導入した際に、勉強のためスタッフ同士で試してみることもあります。元々美容に興味がある方からするととても嬉しい制度だと思います。
・デメリット
一般診療におけるスキルが身につかない
病院とは医療行為、診療内容が異なるため一般的な看護師のスキルを身につけたい場合は、物足りなく感じるかもしれません。
そのため美容外科での臨床経験年数は、病院ではカウントされない場合があります。今後看護師としてキャリアを積みたい方には不向きの場合があります。
ノルマがある
全てのクリニックではありませんが、ノルマを設定しているクリニックもあります。ノルマを達成しなければというプレッシャーがストレスになる可能性もあります。しかし、ノルマ達成を楽しみながら働いているスタッフもいます。面接時にノルマがあるかの確認はしたほうが良いと思います。
休みが暦通りではない
土日祝日は特に休みが取りにくいです。お客様が多い土日祝は、休みが取りにくい場合があります。あと、GWやお盆や年末年始もお客様が多いため出勤になるかもしれません。
しかし、その分平日休みのため、人混みを避けて買い物行けたりというメリットでもあります。
看護業務外の仕事もある
病院だと清掃員がいたり、物品管理してくれる方がいたりしますが、クリニックは人数も病院に比べるとすくないですので、スタッフが清掃や物品発注、機械の管理など行います。
クリニックによって異なりますが、看護師も受付業務を行ったり、電話対応や業者対応も行います。
クレームになることがある
病気ではなく、綺麗になりたい方やコンプレックスを治したい方が来られるため、一般的な治療とは違います。カウンセリングを行って施術をしても、結果患者様が想像していた仕上がりとは違っていたり、施術に満足できないかった場合クレームになる場合があります。看護師もお客様の気持ちに寄り添い、話を傾聴することもあります。
・美容外科をお勧めしたい人
美容に興味がある人
美容に興味がある、意識が高い人は向いていると思います。来院されるお客様の中には美容意識が高く、知識が豊富の方がおられるため、そのような方にも対応できるように身だしなみや知識が必要となります。最新の美容に興味を持ち、知識を得ることができると思います。
ワークライフバランスを充実させたい人
ほとんどのクリニックが夜勤がありませんので、日勤のみとなります。夜勤がある病院に比べると生活バランスが整いやすいと思います。
あとは、繁忙期はもちろん忙しいですが、予約制を取り入れてるクリニックが多いため残業もすくなく、プライベートも充実させやすいと思います。
コミュニケーション能力が高い人
お客様相手のため、人と接することが好きな人におすすめです。コンプレックスを聞き出し、綺麗になりたいという気持ちを傾聴、応援できるように丁寧に対応できる人が向いていると思います。
・あまりお勧めではない人
美容に関心がない
美容意識が高いお客様がご来院されますので、自分自身も美容の知識をもち、相手におすすめできるようになるためには常に美容への意識が必要だと思います。美容に関心があまりない場合、少し難しく感じるかもしれません。
接客が苦手
クリニックによっては、あまり接客がない所もありますが、看護師も接客を必要とする所もあります。カウンセリングへのお客様への対応や、術後のアフターケアでも関わりますので、接客スキルを身につけなければなりません。
臨床経験を積みたい人
先ほども話しましたように、美容系クリニックでは臨床経験年数にカウントされない場合があります。一般診療ではないため、病院などとは行う看護業務も変わってきます。今後臨床経験を積みたい方には不向きかもしれません。
まとめ
上記の内容は、私の実体験をもとに記入しているため、全部のクリニックに共通するわけではありません。
臨床経験3年、美容外科5年勤務して感じたことは、病院でも美容外科でも看護技術は重要です。人と関わる仕事のため、コミュニケーションも大切です。
私は美容外科に転職して、やりたい仕事を行えてることに日々充実しております。もし、転職を考えていてるかたに少しでも参考になったらいいなと思います。
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