分娩をして待望の赤ちゃんが生まれるときは、本当に感激しますね。その時、母親としては無事に生まれて欲しいという気持ちを持ちます。ところが、そのように正常に生まれてくる赤ちゃんばかりではありません。ここでは、保育器に収容された新生児の母親へのアセスメントをお話します。
・出生前のリスクをつかんでおく
母親のリスクと新生児のリスクをつかんでおくことが大切です。まず母親のリスクとしては、妊娠中毒症などの血圧に異常がある場合が挙げられます。その時、正常な分娩ができないこともあるからです。母親も状態の悪化により、分娩の経過が中断してしまう事もあります。その時、緊急な処置が行われます。緊急に帝王切開となることもあるのです。
また帝王切開により、最初から決めていることもあります。正常分娩をする事がむつかしいと判断された場合に、そのような帝王切開が行われることがあります。
母親のリスクをアセスメントすることと同時に、そのようなリスクにより新生児の状態にもリスクが生じることがあります。母親が新生児に影響のある内服薬を飲んでいる場合は、そのことから新生児に影響があることも考えられます。そのことも含めて、新生児が生まれてくる状態をアセスメントして処置を考えながら動くことになります。
生まれてくる新生児は、アセスメントと違った状態で生まれてくることもあります。その時、慌てて処置をすることになるので、準備段階でしっかり行っておくことが重要です。新生児を収容するウォー―マーに必要物品を抜かりなく準備して、その時に備えます。そうすることにより、新生児の状態を良くすることができます。準備が不十分であると、十分な処置を行うことができないのです。何度も確認をして、緊急時に使う物品を整備しておきましょう。
・新生児の状態のアセスメント
新生児は、生まれた時にどのような状態で生まれてくるのかによりその後の状態が大きく変わります。泣き声を発したか、ぐったりしていないかなどその瞬間にアセスメントをします。新生児のアセスメントを行い、瞬時に処置を実施します。看護師と医師でその処置を行うことになります。その時、医師のサポートをすることになります。検査や、処置のサポートを行い新生児室に搬送します。
その後は、新生児の状態により保育士に収容する必要があると判断した場合は、保育器に収容してそこで新生児の観察を行うことになります。保育器に収容することにより、新生児の全身状態を観察できるのでとても観察がしやすいです。少しの異常もすぐに発見しやすくなるので、そのことからも保育器で観察をすると判断することが多いです。
またリスクを伴い、生まれてくる新生児の場合は体温調節が未熟であることが多いです。その結果、対応を調節しやすいように保温ができる保育器に収容することになります。
・出産後の母親の身体的状態をアセスメントする
母親は、分娩後にかなり疲れています。特に帝王切開で分娩をした場合は、麻酔がされているのでその後の回復が遅くなります。身体的に、疲れている状態であることと、痛みを伴う身体のダメージがあるのでそのことをアセスメントするようにします。
正常に分娩が行われると、翌日に歩行できるようになりますが、そのように経過できるのか産婦人科の看護師と新生児室の看護師が情報を共有してアセスメントをすることになります。双方の状態により、新生児と面会できるのか考えます。
・父親の面会時をアセスメントする
新生児が出生したら、まず父親の面会を実施します。父親の面会として、一番大切なのはなんといっても初回面会です。初回に面会する場合は、かなりショックを受けます。ショックを受ける父親に対して、寄り添うことが大切です。
そしてまた、新生児が保育器に収容されているという状況に関してとてもショックを受けることになります。通常の分娩の場合は、新生児が生まれた直後ぐらいに抱っこをすることができるからです。そのことを想像して面会をすると、新生児が保育器に収容されているのでとても戸惑います。
しかもとても怖いと思ってしまうのです。可愛いわが子との対面であるにも関わらず怖いと思ってしまうのは機器などに囲まれている我が子に対して起きる感情です。そして触ることも戸惑うこともあります。その時、とても不安な状態になっているので必ず看護師が付き添い、その気持ちを楽にしてあげることが大切です。
・母親の初回面会をアセスメントする
父親が新生児に面会をしたら、出産後一日目あたりに母親の身体的状態が安定していたら新生児との面会を試みます。その時、初回面会である場合は父親の面会の時と同様にしっかりそばにつきそうことが大切です。
母親のケアを行う看護師が付き添っている場合もあり、父親と一緒に面会をする場合もあります。その時、付き添いがいるからといってその場面から離れることは決してしてはいけません。母親は自責の念があります。自分をせめてしまい、面会時に泣いてしまうことも少なくありません。それだけ、自分をせめてしまうのです。父親とは違い、その気持ちが強くなるのでその戸惑いはとても大きいです。
・看護師のサポートの有無
新生児に両親が面会する時、必ず付き添い事が大切ですね。そして両親が面会をする時に、リラックスできる環境を整えることも看護師の役割です。保育器の前に椅子を準備するなど、その空間をリラックスして面会できるところとして看護師がサポートします。出来たら、個室で面会できるといいのですが、そのような作りとなっていないところが多いのでパーテーションなどで区切ることもあります。両親と新生児が親子として、愛着を形成できるように居心地の良い空間作りはとても大切です。リラックスできるように、BGMを流すこともあります。
・医師の協力
母親が面会をする場合は、その都度新生児の状態について説明できるように配慮します。そのため、医師にその時間帯に説明をしてもらえるように時間調整をお願いします。面会時間を伝えて、母親に説明を依頼します。
新生児の状態により、その都度母親の心身の状態をアセスメントします。もしもあまり状態がよくない場合は、母親の気持ちも沈んでしまいます。その後に、ショックを受けて落込むようになります。そのことから、母親が面会時の状態については母親のケアを行う看護師に情報として伝えておきましょう。そうすることにより、その後の精神的フォローを継続させることができます。
・面会時につきそう大切さ
新生児と母親や父親が面会を実施する時には、必ずつきそうことが大切です。両親は新生児、の状態について、医師から説明を受けます。しかしその後に、いろいろなことについて医師に聞きたいと思っている気持ちをグッと我慢していることが多いのです。
その我慢をしている気持ちを、しっかり受け止めるのは新生児の看護師です。両親が気持ちを整理して話してくるには時間がかかることもあるし、そうでないこともあります。その時に気持ちを吐き出させてあげることはとても重要であり、付き添っている看護師の力量にかかっています。話しやすい雰囲気を作り、その時間を大切に確保できるように、業務調整などを行うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?新生児と母親や父親の面会時は、複雑な気持ちを抱えて行っていることを理解して、母親をケアしている看護師や新生児室の看護師がつきそうことが大切です。そのあとは、両親の気持ちを察し様々な方向からアセスメントをして、看護を行います。母児の愛着形成を促せるように看護師としてサポートできるといいですね。
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