転職を経験する看護師はたくさんいます。
その転職理由は様々ですが、中でもよく聞かれるのが「人間関係」によるものです。
多くの看護師が、人間関係に悩み抜いた末に転職しています。
どんな職場においても人間関係はとても重要であり、快適に働けるかどうかのカギを握るものです。
せっかく転職するのであれば、人間関係に悩まない職場を選びたいですよね。
看護師と人間関係をめぐる転職について、その実態に迫ってみましょう。
①<看護師の人間関係がとても重要な理由>
1.看護師は1つのチーム
人間関係の良しあしは、その職場の雰囲気に大きな影響を与えるものです。
看護師という仕事は、患者さんの前で常に笑顔でいることが求められる職業ですが、人間関係に悩まされていれば、それさえもできなくなってしまいます。
また、病院という職場で考えると、看護師はいわば1つのチームです。
人間関係がギクシャクしてしまえば、チーム内での連携がうまく取れなくなり、チームワークは大きく乱れてしまいます。
2.医療ミスを招く危険性
看護師は、人の命を預かる仕事でもあります。
チームワークが乱れたまま患者さんと接してしまえば、大きな医療ミスを生み出す危険性も出てくるものです。
報告、連絡、相談の連携を何よりも重視される仕事にありながら、これがおろそかになることで、患者さんにも悪影響を及ぼしてしまいます。
②<看護師の人間関係が悪化しやすい理由>
看護師は、人間関係が悪化しやすい職業としても知られています。
それを示すかのように、転職を経験している多くの看護師が、その理由に「人間関係」を挙げています。
ではなぜ看護師の職場は、人間関係が悪化しやすいのでしょうか。
1.辛い夜勤
看護師という仕事には、言わずと知れた「夜勤」があります。
慣れているとしても、夜中の勤務は身に応えるものです。
年齢を重ねていけば、自然と体力的にも辛くなっていき、精神的にも肉体的にも追い込まれてしまいます。
そういった疲れが蓄積することで、知らず知らずのうちに人間関係にも悪影響を及ぼしているのです。
2.精神的プレッシャー
患者さんのお世話をするということは、命と向き合うということでもあります。
直接生死に関係のない科で勤務していたとしても、人間の体と向き合う仕事は、その責任も計り知れないものです。
それがわかっている看護師ほど、精神的にプレッシャーを感じやすく、気づかないうちにストレスを抱え込んでしまいます。
抱え込んだストレスを上手に発散できないまま仕事に臨むことで、人間関係に悪い影響を与えてしまうのです。
3.ハードワーク
看護師という仕事は、言わずと知れた「ハードワーク」です。
夜勤があるだけでもハードワークと言えますが、近年においては人手不足も顕著となっています。
小さい病院やクリニックともなれば、さらに人手不足は深刻化しやすいものです。
厳しいシフトに過労が重なり、ついピリピリしてしまいます。
その結果、ちょっとした気配りが足りなくなることで、人間関係が悪化してしまうのです。
③<転職を決断するタイミング>
人間関係に悩みを抱えていても、それでも頑張って働かなければいけない、と思い込む看護師も多いかもしれません。
ですが結論から言うと、無理して働き続ける必要はありません。
では、人間関係に悩み始めたら、どんなタイミングで退職を決断したらいいでしょうか。
1.患者さんの前で笑えない
患者さんはいつも、不安を抱えているものです。
だからこそ看護師はできるだけ笑顔で接し、その不安を和らげる努力が求められます。
無理やり作り笑顔をしないといけない、というわけではありませんが、どうしても患者さんの前で笑顔を見せられなくなったと感じる時は、退職を決断する時です。
心が不調を訴えている証拠でもあり、無理を続けることで、かえって心の負担を大きくすることになります。
2.ミスを起こしそうになる
人間に失敗はつきものですが、それでも「医療ミス」は絶対に許されないミスです。
人間関係に悩み、仕事に集中できない状態でいれば、重大な取り返しのつかない医療ミスを引き起こす可能性も出てきます。
そんな心配や気配を感じる時も、退職を決断するタイミングです。
重大なミスではなく、ちょっとしたミスを起こしたときは、精神的に追い込まれているサインでもあるため、できるだけ早く転職することを考えましょう。
3.退職することでしか解決できない
人間関係が原因で仕事を辞めることは、辛いことかもしれません。
その病院での業務内容にやりがいを感じていたとすれば、なおさらです。
ですが、自分の力ではどうにもできないと感じたり、誰かに相談しても解決できなかった時には、潔くやめることも1つの方法です。
悩みながら働く時間の方がもったいないともいえるので、潔く退職し転職しましょう。
④<人間関係がいい病院の特徴>
人間関係が原因で前病院を退職し、いざ再就職しようとなれば、次こそ人間関係に悩まない職場であって欲しいと思うものですよね。
では、いい人間関係が築けている病院には、どんな特徴があるでしょうか。
1.上司の信頼力
看護師がたくさんいる職場や、大きな病院なら「看護師長」と呼ばれる人や「主任」と呼ばれる上司がいるものです。
このような上司を、部下である看護師たちがどれほど信頼しているかによって、その職場の人間関係にも違いが出てきます。
現場を取り仕切る上司に指導力があり、明るく周りを引っ張ってくれると、自然とチームの一体感が生まれ、いい人間関係が築かれるものです。
2.求人が少ない
求人の募集が、頻繁に出るような病院は要注意です。
それだけ、新しく入った看護師がすぐにやめることが顕著だからです。
新しく入った人がすぐやめる理由に、人間関係が関わっている可能性は高くなります。
反対に求人を見かけることが少ない病院は、それだけ退職者が少ないことを物語るものです。
求人の募集をかける理由が、人間関係によるものだと一概には言えませんが、人間関係の良しあしを想像するのに、大事な判断材料となります。
3.笑顔で会話
人間関係が良好だと、自然と会話時にも笑顔が生まれるものです。
可能ならば、転職したいと考える病院へ足を運び、見学をしてみてください。
看護師同士のちょっとした雑談を遠くから見てみると、笑顔が垣間見えるかどうかがわかります。
<転職先でもいい人間関係を築くコツ>
せっかく転職するのだから、二度と人間関係に悩まされたくない、と思うものですよね。
そのためには、人間関係が良好そうな病院を選ぶことが大切ですが、自分自身の努力も必要不可欠です。
では、どうすれば良好な人間関係を築けるでしょうか。
1.ほどよい距離感を保つ
どんな環境にあっても、多くの人と接するうちに、苦手意識が生まれる人もいるものです。
職場という限られた環境の中で、そんな人に出会ってしまうからこそ、人間関係に悩まされてしまいます。
少し苦手だと感じる人が出てきたら、まずはほどよい距離感を保つようにしてみましょう。
苦手意識を抱いていることを悟られないように、自分を偽ってあえて近づいてみたりすると、ストレスが大きくなります。
仕事の内容をやり取りするだけ、という程よい距離感を保ってみましょう。
2.価値観の違いを受け入れる
苦手な人だと感じてしまう大きな理由は、自分との価値観の違いにあります。
人間は誰しも、それぞれの価値観の中で生きているものです。
価値観の違いが大きいと感じれば感じるほど、話をしたり行動を共にすることに、苦痛を感じるようになります。
人間関係を良好に築くためには、そんな人の価値観も受け入れることが必要です。
完全に否定するのではなく、こんな考え方の人もいるのだと、できるだけ、そして少しずつ受け入れてみましょう。
3.思い切って割り切る
苦手だと感じてしまう人のことを、思い切って忘れてみましょう。
同じ職場で働く以上、存在を消すことはできませんが、自分の中で「この人とは合わない」と割り切るのも1つの手段です。
価値観の違いをどうしても受け入れられなかったり、接することがどうしても苦手だと感じる時には、無理をする必要はありません。
仕事の必要最低限の会話をするだけ、と割り切ってしまうことも大事です。
まとめ
看護師にとって人間関係の悩みは、切っても切れない関係にあるものです。
どんな職場でも人間関係は大切ですが、命と向き合う仕事をする看護師にとっては、さらに重要な意味を持つものです。
人間関係の良しあしが、患者さんの命にまでつながる可能性も、ゼロではありません。
人間関係に悩む時には、思い切って転職をし、職場環境を変えることも必要です。
悩み過ぎず、いろいろな人がいるものだと割り切ることで、心の負担も軽くなり人間関係も良好に築けるようになります。
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