多くの看護師が、転職を経験するものです。
むしろ新卒として入職してから、同じ病院で働き続ける看護師の方が、珍しいかもしれません。
どんな看護師であっても、新しい就職先で働き始めるために、必ず突破しないといけないのが「面接」です。
看護師として就職試験を受ける際、面接をスムーズにクリアするにはどうしたらいいでしょうか。
看護師が面接を突破するコツについて、これから解説していきます。
①<面接を受ける前に準備しておくべきこととは?>
面接を受けるのであれば、看護師に対して行われる面接とは一体どんなものなのか、その概要や傾向を知っておく必要があります。
ではまず、面接を受けるまでにどんなことを準備しておけばいいでしょうか。
1.面接マナーの再確認
転職となれば、「面接を初めて受ける」というわけではありませんよね。
ですが、前回受けた面接から時間がたっていれば、そのマナーや重要事項も忘れてしまっているかもしれません。
面接会場に到着する時刻、服装、挨拶など面接時に必要とされるマナーはたくさんあります。
面接日に向けて自分なりにマナーを復習し、再確認してみましょう。
2.清潔感ある身だしなみ
看護師という職種を考えても、身だしなみに気を配ることは当たり前のことです。
面接を受ける際の身だしなみは「清潔感」を強く意識します。
着用するスーツの色はもちろんのこと、ボトムスの丈感も大事です。
スカートなら膝が隠れる程度、パンツなら足首が隠れる程度の丈がベストです。
バックや靴も、黒や紺などの控えめな色を選ぶようにしましょう。
低めのヒールを履き、爪や指など、面接官から見えそうで見えないところまで配慮すると好感度も高くなります。
3.持ち物の確認
面接を受ける当日に持ち物をそろえようとすると、時間がなくなったり、思わぬものがそろわなかったりと、焦りを招いてしまいます。
前日までに必要なものの一覧を作り、チェックしながら準備を完了させておきましょう。
履歴書をはじめ、応募に必要な提出書類や筆記用具、携帯電話にメモ帳など、面接時の持ち物は意外とたくさんあるものです。
応募先によっては、面接会場までにかかった交通費の支払いをしてくれるところもあり、印鑑が必要となることもあります。
4.応募先の情報収集
面接を受ける以上は、その応募先の病院や施設に関する情報は、できるだけ多く入手しておくことが大事です。
色々な情報を持っていることは、面接官の印象をよくするだけではなく、就職したいという強い情熱の現れ、ともとれます。
特にホームページなどは、情報の宝庫です。
経営理念や経営方針など、そこにはたくさんの情報が詰まっています。
また、インターネットの口コミサイトなども覗いてみると、現役の看護師さんのリアルな声や、その病院を利用したことある患者さんの声も知ることができます。
5.面接のシミュレーション
面接のシミュレーションを、繰り返し行いましょう。
面接で受け答えする内容を想定し、その答えを頭の中で考えていても、実際口にしようとすると、うまく言葉にできなかったりするものです。
となれば、せっかく考えた言葉でも、うまく伝えられなければ意味がありません。
誰かを相手に、もしくは鏡などを見ながら、口に出してシミュレーションしてみましょう。
繰り返し練習しておくと、当日も落ち着いて面接を受けることができます。
②<面接で聞かれることとは?>
どんな職種においても、面接ではいろいろな質問を受けるものです。
どんなことを聞かれるのかを想像し、その答えを準備してから臨むものですが、看護師の面接ではどんなことを聞かれるものでしょうか。
1.自己紹介と自己PR
・自己分析力
看護師の面接に限らず、どんな面接でも絶対に聞かれるのが、これです。
自分という人間はどんな人間なのか、できるだけ簡潔に、そして濃い内容で答える必要があります。
自己分析力も問われる質問であり、1分から2分程度を目安にまとめておきましょう。
短所を聞かれて答える場合には、ポジティブに転じるように答えることがポイントです。
・職務経歴
看護師の面接では、ほとんどの場合において「最終学歴」よりも「職務経歴」を重視します。
これまで働いてきた経験は、あなた自身の貴重な財産です。
どんな病院でどんな業務をこなしていたのか、どんな資格を持っているのか、自分がこれまで働いてきた経験を、しっかり説明できるように練習しておきましょう。
職務経歴書を作成し、履歴書と一緒に提出しておくとさらに安心です。
2.志望動機
就職の面接で志望動機を聞かれる理由は、どうしてここで働きたいと思ったのか、その理由を明確に知りたいと思うからです。
その理由が曖昧だと、長期間やる気をもって働いてもらえるかどうかわからない、と思われてしまいます。
質問例文集にあるような、当たり障りのないことを簡単に答えてしまうと、やる気は伝わりません。
できるだけ詳しく説明できるように、シミュレーションしておきましょう。
3.看護師を目指したきっかけや体験
その人を看護師として形成づけるものは何だったのか、そのルーツとなるものを聞かれることもあります。
志望動機と重ならないように、体験談なども交えて話すことができると、話が盛り上がり好印象を抱いてもらえる可能性も高くなります。
4.入職してからの展望
入職した後、どんなことを頑張ってくれるのか、この病院でどんな働き方をしたいと思っているのか、採用する側からしてみると、とても気になる点です。
志望動機と重なる点もありますが、これから先看護師として、どんな夢や希望をもって働きたいと考えているのか。
また、将来のことをどこまで見据えているのかをポイントに話すと、やる気や情熱が伝わります。
③<面接官はどんなところを見てる?>
就職や転職の面接を受ける際、面接官は自分のどんな点をみているのか、とても気になるものですよね。
これがわかれば、面接を難なくクリアできるのにと思うところですが、質問のように想像してから臨むほかありません。
1.コミュニケーション能力
この能力だけは、実際に本人と会って、目を見て話をしないと判断できない能力です。
応える際の表情だけではなく、話の仕方やテンポなど、いろいろなことを見ています。
看護師は、同僚や医師だけでなく患者さんとのコミュニケーションも大事です。
そのためコミュニケーション能力は、採用合否の重要な判断材料となります。
2.人間性
面接の時間は、平均すると15分から20分程度の場合がほとんどです。
そんな短時間の間でも、面接官はあなたの人間性を知ろうとします。
受け答えする内容や言葉の選び方、表情、すべての項目において、あなたという人間性を見極めようとしているのです。
3.長期間勤務できるかどうか
採用する病院側からすれば、少しでも長く働いてほしいと思うものです。
自己紹介や自己PRでそのやる気を判断するだけではなく、勤務体制や雇用形態などの雇用条件という面からも、長く働いてもらえそうかどうかを判断します。
自分の希望する勤務体制や雇用形態をはっきり伝えることはとても大事ですが、こだわり過ぎてしまうと、あまりいい印象を与えません。
④<面接時に気を付けることとは?>
ここまで面接の受け方についてお話してきましたが、面接を受けるにあたり、注意すべき点もいくつかあります。
では、どんなことに気を付ければいいでしょうか。
1.答えは簡潔に
質問されたことに対して答える時には、できるだけ話の内容を要約し、簡潔に答えるようにしましょう。
話す時間が長ければ長いほど、思いが伝わるというわけでもありません。
伝えたいポイントを絞り、結論から話すという方法で答えると、面接官に話が伝わりやすくなります。
2.自分の言葉を心がける
面接に臨むにあたり、その練習やシミュレーションとして、面接の例文集などに目を通すものですよね。
本番で、その例文集の言葉そのまま話してしまうと、面接官にはすぐにわかってしまうものです。
例文集を参考にしたとしても、あくまでも自分の言葉に置き換えて話せるように準備しておきましょう。
3.退職理由は前向きに
転職となれば、どうしても聞かれるのが前職をやめた理由です。
前病院への不満や、人間関係の不和など、その理由がネガティブなものであるかもしれません。
ネガティブな理由をそのまま話すのではなく、そこからポジティブなものに繋がるような「前向き志向」で答えると、マイナスイメージを払拭することができます。
4.質問を準備しておく
面接の最後に質問を促されることがあります。
「何か質問ありませんか」と聞かれ、「ありません」と答えるのは好ましい返事とはいえないでしょう。
その病院のことを、さらに詳しく知ることができるチャンスです。
自分の情熱を伝えるためにも、このような逆質問は必ず答えられるよう、質問を1?2個準備しておくようにしましょう。
まとめ
看護師として転職を成功させるには、面接は避けて通れない道です。
面接の成功失敗は、今後の看護師人生にも大きな影響を与えかねません。
看護師としてスキルアップしていくためにも、転職は有効的な手段であり、看護師人生の糧となります。
面接を受ける際には、その傾向や概要をしっかり理解し、準備を怠らないことが何よりも大事です。
しっかりシミュレーションをして面接に臨めば、間違いなく自分の良さを最大限に発揮することができます。
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