看護師の仕事をしていく上で、業務の過酷さや夜勤、人間関係など、大変なことはたくさんありますよね。
特に夜勤は、16時間という長時間の勤務であり、仕事の内容自体もハードなため、夜勤が大変・きついと思っている看護師は多いんじゃないでしょうか。
今日は実際にわたしが夜勤のない職場に転職した経験から、夜勤のない職場を選ぶメリットとデメリットについてお話してみたいと思います。
○看護師の夜勤
多くの病院で正職員になればやっていかなければならない勤務が夜勤です。
手当が支給され、看護師の年収をあげているのもこの夜勤ですが、次のような悩みを抱えている看護師をよく目にします。実際に私も悩んでいたひとりでした。
1.夜勤で生活リズムが崩れてしまった
2.家族が家で過ごす時間に仕事をしなければならない
3.仕事の内容自体もハード
1.夜勤で生活リズムが崩れてしまった
私の職場は2交代制だったので、月に4?5回の夜勤がありました。日勤勤務が数日あり、その後夜勤勤務になることが多かったです。
もともと寝不足の状態が苦手で、夜は寝ないと体がもたないタイプだったので、看護師の夜勤は本当に大変でした。
はじめは夕方の出勤までになんとか仮眠を取ろうとしましたが、全然眠れないんですよね。夜勤がある日は丸一日起きたままなんてこともよくありました。慣れてくると日中の仮眠が取れるようになりましたが、今度は夜に眠れなくなり、眠剤を使って無理やり眠るなんてことも繰り返していました。生活リズムが崩れると、体調を崩してしまうことに繋がります。疲れが取れず、鉛のような体を引きずって仕事に行っていました。
2.家族が家で過ごす時間も仕事をしなければならない
夜勤は、二交代制だと夕方から翌日朝まで、三交代制だと夕方から深夜までと深夜から朝までの勤務になります。
日中働き夜は家でのんびり過ごす家族を横目に、自分は出勤しなければなりません。
夫と交際していた時も、夜勤がなければ一緒に過ごせたのになあなんて、生活リズムのずれをよく感じていました。
結婚されたりお子さんがおられたりすれば、家族が起きてしまわないように細心の注意を払って帰宅したり、仮眠を取らなければいけない時間に家族の生活音が気になったりすることもあると思います。
家族と同じ時間を過ごせないことが、ストレスになる看護師もいるのではないでしょうか。
3.仕事自体の内容もハード
日中は看護師が複数人いる現場も、夜勤は同じ数の患者さんをほんの数人の看護師で受け持つ形になります。
総合病院だとひとつの病棟に4人の看護師の配置が多いように思います。
術後の方、終末期の方、24時間点滴治療中の方、さまざまな患者さんをたった4人の看護師で守ります。
看護師をしていない人に「患者さん寝てるんでしょ?」なんて言われるとムッとしちゃいますよね。患者さんの中には、夜全く寝ずに動き回る方もおられます。認知症の方もいますし、高齢の患者さんの夜中のトイレの付き添いだって看護師の仕事です。16時間の夜勤中、ほとんど座れないことだってあります。忙しすぎて、仮眠が取れない夜勤もありました。
看護師の夜勤は仕事自体もものすごくハードですよね。
○結婚を機に転職!夜勤のない職場へ
疲れを溜め込んでしまい体調を崩しがちだった私は、結婚を機に転職をすることにしました。
「夜勤をしないでほしい。寿命を削って働いているように見える」と夫が言ってくれたことをきっかけに、夜勤のない職場を探すことになりました。
夜勤のない職場を調べると、概ね次の職場が当てはまりました。
・クリニック
・特別養護老人ホーム
・訪問看護
・老人保健施設
・デイサービス
・健康診断機関
これらの職場は、夜勤なしでも働くことができます。
・クリニック
クリニックは、産婦人科や透析をしている病院を除けば、ほとんど夜勤のない職場です。
土曜日が半日出勤になることもありますが、平日のどこかで半日勤務になることが多いです。
中抜け休憩が2時間ほどある職場が多いので、自宅近くの職場を選べば一旦家に戻って休憩することもできます。
・特別養護老人ホーム
自宅で生活することが難しい方が入所する施設です。夜勤は介護士さんが担うため、看護師の配置はありません。しかし、待機当番というものがあり、夜間の利用者さんの体調不良時などには対応しなければいけない時があります。
・訪問看護
訪問看護は基本的に日曜日は休日のところが多く、暦通りの勤務をすることができます。しかし特別養護老人ホームと同じく待機当番があり、家族からの相談の電話などにも対応する必要があります。
・老人保健施設
老健は、施設によっては夜勤をすることが正職員の必須条件になることがあるようです。
日勤常勤で募集があったとしても、入職後に夜勤ができるか打診されることもあります。
・デイサービス
デイサービスは、基本的には自立した高齢の利用者さんが日中を過ごすための施設ですので夜勤はありません。
看護師の業務としてはバイタルチェックや服薬管理などがあります。
・健康診断機関
健康診断機関も日中のみの仕事になるため、夜勤はありません。土日も休みのことが多く、転職先として人気があります。
夫と相談した結果、私は健康診断を行なっている会社に就職することにしました。
平日の8時?17時の勤務で、土日祝が休日にあたる会社です。
○夜勤がない職場に転職するメリット
夜勤がない職場に転職して感じたメリットは、次のような点です。
1.生活リズムが整い、体調が回復した
2.家族との時間が増えた
1.生活リズムが整い、体調が回復した
夜勤をやめたことによって夜は寝る生活に戻ると、体調がよくなりました。
夜勤が終わった後の人間の脳は、缶ビールを2本飲んだ酩酊状態と同じという話を聞いたことがあります。
病院の患者さんにとって夜勤をする看護師の存在は必要不可欠ですが、夜勤をすることは体に鞭を打って寿命を削ってしまう働き方のようにも思います。
実際体調を崩してしまっていても、治療しながらなんとか夜勤を続けている看護師もいます。
自分が元気に働くために、自分の体を大切にすることができるようになったなと思っています。
2.家族との時間が増えた
私が転職した健康診断機関をはじめ、クリニックや訪問看護、デイサービスなどは、暦通りの出勤になることが多いです。
家族との休日も合うようになり、一緒に過ごす時間が増えました。夜勤明け特有の動けないほどの疲れもなくなり、休日を楽しめるようになったと感じています。
○夜勤がない職場に転職するデメリット
夜勤をしない選択には大きなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
私が感じたデメリットは次のような点です。
1.収入が減少した
2.土日のみ休みだと病院や銀行などに行きづらい
3.スキルアップできる環境が少ない
1.収入が減少した
看護師は高給とりなんて言われますが、収入の大きな一部は夜勤手当です。夜勤をしなくなった分、月の収入が大きく下がってしまうことがほとんどです。
もし夜勤をしない選択をする場合、収入面については慎重に判断をする必要があります。
2.土日のみ休みだと病院や銀行などに行きづらい
夜勤をしていると、夜勤明けや翌日の休日は平日であることが多いです。今まで休みに行っていた病院や銀行に行くためには、有給を取得したりする必要が出てきました。
逆に土日が休みだと、出かけてもどこも混んでいるなんていうデメリットもありますね。
3.スキルアップできる環境が少ない
総合病院や大学病院をはじめとした有床病院のほとんどが夜勤をすることが正職員の条件になります。
夜勤をすること自体も、看護師の人数が少ない中での急変やお看取りを経験することもあり、自分の看護師としてのスキルを磨くことができます。
クリニックや老人ホームでは、医療処置が必要になれば入院の手続きを取ることが多く、注射や点滴などの処置を行う頻度がかなり下がります。
もし看護師としてのスキルアップを目指すなら、夜勤は頑張って働いた方が後々の評価につながることになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、わたしが実際に夜勤あり→夜勤なしの職場に転職して感じたメリットとデメリットについてお話してきました。
メリットとしては生活リズムが整って体調がよくなることと、家族と過ごす時間が増えることを挙げました。
デメリットとしては、収入が下がることと土日休みだと病院や銀行などに行きづらいこと、スキルアップすることが難しいことを挙げました。
人には得意、不得意があります。夜勤で体調を崩して、自分が辛い思いをしてまで働く必要はないと思います。
夜勤が辛いなあ…と転職を検討されている方がいましたら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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