看護師のアセスメント力で命を救う

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#1434 2021/05/02UP
看護師のアセスメント力で命を救う
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あと一歩遅ければ、敗血症でなくなっていたかもしれない患者さんを、看護師のアセスメントで救った事例の紹介です。 看護師のアセスメント能力の向上は不可欠であり、そのためのコツを少しでも皆さんと共有し、共に学ぶことができたらなと思います。

看護師の仕事は、全て医師の指示のもとが条件で行われています。 しかし、指示がないことはしない。指示があるからする。という簡単なものではないと思っています。 患者さんを24時間看ているのは看護師であり、患者さんの状態変化を報告するタイミングや内容によっては、 患者さんの命を大きく左右することも少なくありません。 患者さんの命を守るためには、看護師のアセスメント能力を高めることが必要です。 看護師のアセスメントにより患者さんを救った事例を一つお話しします。 先日、心臓病で手術をした患者さんがいました。入院前より透析を行なっていた患者さんでした。 手術後意識遷延し、呼吸器で呼吸管理を行っていました。うなずきなどはありますが、言葉を発したり、 コミュニケーションがなかなか取れない患者さんでした。 手術後37度?38度台の発熱が続き炎症反応も高い値でした。 軽度肺炎もあったため、肺炎に対して抗生剤治療を行っていましたが、肺炎からくる熱だろうと、熱が続いていることを 「すぐに治るだろう」と医師はさほど重要視していませんでした。 しかし手術後1週間経っても2週間経っても熱は下がらず、原因不明な熱源の精査が何日続きました。 私たち看護師は何かがおかしい、本当にこれでいいのだろうかと思っていましたが、漠然としたその何かがわかリませんでした。 医師が抗生剤治療を指示しているからその治療で大丈夫だろうと思っていました。 そのとき、5年目の看護師がふと気がついたのです。 「この患者さん、透析患者さんだけど、手術前トイレに行っていた。」と。 手術後ではありましたが、慢性腎不全のため入院前より透析を行っていた患者さんのため、尿バルーンカテーテル留置されていませんでした。 下腹部は少し膨れていましたが、排便コントロールも良好には行えてなかったので、誰も気に留めていなかったのです。 そこで、先輩後輩数人の看護師で今の現状や検査結果、術前の状態、透析の除水状況などをもう一度見直しカンファレンスを開催しました。 もしかしたら、尿が出ずに、膀胱内に溜まっていき、膀胱炎のような状態になっているのではないかと、 だから熱が続いているのではないか。だから、抗生剤投与してもあまり効果が出ていないのではないかとアセスメントし、医師に報告しました。 そして、膀胱エコー検査をした結果、膀胱が腫れ上がり尿管の方まで炎症していました。 すぐに導尿をしました。すると、800ml以上の白く濁った色の悪いドロっとしたような尿が出ました。 カンファレンスでの看護師のアセスメント通り、尿が溜まっていた事による発熱でした。 「あと数日これに気がつくのが遅ければ、敗血症になり、急変し命を落としていただろう。」とその時医師は言っていました。 これはまさに、看護師のアセスメントで患者さんを救った瞬間でした。 私はとても感動しました。そして、看護師のアセスメント能力は大切であり、医療現場において必要不可欠であると、 再確認した瞬間でもありました。 本当にあと少し遅かったら、命はなかったのかもしれません。 救えたきっかけは、看護師の発言からです。そしてみんなでカンファレンスを行いアセスメントをしたからです。 この事例から、患者さんのアセスメントとは、患者さんの病歴、手術前の状態、今起きている現象、 検査結果、患者の訴えなどあらゆることを組みして考えることが必要であることを学びました。 アセスメントは簡単ではないと思います。アセスメントが間違っていたら、不要な検査や不要な処置を 患者さんに与えてしまうからです。しかし、まずは考えてみることが大切です。 考えて仮説がたてばそれを発言してみてください。 医師が指示したことは、それが正しいと思ってしまいがちです。 医師を疑えという意味ではありませんが、医師も人で万能ではないので、 気が付かない点、身を落としている箇所などある可能性もあります。 そんな時のために看護師がいるのではないのでしょうか。医師の指示を遂行することだけが看護師の仕事ではありません。 看護師が発言できるような環境ではないところで働いている人もたくさんいると思います。 しかし、そんな環境では、アセスメント能力の向上も見込めず、医師と看護師の関係も 指示だしと指示受けだけの関係になってしまいます。 私の働いている病院は医師に発言ができます。 医師も看護師もレベルが高いと思っています。 看護師が間違ったアセスメントを発言した際は、そうではない理由を医師が教えてくれます。 そのような関係性を築くことも大切です。 私たちはチーム医療なので、まずは同僚の看護師と一緒に考える、アセスメントカンファレンスを定期的に開催すること、 そして医師や薬剤師など他職種を巻き込んいくことでみんなで患者さんを助ける事が必要だと思っています。 アセスメントのコツは、というと一言でいうのはとてもとても難しいですが、 コツだというならば、まず患者さんの全体像を把握し理解すること。 今起きていることと、これから起きるであろうことを検査結果や患者の状態から予測すること。だと思います。 今回の事例の患者さんは意識レベルが遷延しており、なかなかコミュニケーションが図れませんでしたが、 患者さんの主訴を正しく受け取ることも大切なことです。 そして、私が一番大切だと思うことは、自分のアセスメントしたことを自信を持って発言してみることです。 間違っていてもいいのです。アセスメントを考え発言することを繰り返すことで、 アセスメント能力は絶対に向上すると思っています。 24時間患者さんをみているのは、私たち看護師です。 ただ、ナースコールを受けることが看護師の仕事ではありません。 本当の意味で患者さんを救うとはどういうことか、何を志看護師を目指したのかをもう一度思い出してみてください。 すると、必ずアセスメント能力が高い看護師になりたいと思うはずです。 アセスメントは一日やそこらで身につくものではありません。 毎日毎日考え考え、発言しの繰り返しを行うことでしか身につかないと思っています。 私も毎日勉強。だと思っています。 一緒にアセスメント能力を向上させるために学びましょう。 そして、助けられる命を確実に救い、救えるかどうかの瀬戸際にいる患者さんは、看護師の力で救いましょう。 すると、きっと看護師になってよかった。と心から思えるようになると思いますし、患者さんや家族からも感謝され、やりがいを持って働くことにもつながると思います。 一緒に患者さんを救いましょう。やりがいのある看護師の仕事を一生続けましょう。 どのように患者さんを看るかによって、救える患者さんの命はもっともっと増えるのではないかと思います。 拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。 看護師への想い、アセスメントへの想いが、誰かの心に届いてくれることを、願い終わりとさせていただきます。

まとめ

24時間患者さんをみているのは、私たち看護師です。 ただ、ナースコールを受けることが看護師の仕事ではありません。 本当の意味で患者さんを救うとはどういうことか、何を志看護師を目指したのかをもう一度思い出してみてください。 すると、必ずアセスメント能力が高い看護師になりたいと思うはずです。 アセスメントは一日やそこらで身につくものではありません。 毎日毎日考え考え、発言しの繰り返しを行うことでしか身につかないと思っています。 私も毎日勉強。だと思っています。 一緒にアセスメント能力を向上させるために学びましょう。

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