分娩介助についてと分娩とは、時期による看護支援と違いについて。
分娩介助を行うにあたりアセスメントの重要性について。
アセスメントから行動計画に生かす方法。
分娩介助ごの振り返りについて。
女性のライフステージの1つである妊娠、出産、育児。今少子高齢社会といわれています。現代では、個人のライフスタイルを自由に選択できるようになりました。しかし、多くの人は女性として子供を産み育てたいと思う方が多く、それはごく自然なことであると思います。一方で、キャリアとしての道を選択し子供を持たない女性も増えてきました。
ここでは、子供を産み育てたいと考えている女性に焦点をあてて、妊娠、出産、育児における看護支援の中から出産を中心に取り上げていきたいと思います。
出産に対する看護支援といえば分娩介助です。これは主に助産師が行う仕事ですが、産婦人科に勤務する場合、看護師にも求められる知識でもあると思います。
看護師として、分娩介助におけるアセスメントの重要性やアセスメントからいかに看護支援をしていくかについてご説明していき、少しでもお役立ていただけたら嬉しいです。
①分娩介助について
分娩介助といえども分娩進行のどの時期にあるかによって看護支援は異なります。分娩には4つの時期があります。
まずはそこからご説明していきます。
分娩には第1期から第4期まであります。第1期は、陣痛が始まってから子宮口が全開大するまでの時期をいいます。第2期は、子宮口全開大から胎児娩出までの時期、第3期は胎児娩出から胎盤娩出までの時期、第4期は胎盤娩出から2時間までの時期をいいます。
一般に分娩介助は、この第2期のことをイメージされる方が多いです。しかし、私たち看護師は、どの時期においても看護支援が重要で分娩介助であるといっても過言ではありません。
女性が安心して産み育てるためにはとても大事なステージであり、きめ細やかな看護支援が求められている場面でもあります。
②分娩介助を行うにあたりアセスメントの重要性について
分娩介助を行うにあたりアセスメントが重要になりますが、なぜ重要なのかどう重要なのかについてご説明していきます。
なぜ重要なのかと言いますと、分娩は女性の体が急激に変化する時期だからです。人は一生をかけて成長、発達、衰退という過程をたどります。一生をかけてです。少しずつ年単位で過程を経ていきます。それが分娩では、一気に体の変化が起こるわけです。よく聞かれる言葉に「妊娠、出産は病気ではない。」とあります。確かに病気ではありません。しかし、一気に体に変化が起こるということは心身ともに負担が大きいのです。そのため、少しでも不調が生じると一気にリスクの高い妊娠分娩に合併した疾患を発症させてしまうことがあるのです。分娩介助のアセスメントでは、この分娩の進行状況が正常なものであると確認していくことが重要なことだといわれています。それと同時に、異常であるということを早期に見つけ出し、看護支援することが重要なのです。
③アセスメントから行動計画に生かす方法
では、アセスメントのコツと行動計画に生かす方法についてご説明します。
分娩第1期の場合、痛みの場所や進行具合に応じて心理的にも変化が起きやすい時期です。不安、恐怖、喜びが複雑に入り組んだ状態になります。また、痛みの場所も進行に応じて変化していきます。
看護師として、女性の言動を注意深く観察し、してほしいことを聴きながら、気持ちに寄り添いながらマッサージしたり、会話をしたり、身の回りのお世話をしつつ、バイタルサインを定期的に測定し、異常が認められた場合にすぐに介入します。また、分娩進行中に発生しやすい病態をかならず学習していくことも重要です。日本産科婦人科ガイドラインには、わかりやすくレベル分けされた観察項目や介入方法が掲載されています。それらを確認することや私たち看護師にできる看護支援についても学習していくことが重要です。そして、すこしずつ看護支援に取り入れていきます。その機会をふやすことで自信にもつながりますね。
分娩第2期の場合、女性がいきむことができるように姿勢を整え、励まし、産むことができた達成感が感じられるように声掛けをしていきます。
それだけではなく、常にバイタルや全身状態を観察し、異常がないか発見すること、発見したら何が原因かバイタルサインや全身状態から読み取ります。そして緊急時に対応できるように周囲のチームとの調整などはかります。
また、緊急時に対応できるようにシミュレーションやイメージを事前にしておくことも重要です。また、先輩看護師がどのように看護支援をしているのか、チームにどう声掛けをしているのかを常に意識してよいところを模倣することもいい方法であると私は思います。
分娩第3期は、出血に注意します。この時期が一番出血しやすい時期です。出血の状況に応じて、バイタルサインや全身状態、女性に声掛けを積極的に行い、言動を観察することで何が原因かを探ります。ここでもチームワーク重要であり、チーム調整を図ります。
分娩第4期では、産後ということもあり心身ともに安堵と疲労でいっぱいの状態です。ここで注意していただきたいのは、私たち看護師にも安堵と疲労を感じており気が抜けやすいです。しかし、分娩第3期同様に急変しやすい時期ということを忘れてはいけないということです。産後のアセスメントとして重要なのは、バイタルサインに異常はないか、分娩時に損傷した外性器の状態の確認や機能が正常に保たれているかを確認することです。そうすることで、産後の育児にスムーズに移行できるますし、マタニティーブルーといった心理的なバランスを崩すことを予防できるといわれています。
分娩の時期に分けて、アセスメントから行動計画に生かす方法について簡単にご説明しました。分娩の時期よってアセスメントの内容が変わるということがご理解いただけたと思います。分娩1期は、痛みと心理的な負担に寄り添う時期。第2期は、声掛けをして産む達成感が感じられるように看護支援すること、また急変しやすいため緊急時に対応できるようにチームの調整をはかる時期。分娩第3期は、出血しやすい時期のため、緊急時の対応が迫られる時期。第4期は、産後の安堵感、疲労から気が抜けやすく緊急の発見が遅れがちになる恐れがある時期。
このことを常に気を付けて看護をしていくために、常に女性の言動を注意深く観察し、アセスメントすることは女性に安心感を与えること信頼関係を築くことができる上に、寄り添うことできるようになると私は思います。
④分娩介助の振り返りについて
分娩介助のあと、落ち着いたところで女性に気持ちを傾聴する時間を設けると、あの時実はこう思っていたといわれることが多々あります。反省することも然り、新たに発見することも然りです。
今後のアセスメントの参考になることが多いです。その積み重ねによって、アセスメント能力が上がりますし、頼りにされ、「あなたについていてもらって嬉しかった。心強かった。」と言ってもらう機会が増えるようになるのではないかと思います。
まとめ
分娩介助のアセスメントについてご説明しました。分娩介助は助産師がやるものと思われるかもしれませんが、決してそんなことはなく大切な看護業務の1つであると私は思います。また、分娩、いわゆる出産はダイナミックに体が変化するため心身共に負担が大きく大変リスクが高いです。常に、体に生じている変化に素早く対応し、安心感を持ってもらうことが分娩介助に求められていることであると思います。
常に、女性に寄り添いながら、アセスメント能力を磨いて看護支援をしていただけたらと思います。
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