就職・転職を目指す場合、面接は一つの難関になります。その際に心配になるのが、どんな質問をされるのかなということ。ここでは、聞かれたら返答に困る、誰にも言いたくない前職の退職理由をうまく言い換えて相手に伝える方法をご紹介します。
就職、転職において、どんな質問をされるのだろうという不安は誰でも持っています。面接の前に履歴書や職務経歴書を送って、自分のこれまでの経歴などを伝えてあるので、ある程度の内容は相手も理解できるでしょう。
しかし実際に面接で聞いてみなければ、その人のパーソナリティやモチベーションといったものはなかなか理解することはできません。それを知るためにも面接という時間をとることが重要なのです。
看護師が就職、転職をするときの面接攻略方法については、さまざまな本やサイトでも紹介されています。そのため、実際に面接をする前には参考にする人も多いのではないでしょうか。
実際にこんな質問が来たら、こう切り返そうと対策を考えている人も多いはずです。しかし考えても考えても切り返しの答えが浮かんでこないこともあるのではないでしょうか。難しい質問、踏み込んだ質問になると、特に返答に困窮しますね。そんな面接の実例についていくつかご紹介していきます。
・転職の面接では、なぜ前職をやめたのか質問されることがある
転職をするときには、これまでの経歴を聞かれることは必須です。その時に、実務経験を確認されるだけでなく、なぜ退職したのかという理由を問われることがあります。
履歴書の職歴欄には、勤務していた病院が記載されているので、面接官も当然わかっているはず。しかし職歴欄には退職の理由までは記載しないので、なぜ辞めたのだろうと不思議に思うこともあるようです。
特に大きな大学病院や総合病院、看護師のマンパワーも充実し、教育制度が整っている病院を退職し転職を希望している場合は、その退職の理由に注目をすることが多いです。
それは単に、なぜ辞めたのかという理由に興味があるわけではありません。何らかの理由があるならば、転職した病院でもそれなりに配慮や対策が必要であると考えるからです。
・前職を退職する理由をなんと答えるべきか?
前職を退職したことは事実だけれど、その理由を言いたくないということもあるでしょう。その場合は、理由を上手に言い換えることが大切です。
例えば、人間関係がうまくいかずに辞めてしまった場合。看護師はシフト制で勤務する必要がありますし、一つのチームとして働く場合にはチームワークが重要です。人間関係がうまくいかなければ、チームワークが取れませんし、仕事をしていても一体感を感じながらケアをしているという実感がないので充実感を感じることがないでしょう。またチームからの疎外感を感じてしまうこともあります。そうなれば仕事上の問題について誰かに相談したくても、相談しにくいという状況も発生します。
それが積み重なることによって、自分がここで勤務することの意味を考えるようになり、次第に転職を考えるようになるのです。そこで人間関係が理由で退職してしまった場合、どのように答えるべきでしょうか。
その一つの解答例が、「前職の働く環境にも満足していましたが、もっと違う環境で働いてみたい、チャレンジしてみたい」などです。
ここではあえて人間関係がうまくいかなかったということに触れる必要はありません。違う環境に飛び出してみたかったということを伝えるべきなのです。しかし違う環境に飛び出す理由を伝える必要がありますね。
そこで始めに、前職に満足していましたが…と付け加えるべきなのです。
・教育制度があっていなかったと感じたときの転職理由としては?
看護師は、国家資格を取得しただけでは臨床で活躍できる看護師とはいえません。学生の時には臨床実習も重ねていますが、就職してからその病院の教育制度でさまざまな課題をクリアしていくことで少しずつ看護師として成長していくことができるのです。
教育の場では、先輩看護師がプリセプターと呼ばれる教育係となり、さまざまなケアの場で指導を行います。入職者はその指導を受けながらステップアップしていくのですが、プリセプターとの相性は大切です。教育制度というのは、看護師一年目、二年目、三年目と課題が決められていますが、多くの病院で二年間の教育制度を設けています。
二年間も一緒に?とびっくりするかもしれません。しかし、看護師として就職して半年もたてば、ある程度独り立ちして夜勤もこなしているはずです。またプリセプターも自分の勤務があるために、自分とプリセプターがすれ違いになることも多いです。しかし何かあった時には、相談に乗ってもらうのはやはりプリセプター。そしてもしも他の看護師が、今の新人の看護師、仕事出来ていないよと思ったとき、まず苦情が行くのもプリセプターなのです。
勤務ではすれ違いがありながらも、一緒になった時には当然話をしなくてはいけないことも多いです。ただプリセプターとの関係は、他の看護師との関係よりも深くなるために、苦手意識を持ってしまったら、関係が悪化してしまうことも少なくありません。
さらに教育制度が整っていても、その看護師の習得スピードにあっていなかったという場合もあります。まだできないと感じているのに、指導だけはどんどん進んでいく…勉強が落ち着かずストレスになる…そのような習得スピードの不一致により、モチベーションが下がり退職を検討してしまうこともあるのです。そのため、個別性を重視した教育制度が必要になります。
更にこんな退職辞令もあります。就職したところがマンパワーがないところ。常に看護師がぎりぎりで誰かが休んでしまうとシフトが簡単に変えられる病院。プライベートで休みを取っていても、マンパワーが不足し、誰かの代わりで急に勤務をお願いされることがある病院では、なかなか予定を組んで研修に参加することも難しいです。また思ったように勉強出来ていないのに、仕事だけはこなしていかなくてはいけないという緊張感を常に強いられるのです。それが積み重なり退職を検討するという看護師も少なくありません。
しかしなかなか前職の教育事情を面接でいうことはできませんね。印象が悪くなる可能性もあるので、いいたくもないでしょう。
そんな時には、基本的な教育制度は終了し、看護師として経験を重ねてきたけれど、今後はもっと自分の興味あることの分野を勉強したいから転職を目指しましたという理由を面接官に伝えるといいでしょう。
また看護師としてまだまだ経験不足であるため、もっと自分のペースで勉強できるところ、また研修などに参加できるところで働きたいと思いましたという理由を伝える方法もあります。大切なことは、何を希望しているかを的確に伝えることなのです。
・お給料に満足できずに辞めてしまった場合はどう答えるべきか?
激務であるけれど、それに見合ったお給料がもらえなければ、不満も募ります。またそれが積み重なり、退職に至ることも多いです。
しかしお給料に満足できずやめてしまったという理由は、面接官の印象はよくありません。特にお金が絡むことというのは相手に伝えにくいですし、すでに求人情報に月給の目安が記載されていることがほとんどなので、あえて質問することは難しいですね。
しかしながら、前職でのお給料の満足できなかった場合、きちんと伝えておきたいですね。その場合は、「病院での働きをきちんと評価してくれる病院に転職したいと思って希望しました」と伝えるといいでしょう。きちんと評価してもらうということは、始めの基本給が低くても、昇給の際に評価をしてくれるということ。またボーナスの査定で評価が得られるということです。
この点をきちんと面接官に伝えておけば、もしも就職したときに一生懸命に働いてくれるだろうということを印象付けることが出来ます。
重要なことは、求人の内容を理解した上で自分は何を求めているのかということを的確に相手に伝えること。面接での答え方は前向きに、そして意欲があるところを見せることができる表現を考えていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。面接はとても緊張するので、質問された内容に答えることが出来るように準備が必要です。前職の退職理由を聞かれたらいやだなと思っている場合は、前向きにとらえてもらえるように、うまく言い換える方法を考えておくことが重要です。
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