母親の赤ちゃんへの育児に関するアセスメントのコツ

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#1393 2021/03/22UP
母親の赤ちゃんへの育児に関するアセスメントのコツ
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産婦人科病棟では、多くの母親や新生児を観察することになります。その時、母親が育児をすることが出来るようにサポートするのも看護師の役目です。そこで看護師は、母親が自宅に帰り育児を安全にする事ができるようにアセスメントすることになります。ここでは、母親と赤ちゃんの育児に関するアセスメントのコツについてお話します。

・育児をアセスメントする重要性

母親の育児の状態をアセスメントすることは,とても重要な事です。それはなんと言っても、赤ちゃんの命を守ることが出来るのは、母親になるからです。育児をしていて、危険なことがあるとたちまち赤ちゃんの命が脅かされることになります。
一人である場合は、その人だけのことになるのですが赤ちゃんの育児をしながら自分の健康も管理していくのは、とても大変です。入院中に、そのような育児全般とこれからの生活指導について、母親に行うことはとても重要と捉えておきましょう。

・母親の状態について

まず母親の状態を確認します。毎日バイタルサインを測定して、一般的に育児ができる状態であるのかアセスメントをします。お産のあとは、かなり辛いです。あまり眠れないと思うこともあります。しかしそのような状態でも、ある程度健康と判断した場合は育児を開始することになります。そのことを含めて、アセスメントをします。
まず性器出血などがひどくないかアセスメントをします。出血がひどい場合は、どこかに異常が発生していることも考えられます。また育児をしていて、出血による貧血が強くなった場合は、ふらつきなどが発生するおそれがあるのです。赤ちゃんを抱っこしていて、フラツキがあるととても危険ですね。そのことから、出血の度合いをしっかり観察するようにします。そのほかにも産後の母親の状態の観察項目に沿って観察を行います。その結果、看護師が判断して育児ができる状態ではないと思った場合は医師に報告をします。

・新生児の状態について

母親と同時に新生児の状態も、アセスメントします。新生児は、バイタルサインで異常がない場合でも、なんとなく元気がない等の少しの変化も見逃さない事が重要です。もしもバイタルサインに変化がある場合は、直ぐに処置の対象となります。そうなると、母親に伝えてその後は育児を一時中断するようになります。新生児の処置後の観察をしっかり行う事はもちろんのこと、母親の精神的なフォローも行う必要があります。
母親は、自分だけどうしてこんなことになってしまったのだろうととても不安になってしまいます。マタニティブルーの状態になってしまうこともあります。些細なことから、そのように精神的に不安定になってしまうことがあるので、そのサポートも十分にするようにします。
新生児が回復したら、母親にそのことを伝えてマンツーマンでしっかり育児のサポートを行うようにしましょう。

・抱っこについて

母親が育児としてまず行うのは、抱っこではないでしょうか。抱っこは、母親が赤ちゃんと触れ合うとても重要な育児です。泣いている赤ちゃんをなだめる、抱っこをするたびに我が子を抱っこできる喜びを感じることでしょう。そしてその時に、母親からホルモンが分泌され母乳が出るように刺激されることもあるし、体調を改善しやすくすることもできます。愛着形成にも抱っこを促すことは,とても大切なことなのです。
抱っこをする時に注意をするのは、なんといっても安全に抱っこ出来ているかということです。赤ちゃんの体をしっかり固定をして抱っこの指導をします。その時、首の固定が一番重要です。看護師は、母親が抱っこしている間は赤ちゃんに手を添えて、赤ちゃんの安全を確保するようにします。母親が不安定な抱っこの仕方をしている場合はそばに付き添い、安全に育児ができるようにサポートをします。

・授乳について

授乳についても、母親が行う育児としてとても重要な内容です。授乳と言うと、まず考えるのは母乳です。母乳を新生児に与える介助をします。その時、最初は新生児が乳首を上手に加えることができません。ほとんどの新生児は、乳首を加えることができないのです。上手に加えることが出来ると、母親も安心しますね。そこで、その介助を行います。
母乳は、新生児にとってとても重要な栄養分です。しかし母乳が出ない、与えることができない母親もいます。その母親には、ミルク栄養でも十分な栄養を与えることが出来ることを伝えておきます。母乳が出ない母親は、とくにナーバスになりやすいです。ほかの母親と一緒に授乳をしていることが多く、その時にどうして自分は母乳が出ないのだろうと劣等感を持ってしまうのです。その時には、ミルク授乳という方法があるので安心して与えていいことを伝えてあげましょう。
新生児は、哺乳をしている時に嘔吐等を起こすことがあります。新生児の胃腸は弱いので、そのような症状が見られることもあります。その時、新生児のチアノーゼの有無、全身状態の観察をアセスメントして授乳をしていい状態なのか見極めるようにします。排気による嘔吐もあるので、そのことを含めてアセスメントをしましょう。

・おむつ交換について

おむつ交換については、そんなにむつかしくないので母親が行いやすい育児です。そして看護師はそのおむつ交換の時が、赤ちゃんの健康状態を観察できる時であることを話します。
赤ちゃんのおむつの尿や排便を見て観察をします。最初は胎便が出ますが、その後に便の異常がみられることがあります。血便などの症状がある場合は、すぐに看護師に伝えるように指導しておきましょう。
おむつについては、布おむつ、紙おむつがありそのどちらもメリットがあります。紙オムツの場合は、使い捨てなのでそちらを使う方が母親はかなり楽です。どちらのメリットも伝えて、使ってもらうように指導します。

・寝かしつけについて

母親が自宅に帰り、最も辛いのはやっぱり赤ちゃんが泣いてしまうことなのです。どうして泣いているのだろうと不安になります。赤ちゃんはおむつが濡れていて泣いていることもあるし、母乳などが欲しくて泣いていることもあります。そのような場合は、おむつ交換などをすると泣き止むのですがそれをしても泣き続けることがあります。
赤ちゃんは、何もなくても泣いてしまうこともあるのです。そのことから、母親が動転してしまうこともあるのですが、何もなくても泣いてしまうことを伝えておくとかなり安心できます。
ただ、どこかが痛いなどで泣いていることもあるのでそのような状態があることも知らせおきます。

・異常の発見について

異常の発見については、よほどの症状がない限りむつかしくなります。母親に対して、指導をする場合はその異常の状態についてある程度指導しています。しかし指導をする内容だけではなく、他にもおかしなところがあるかもしれません。
元気がない、ミルクを飲まない、嘔吐をしてしまう、熱があるという場合は必ず病院を受診するように指導しています。

・連絡方法

出産をした病院を受診する場合は、その病院の連絡方法を知らせています。日中と夜間では連絡方法が違うのでその両方を伝えるようにしています。

・育児のサポートの存在について

育児のサポートをしてくれる人がいると,とても安心することができますね。母親が安心して休むことが出来るので、不安も少なくなります。その反対にいない場合はとても不安です。そのため、不安で仕方がないという場合はいつでも電話をして欲しいと伝えることにしています。

まとめ

いかがでしたか?母親が一人で育児をする事ができるように観察、指導、応援、傾聴をすることがとても大事です。気持ちが不安定な時期だけに、看護師のきめ細かいアセスメントが母親と赤ちゃんを守ることができます。このことは、自分が将来母親になり役立つ事もあるので、とても看護師としてやりがいを感じることができます。

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