大学病院と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。難しい、お堅い印象、その医大卒の看護師ではないと就職できない…
そこで今回は大学病院についての説明と、大学病院ではどのような看護師が働いているのか、実際に働いてどんなメリット・デメリットがあるのかをお伝えしたいと思います。
そもそも大学病院とは?
大学病院というのは文字通り大学の病院なのですが、具体的に説明すると医学分野の大学に付属している教育・臨床・研究を行う病院です。
そして大学病院は総合病院、つまり内科、外科などのさまざまな診療科をもち病床数も多いです。
特定機能病院の認定を受け、最先端の高度医療を提供している病院が多いですね。
大学病院は難しい?
先ほど説明した通り、大学病院は最先端の高度医療を提供しながら教育や研究を行う機関です。
このように書くと難しいのでは…と感じる方が多いと思います。
しかし、私は看護師として大学病院とそうではない病院の2か所で勤務したことがありますが、大学病院が特別難しい・厳しいといった印象は受けませんでした。
確かに他の病院では治療ができず高度な医療を行うために大学病院に入院される患者さんがいます。
ですが医師の適切な指示のもと治療を行いますし、わからないことは看護師間で教えあったり医師と協力し医療者全員でチームとして患者さんを支えていきます。
そのため、大学病院は難しいから自分は働けない!なんて思わなくて大丈夫ですよ。
大学病院に就職するのは医大卒の看護師だけ?
看護師になるにはさまざまな教育機関がありますよね。
大学病院に就職するのはその医大を卒業した看護師だけだと思っていませんか?
確かにその大学を卒業した看護師は多いですが、だからと言って他の教育機関を卒業した看護師がいないわけではありあせん。
むしろ合計したら他の学校卒の看護師の方が多いように思います。
私が大学病院に就職したときに新卒同期は60人ほどいましたが、その医大卒業の看護師は20人ほどで残りは他の大学や専門学校などを卒業した方です。
他の代でも入職者が30~60人と採用者の数に差はあっても、おおよそその医大卒の看護師は過半数を切っています。
また、新卒ではなく他の病院を経験してから就職する方も多くいます。
そのため、医大の看護学生ではないから大学病院は目指せない…なんて思わず興味があったらぜひチャレンジしてほしいです。
大学病院で働く看護師のメリット・デメリットとは
ここまでは大学病院の話をしてきましたが、メリット・デメリットも気になりますよね。
そこで、大学病院の特徴を織り交ぜながらメリット・デメリットについて説明していきたいと思います。
①教育体制が整っている
②根拠を大切に看護の基礎から学ぶことができる
③総合病院でありさまざまな診療科があるため様々な科の協力が得られる
④看護師の人数が多く、休みがとりやすい
⑤同期就職の看護師が多いため仲間がいる
⑥様々な勤務帯があるため、育児をしながら勤務したいママさん看護師も活躍
①教育体制が整っている
みなさんが就職を考えるときにまず気になるのが教育体制ですよね。
大学病院は教育機関でもあり、看護師の育成にも力を入れているところが多いです。
特に新卒では1年を通して研修があり、新卒者がストレスを抱え込まないようリフレッシュ研修として半日休みがもらえたり、病棟の看護師には絶対に話がいかないことを約束してくれる上でのお悩み相談の時間もあるところが多いと思います。
病棟では1人につき1人プリセプターがつき、個人の進み具合に合わせながらサポートしてくれます。
プリセプター以外にも教育担当者がいて、適宜自分の理解度と進み具合を認識しアドバイスをくれます。
2年目以降もその時に応じた研修があり、プリセプターになるための教育も丁寧に行われています。
しかし、研修が多い=ずっと忙しくて大変というわけではありません。
就職して最初の1~2か月は覚えることも多く大変でしたが、その後はプライベートの時間もしっかりとれるので充実していました。
②根拠を大切に看護の基礎を学ぶことができる
大学病院の看護師は根拠を大切にしている人が多いです。
看護技術の方法一つ一つにも根拠があり、治療方針や自分の行う看護にも根拠を考えます。
そのため自然と根拠のある看護を行うことができるようになります。
これは看護師としてとても重要なことで、他の科に異動したり他の病院に転職しても自分の力となります。
③総合病院でありさまざまな診療科があるため様々な科の協力が得られる
例えば患者さんが手術後にせん妄になってしまった、最近血糖が不安定だ、発疹があるが何かわからない…
働いているとこのような出来事に何度も出くわすと思います。
もちろん医師は初期研修で様々な科を経験しているため自分の科の医師でも対処できることは多いです。
しかし総合病院だとより専門的に診ることができる医師がいます。
他科に相談することで患者にとって大きな利益となるんです。
精神科に相談できたおかげで安定した方、循環器内科に相談できたおかげで血糖コントロールができた方、皮膚科に相談できたおかげですぐに皮膚症状に対し治療を開始できた方…
専門の医師に相談できることで看護師としても安心して働くことができます。
④看護師の人数が多く、休みがとりやすい
大学病院に勤務する看護師は必要以上に多いわけではありませんが、人数は安定していると思います。
大学病院以外の病院で働いていたときは誰も有給がとれず、夏休みも3連休だけ、なんてこともありました。
もちろん病院によると思いますが、私の勤務していた大学病院は夏休み・冬休みは6~8日程ありました。
また、希望していないのに4連休がある月もありました。
仕事だけではなくプライベートも大切だったので、休みをもらえるのはありがたかったです。
⑤同期就職の看護師が多いため仲間がいる
先ほども話に出ましたが、私が大学病院に新卒で入職したときに同期は60人、その中で同じ病棟に3人配属されました。
つらいことがあったとき、わからないことがあるときに同期がたくさんいると相談できる相手も多く助かりました。
⑥様々な勤務帯があるため、育児をしながら勤務したいママさん看護師も活躍
看護師には二交代、三交代などありますが、その勤務帯が充実していました。
少し遅めに出勤する人、午前中で帰る人、午後3時までの人、日勤はフルタイムでいるけど土日と夜勤は入らない人など様々です。
残業にならないよう周りも協力するため、ちゃんと定時で帰ることができていました。
そのため育児をしながら勤務したいママさん看護師にとってはうれしいのではないでしょうか。
①様々な病棟があり、必ず自分の希望に入ることができるわけではない
②病棟間で異動がある
③給料はその大学それぞれ。必ず高いわけではない。
①様々な病棟があり、必ず自分の希望の科で勤務できるわけではない
私の勤務していた大学病院は就職時もおおまかな希望(内科、外科、小児・産婦人科など)しかとられませんでした。
そのため自分の希望する科に配属された人はあまり多くありませんでした。
私は運よく希望が通りましたが、小児科嫌いの看護師が小児科勤務になるなんてこともありました。
科への強い希望がある人、どうしても苦手な科がある人にとってはつらいかもしれません。
②病棟間で異動がある
大学病院ではその病院にもよりますが、看護師の育成としておおむね新卒から5年~7年ほどで他の病棟に異動しなければなりません。
一度異動してからはコンスタントに異動するため、ベテラン看護師になると経験した病棟が5つほどあるのが当たり前になります。
異動せずにその科に残る方法もあるようですが、毎年たくさんのレポートを書いたりと大変なようです。
色々な科を経験したい方にはありがたい制度だと思いますが、自分がどうしてもこの科で働きたい!という強い意志がある方にはあまり向かないかもしれません。
③給料はその大学それぞれ。必ず高いわけではない。
大学病院と聞くと給料が高いと思っている方が多いようですが、必ずしも高いわけではありません。
私が勤務していた大学病院の給料は同じ地域の中でも平均程でした。
給料を重視する方は大学病院だから高いと思わずによく調べる必要がありますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大学病院の難しくお堅いイメージや、医大卒ではないと入れないといったイメージはなくなりましたか?
もちろん病院それぞれ特徴はありますが、私は大学病院で勤務しとても良い経験をできたと感じています。
今回ご紹介したメリット・デメリットを読んで、ぜひ大学病院への就職も候補の一つにしてもらえたらうれしいです。
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