看護師は女性が大多数を占めている職場ですが、近年男性看護師も少しずつですが人数が増えてきました。
これには「手に職をつけたい」、「医療に携わりたい」、「入院や通院などの経験を経て看護師の魅力を社会人となってから知った」など様々な理由があると思います。
この記事では、社会経験のある男性が看護師を目指す上で必要なことを情報提供しています。
■看護師等養成所(看護学校)をリサーチしよう。
看護師になるためには大学や専門学校をはじめとする看護師等養成所に通学しなければなりません。
実際の受験形式は学力試験と面接があることが大半です。
ですが、それよりも社会人経験のある男性は、真っ先に事前に看護師等養成所(看護学校)の「実情」に関する情報収集が非常に大切となってきます。
なぜならば看護師養成所(看護学校)によっては男性の入学定員数に大きな差があるからです。
例えば、看護学生の半分ほど男女分け隔てなく入学する看護学校もあれば、入学定員の1割程度もしくは全く男性を入学させない看護学校もあるのです。
そのため、受験する看護師等養成所(看護学校)によっては男性であるだけで大きなハンディキャップとなってしまうことから、社会人や男性の入学実績がある学校かどうか、実際に入学している男性の年齢層も含めて情報を得ましょう。
情報の仕入れ方は直接事務局へ問い合わせるか、学生データとしてホームページで公表している場合があるのでチェックしましょう。
社会人経験のある男性でも、年齢が20代であれば比較的入学後の新卒者と馴染みやすいと思われます。
ただ、年齢で30代以上である場合には受験に対して相応の理由を筋道立てて説明できる必要があります。
そのためには、願書やパンフレットなどの資料請求だけでなく、実際にキャンパス見学に行き志望動機を固められるよう情報を仕入れましょう。
また、看護師だけでなく保健師の資格取得を考えている場合には、看護師等養成所の数が限られてしまいますので、前もって保健師取得を目指すかどうか把握しておく必要があります。
(なお、助産師に関しては法律上男性が取得することができません。)
■看護師等養成所(看護学校)を受験しよう。
社会人経験のある男性が看護師等養成所(看護学校)を受験する場合は、多くは学力検査より「面接」が重要となります。
特に「社会人で一定の経験があるにも関わらず看護師を目指す理由は何なのか。」という質問は必ず聞かれると思います。
ここで、面接官を納得させられるかどうかがキーポイントです。欲を言うと、どれだけ面接で面接官に印象付けるかも大切です。
男性の受験者は少数ですが、それでも良い意味で目立つことには損はありません。
面接で答える内容だけではなく、メラビアンの法則にあるような視覚から得られる印象においても好感が得られるよう身だしなみに十分注意しましょう。
学力検査については、高校卒業後どれくらい経っているのか、あるいは事前の学力がどの程度なのかにもよります。
得意科目の把握や、比較的点数の伸ばしやすい暗記系の科目を駆使して高得点が得られるようにしましょう。
この点については、大学よりも看護専門学校の方が問題の難易度は易しいことが多いです。
ちなみに、一般的に男性の場合は女性に比べて合格点が高めに設定されていることが多いため妥協せず過去問を取り寄せて傾向を分析して臨みましょう。
■看護師等養成所(看護学校)を卒業しよう。
看護師等養成所(看護学校)では日々の授業が朝から夕方までびっしりあることが多いです。
もちろんテストもあり、合格点が得られないと留年や退学となることもあり、気は抜けません。
一旦社会人から学生になっていることもあり、金銭的な余裕がない場合は病院が提供している修学資金の利用を検討しましょう。
金銭的な負担は大きく緩和されますので、学生の間の生活については自分自身の体験上、それほど大きな心配はいらないと思います。
また、無事看護師となってからの話ですが、男性看護師は女性看護師よりも出産や子育てによる影響が大きくなく長期にわたりキャリア形成ができる強みがあります。
社会人経験を経ていることにより、対人コミュニケーションや医療関係の機材の操作に慣れていることも長所ですので、積極的に採用している病院は多いのです。
看護師等養成所(看護学校)の特徴の1つである実習では、まわりの学生や指導者とのコミュニケーションが大切となってきます。
社会人であり男性である場合には、リーダー的な立ち回りを要求されることが多いです。
多くはカンファレンスの司会担当やグループメンバーのまとめ役のような立場が求められます。
ここで、社会人経験がある男性がやりがちなのが、社会人経験があるからといって上下関係を作ってしまうと周囲の看護学生と上手くいかなくなります。
協力や信頼関係がないと実習は困難となることから、看護教員の先生もメンバーの配置には十分配慮しているのが実情です。
実習は共通の課題として一緒に乗り越えるような仲間としての意識が求められます。
また、男性であることによって母性領域の実習では直接ケアを行うことが難しい場合があります。
少し年齢的に先輩であっても、自分ができることを精一杯グループメンバーに提供し、できないことがあれば遠慮なく頼りながらクリアしていきましょう。
■看護師国家試験を合格しよう。
看護師国家試験は男性であることや社会人経験があることに関係なく一定の点数を取れば合格することができるため、大きなハードルにはならないかもしれません。
しかし、実習がすべて終わってしまった頃には試験日まで日がほとんどありません。
実習が後半に差し掛かるころには過去問や問題集を利用して早めに対策をしていきましょう。
勉強方法としては、複数の問題集に手を付けるより1冊しっかりやりこむことによって学力がつきます。
模試では本番の看護師国家試験よりも少し高めの難度に合わせて問題が作られているため、点数に一喜一憂する必要はありません。
看護師国家試験は必修問題と一般・状況設定問題から成り立っており、必修問題は9割正答しなければなりません。
よって、まずは必修問題の対策を入念に行いましょう。過去問とラ・スパやクエスチョン・バンクなどの定評のある問題集を1冊複数回繰り返してやり込む方法で合格点に到達できます。
必修問題の対策は、一般・状況設定問題の対策に通じるものがあるので、基本を押さえましょう。
■社会人経験のある男性看護師が活躍するステージ
看護師国家試験に合格すれば、登録手続きを経て晴れて看護師となることができます。
そこで迷うことが、その看護師免許をどこでどのように活かすかです。
看護師は急性期病棟や慢性期病棟、透析室や手術室、内科や整形外科、精神科など病期分類や診療科によっても働くステージは多種多様です。
「社会人経験」と「男性」であることを武器にできるようなステージで活躍することが望ましいですが、人によっては就職後の先のことも考えているかもしれません。
一般的に男性看護師は精神科や手術室看護師に多いイメージですが、昨今は一般病棟などでも活躍しており、看護管理職となっている方もいます。
このような男性看護師が活躍している病院を調べていくと、今後のステップアップもイメージしやすいのではないでしょうか。
看護師業務の複雑化、煩雑化に伴って、診療看護師や専門看護師、認定看護師など高度や役割が求められるようになっています。
それに合わせて看護教育も高度化してきており、大学院で修士課程や博士課程の取得者も数多くできており、就職先も多様化してきています。
社会的な需要も多く、重責ある看護師ですが、やりがいもまた十二分にある仕事です。
看護師に興味のある男性の読者のみなさん、ぜひ看護師を目指してみませんか?
まとめ
社会人経験のある男性が看護師を目指すことは、看護学校の選び方などに留意点がありますがデメリットになることはまずありません。
医療専門職として看護師はますますニーズが高まっており、看護師不足の昨今にもかかわらず看護師業務は多様化しており、看護師の活躍するステージも数多くあります。
今後も可能性の広がり続ける看護師になってみませんか?
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