看護師が育児休業を取得した際には退職して他の職場で働きたいと思うことがあります。職場復帰のタイミングで転職するのは大丈夫なのかと悩んだ人のために、どのような事情があるのかを紹介します。
育児休業後に転職したいと思う看護師は決して少なくありません。なぜ転職したいと思うのか、服飾のタイミングで退職できるのかをまず解説します。その上で、育児と転職の考え方について重要なポイントを紹介するので参考にしてください。
#育児休業後に転職したくなる理由とは
看護師の間では育児休業の悩みがよく上がっています。子育てをするライフステージになると出産のときには産前産後休業だけでなく育児休業も取りたいと思うのがもっともなことです。その後も同じ職場で看護師として働きたいという気持ちで育児休業を取得するのが普通ですが、実際に育児休業を取ると転職したいと思うようになるのはなぜなのでしょうか。
育児休業を取得すると1年以上も職場から離れることになり、子育てに専念する生活を営むことになります。子育てを始める前の段階では、育児休業を終えた後も現場で働けるだろうと考えているでしょう。しかし、実際に子育てを始めてみると大変で、時間的にもエネルギー的にも職場に戻って働くのは難しいという印象が生じがちです。そのため、看護師として働くのは当面は諦めるか、もう少し働き続けやすい勤務条件の職場に転職しなければならないと考えることが多いのです。
また、育児を経て仕事に対する考え方が変わることもあります。職場から離れる前は仕事を中心にして生活していきたいと思っていた人も、子育てをしてみると家族との時間をもっと大切にしたいと考えるようになることがよくあります。時間的に余力を持てる働き方をしたい、土日は休める職場で働きたいといった考えを持つケースも少なくありません。
一度職場を離れて家族と生活する時間が長くなると、理想的なライフスタイルも変わります。その結果として、今までの職場では理想を叶えられないと感じると転職を検討するようになるのです。
#育児休業後の退職はできるのか
育児休業を取得してしまうと退職できないのではないかと不安になる看護師もいます。少なくとも建前上は育児休業は職場復帰を前提としているものです。そのため、退職したいと言っても断られてしまうのではないかという懸念が生じます。しかし、法律上は育児休業後一定期間は退職できないといった定めはありません。職場側が退職届を受け付けてくれれば退職できます。退職届を出してから二週間は出勤の求めにおうじなければなりませんが、それ以上の期間の勤務を求められたとしても断る権利があります。法律上でこのように定められているので、退職すること自体は不可能ではありません。
ただ、実際にはその後の関係も考えると簡単に法律の力を使って退職するのははばかられるでしょう。現実的にはなかなか切り出せずに困ったり、退職したいという意思を伝えても引き留められてしまったりするのが一般的です。施設側としては退職するなら育児休業前にして欲しかったというのも本音でしょう。その点を後ろめたいと思ってしまうと、引き留められたときに諦める気持ちも生じてきてしまいます。
しかし、退職する権利はあるので交渉することは可能です。無事に退職に成功して転職している看護師も決して少なくありません。ただ、育児休業後で家庭の方も忙しい中、転職活動と並行して退職交渉もするのは大変です。育児休業後の退職は可能ですが、産休前に比べると苦労が多いことは念頭に置いておきましょう。
#計画的な転職をしよう
育児休業後の転職は不可能ではないものの、難しいことを考慮すると計画的な転職をするのが合理的でしょう。円満退職をして新しい職場で働きやすくするためには二通りの方法があります。
一つ目は育児休業前に転職する方法です。結婚した頃を目安にして育児をしながらでも働きやすい職場に転職しておきましょう。入職後、一年間は育児休業を取得できないケースが多いので早めに転職しておくのが大切です。育児休業を終えた後、院内保育施設を利用できたり、時短勤務制度を適用してもらえたりする職場なら働きやすいでしょう。夜勤がなければ働けそうだと考えたら無床のクリニックを選んだり、日勤のみの待遇で採用してもらったりするのが良い方法です。子育てが始まってからの生活をイメージして、どんな働き方が自分に合っていそうかを考えて職場選びをするのが大切です。
二つ目は育児休業後も一定期間は働き続けやすい職場を選んでおく方法です。将来の働き方はその都度考えたい人に適している方針で、時短勤務制度があるか、職場の雰囲気として子育て中の看護師の負担や勤務を減らすようにしているところが候補になります。育児休業を終えた直後には退職しにくくても一年後くらい働いたら退職の相談をしやすくなるでしょう。そのくらいの期間は我慢して子育てと仕事の両立の努力をするという覚悟で選ぶことになります。新卒で就職した先にこのような待遇がないようなら、育児休業前に転職しておきましょう。
どちらの場合にも正職員として働く以外の道も考えてみましょう。派遣看護師になるとライフステージに合わせた働き方も選びやすくなります。育児休業も取得しやすいので事前に転職するなら検討してみると良い方法です。
#看護師が育児休業後に転職するときのコツ
このような事前の転職ができればトラブルは起こりにくいですが、育児休業に入ってから転職したいという気持ちが生まれることもよくあります。この際に円満退職をしてスムーズに転職するための三つのコツを確認しておきましょう。
一つ目は育児休業中に転職活動を始めておくことです。職場復帰をしてから転職活動と退職交渉を同時に進めようとすると大変です。しかし、転職活動を育児と平行して進めておき、内地をもらっておくことができます。看護師をぜひとも採用したいと考えている施設は多いので、育児休業の終了後、数週間の退職手続きを経て入職したいという希望にも応えてくれるところがきっと見つかるでしょう。
二つ目は転職エージェントを利用することです。育児をしながら転職活動を進めるのは心身ともに大変なのは確かです。プロのサポートを受けながら転職活動をした方がスムーズで負担も軽くなります。特に育児休業期間が終わる頃のタイミングで看護師を欲している施設を選び出してくれる点が転職エージェントを使う魅力です。事前に入職時期の交渉をしておいてくれるので、スムーズに内定をもらえるでしょう。今後希望する働き方を伝えれば待遇についても十分に検討して候補を絞ってくれるため、転職活動にかかる労力を軽減しつつ、理想的な職場に出会える可能性が高まります。
三つ目は退職について切り出すタイミングを見誤らないことです。育児休業中に電話で上司に退職を考えていると伝えておくと良いでしょう。退職する看護師が出てきてしまうと、代わりの人を採用するか、他の看護師に業務の負担をしてもらわなければなりません。育児休業が終わった後に突然退職をすると言われても職場は慌てて対応しなければならないでしょう。その対応を円滑に進められるようにすると円満退職につながります。詳しい話は育児休業後に行うとして、退職を検討している点ははっきりと伝えておくのが大切です。職場復帰して業務を本格的に開始してしまうと、退職を決めた時点でまた引継ぎをしなければなりません。
育児休業後にすぐに退職する方針にした方が基本的には職場の混乱を招きません。職場に余計な負担をかけてしまわないようにするためにも復帰前に上司には伝えておきましょう。
まとめ
看護師にとって育児と仕事の両立はとても大切です。育児休業を終えてから退職することもできますが、職場との交渉が大変になることは否めません。可能であれば育児休業前に転職する方がトラブルがありませんが、子育て中に転職したいと思ったときにも不可能ではありません。円満退職をできるように早めに転職活動と職場への連絡を進めておきましょう。
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