転職をして分かったこと~保育園看護師としての働き方もあります~

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#1359 2021/02/18UP
転職をして分かったこと~保育園看護師としての働き方もあります~
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新卒後から大学病院の外科で働いてきましたが、結婚・出産を機に転職をしました。主婦業・子育てをしながらも看護師として働きたいと思い、でも夜勤はしたくない…と考えていた時に出会ったのが保育園看護師でした。保育園での看護師としての働き方をお伝え出来たらなと思います。

私は看護短大を卒業した後に、地元の大学病院で働きました。脳神経外科と耳鼻咽喉科・頭頸部外科に配属されて、毎日が新しく学ぶことばかり。慌ただしい日々を過ごしていました。
特に脳神経外科は、意識レベルが低い方、全身麻痺の方がほとんどで、定期的な体位変換や移動介助、入浴介助など、とても体力勝負な病棟です。
さらに、夜勤や準夜勤などもあり、生活リズムがバラバラで、自分の体力が日々奪われていくのを感じました。

看護師の仕事は、小さいころからなりたかった仕事。ようやくその仕事に就くことができて、やりがいもあることは分かるけれど、働けば働くほど自分の体力、精神力が付いていけてないことを実感し、精神的にも辛くなるようになりました。夜勤のない、重労働でないところで働きたい、という思いが強くなり、結婚のタイミングで5年働いた大学病院は退職しました。
その後すぐに子供が生まれてたのでしばらく看護職から遠のきました。でも「そろそろ働きたいなあ」という思いもあり、ハローワークの求人を見たり、インターネットで転職サイトを検索したりもしていたのですが、その度に、病院で働いていた大変だった頃の事を思い出し、またその大変だった生活が蘇る、しかも今はさらに主婦業や子育ても両立しなければいけない、という思いが強くなり、不安が勝って、やっぱり一歩が踏み出せずにいました。もう少し子育てが落ち着いてから、子供が小学生になったら・・・、と先延ばしにして、再就職になかなか踏み出せなかったのです。
いわゆる潜在看護師で、看護師免許はあるけれど専業主婦、という状態が5年ほど続きました。そんな中、変わるきっかけになる出来事がありました。たまたまその日に子供を連れて行った子育てセンターである親子に出会ったのです。
その出会った子はわが子と同い年でした。その日一緒に遊具で遊んでいたのですが、その子は気管切開をした状態でした。体格も同じ年のわが子よりも一回り小さい子で、発達が遅れているのが分かりました。お母さんは気さくな方で、話しかけてきて下さり今までの病気や手術歴などを面白おかしく話してくれました。そして、今はようやくこうして、元気に保育園に通園してると、その状況がとても嬉しいと、教えてくれました。でも、もうすぐ通っている保育園の看護師さんが辞めてしまうから、保育園を退園しなくてはいけないかもしれない、と教えてくれたのです。せっかく手術も終えて、元気になって、普通の子供と同じように保育園に入れたのに、医療行為がある状態では、保育園に通いたくても看護師さんがいないとなかなか難しい、という現状があることをそこで初めて知りました。

そして、看護師が保育の現場に必要とされている、という事に気が付きました。そこから保育園の看護師として働いてみたいなあという思いが強くなったのです。
しかし、今までは、看護師と言えば病院や施設に従事し、保育園でも働けるなんて全く思っていなかったし、どのような仕事をするのかも知りませんでした。自分の周りにも、保育園で働いている看護師はいませんでした。
だから、まずは転職サイトで調べて、実際に保育園で働いたことのある方の話を読んで勉強をしました。自分の身近にいなかった分、このように転職サイトで調べて様子を知ることができたのは、とても心強かったです。
看護師の転職先としては、やはり病院や施設、訪問看護等の求人が多いですが、少しではありますが、保育園、幼稚園といった子供を対象とした施設の求人もあります。
0歳児がいる保育施設では看護師の配置が必須になりますし、医療行為があったり、障害があるお子さんが通園されてる園では看護師を必要としている所もあります。しかし、病院勤務だった自分、しかも小児科勤務の経験もない私が、いきなり保育園で働くのは、分からないことだらけで、どうしたらいいのかな、何をしたらいいのかな、と不安はかなりありました。私は幸いにも、自分の子供が保育園に入る際に、地元の保育施設を一通り見学したり調べたりして、また自分の子供が保育園に通っていたので、保育施設というものの雰囲気や日々の様子をイメージすることができました。全く知らない未知の世界ではなく、自分の生活のとても身近にある職場だなあと気づいたのです。それからは、どんな所で働くんだろう、という不安よりかは、子供が普段通っている保育園の担任の先生のように、優しく、明るく子供と接しながら看護の仕事ができたらいいな、といったしっかりとした自分のビジョンを持つことができました。
ですから、子育て経験のある方は、とても身近でイメージしやすい職場だと思います。そしてそのような思いを面接で話して、私は小規模保育園の看護師として働くことができました。採用時の面接ではきっと、なぜ看護師が病院ではなく保育園を選んだのですか、という事を聞かれると思います。
採用者としては、病院と保育園は全く畑違いな場所なのに、なぜわざわざ保育の場を選んだかを知りたいと思います。
なので、その考えはしっかりとまとめて話が出来るようにしておいた方が良いです。そして、実際に働いてみて分かったことですが、看護師が保育の場でやるべき事はたくさんあります。
少なくとも、私が働いていた保育園は、子供がケガや体調が悪くなった時だけ対応してあげて、その他は保健室や医務室で待機している、というような状態ではありません。
常に子供たちと一緒に活動して、トイレの援助やおむつ交換、給食援助、登園降園時のお出迎え等、保育士さんと同じように動きました。でも、その動きの中でも、部屋は適温かな?外遊びの熱中症対策は十分かな?この活動はケガにつながらないかな?感染対策は取れているかな?と常に頭の中ではリスクを考え、その対策が取れているか、などとアセスメントしながら、専門性をもって動く必要があります。

また、いざという時の対応がとれるような環境づくり、例えば嘔吐や下痢をしたときの対応、急病やアレルギー発症時の救急対応など、常日頃から職員間で連携が取れるようにするようにも務めました。
そのために定期的に看護師の園内研修を行ったり、物品があるか定期チェックをしたりもしました。あとは、ほけんだよりの作成や与薬、ケガの処置、内科健診や歯科検診の援助といった看護師ならではの仕事もありますよ!何せ毎日元気いっぱいでパワフルな子供達です。
保育士さんも高い専門性をもって子供たちの保育に励まれておられます。
そんな楽しい、活発な子供たちの学びの場に、看護師が入ることでより安全で安楽な場を作ることができたら、とても素敵なことだと思います。
基本的には看護師は1人態勢です。保育士さんや保護者の方から、看護師を頼りにいろいろ質問をされたり、相談されることもあります。
ここでも自分自身の子育て経験を活かしながら、相談に乗ることもありますし、もちろん分からないこともあるので勉強も必要です。
このように病院とは全く違う環境ではありますが、注射や採血、処置介助などといった看護技術はほとんどありませんし、夜勤や土日勤務もないですので、とても家庭と両立しやすく、私にはぴったりな働き方でした。
そして、保育現場には看護師が必要だと実感しました。
特に今はコロナ渦で、さらに保育園に看護師が求められていると思います。子供たちとの生活は、日々予期せぬいろんなことが起こり、刺激たっぷりな毎日ですが、子供たちの笑顔があふれる中で、看護師として専門性を発揮して働けることはとても魅力的です。ぜひ子育て中のお母さん、子育て経験のある方、そして子供が大好きな方にお勧めしたい働き方です。

まとめ

このように、結婚・出産を機に病院で働くことは難しいと考え、一度看護職から離れた私でしたが、子育ての経験を経て、それを生かして働けるのが保育園看護師でした。また保育という仕事を新たに学ぶこともできました。
子育て経験のある方、子供が大好きな方、保育園看護師としての働き方もぜひ参考にしてみてください。

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