介護職の皆さんが転職する際の活動について、心配されていることはどんなことですか?不安や悩みも多いと思います。今回は、私の経験を交え、転職についてのポイントと注意点をお伝えします。
①退職に向けての活動・ポイント
介護士にとって、現在勤務している職場から転職するには、大変なことが沢山あります。
例えば、担当している入所者・利用者様への挨拶、引き継ぎ、書類整理などです。
また、退職するに至った経緯によっては、上司や同僚に退職の意思を伝えることは勇気がいることかも知れません。
私にとって最初の転職活動において一番苦労したことは経験年数の短さでした。
私の場合、病院に勤務していましたが、院長交代により、職員退職するように辞令がありました。
そのとき、私は介護士になってまだ1年未満の経験しかなかったため、就職活動も難航しました。
経験年数が短く、自己都合による退職であれば、施設や病院は「この人は大丈夫だろうか」と考えてしまい、再就職活動においてマイナスなイメージを持たれてしまいます。
さらに、引き継ぎや挨拶など、きちんとした対応で退職を行うことも一つのポイントです。
退職の意思を示すのは、できれば3ヶ月前を目処にしましょう。
介護の現場は人手不足であり、シフトもギリギリで組まれていることが多いため、1ヶ月前や2ヶ月前に退職の意思を示すことは、その職場にとって痛手となるだけではなく、入所者・利用者様にとっても介護が行き届かないことになってしまうからです。
書類に関しても、整理をきちんと行っておきましょう。
調査や監査が入ったとき、書類を確認されます。その際、不備や記述に嘘があっては、最悪の場合営業停止や新規受け入れ禁止の措置がとられ、様々な面で影響悪化してしまうことになります。
その時に一番不利益を被ってしまうのは、職場でも、スタッフでもなく、その施設を利用している高齢者、障がい者や、病院に入院している患者様になります。
ですから、「自分は退職して関係なくなるからいいや」と考えて、書類整理を怠らないようにしましょう。
次に引き継ぎについてですが、担当している方がいる場合、新しい担当者に変更になることを伝えておく必要があります。
環境の変化が起こると、症状が悪化してしまう方もおられるので、新しい担当者になること、引き継ぎはきちんと行っておくことを説明しておく方がよいでしょう。
新しく担当者になる職員には、最低限、その方の性格、病歴、アレルギーの有無、内服薬、家族構成(キーパーソン)、主治医、緊急連絡先、緊急時の対応(病院搬送なのか看取りなのか)を伝えておく必要があります。
できれば、個人ファイルに一目見れば分かるようにデータを作っておくとよいかも知れません。
②再就職に向けての活動
退職の意思を伝えたら、再就職に向けての活動に入ることになります。
おそらくは、勤務しながらの活動になると思いますので、
1,希望する職種(デイサービス、ヘルパーステーション、施設、病院など)
2,希望する市町村
3,通勤方法
4,自宅の最寄り駅
5,通勤時間
6,駐車場を希望するか
7,保険は必要か、扶養範囲内の勤務希望か
8,退職に至った経緯
9,経験した仕事内容
を書き出しておきましょう。
そうすることで、ハローワークや紹介会社などに希望を伝える際、自分の意見を伝えやすくなります。
面談に至るまでに、電話やメールを使用して相手との連絡を行うことになります。
自分が気になっていることや伝えておきたいことをメモしておくこともいいかもしれません。
私自身の経験ですが、上記9項目と、相手に伝えておきたいことを表にして数枚準備していました。
チェックを入れながら、希望に合っているかを確認できたからです。
また、電話やメールでの連絡の際に、相手の口調、文面を確認することも重要です。
求人票に書かれていることは、もしかしたら嘘が書かれているかも知れません。
質問の際、口ごもったり、口調が変わったり、また、約束の日時に連絡が取れなかったりする場合には、注意が必要です。
基本的に、求人担当は施設長や管理者が行っていますので、口調が荒い、約束を守らない、もし都合が悪くなった場合でも連絡がないなど、
職場の顔である上司がマイナスな言動があった場合、その施設はあまりいい職場とはいえないでしょう。
就職活動の中で、希望する施設に見学に行くと言うことも忘れてはなりません。
玄関の状況や匂い、掃除の状況などからも、その施設の現在の状況が把握できます。
例えば、外観が好印象であったとしても、玄関を入ってすぐに匂いが強かったり、芳香剤などでごまかしている場合には、
もしかしたらきちんとした排泄ケアがされていないかもしれません。
床や壁が汚れていたり、玄関が整理されていないなどの場合には、職員教育が徹底されていないかもしれません。
職員が挨拶をしない、無愛想、服装が乱れている場合には、入所者・利用者様に対しての対応も雑になっているかもしれません。
見学をすることで、現状把握ができ、求人票に書いてあることが真実なのかどうかも判断できます。
ですから、見学をすると言うことはとても大切なことなのです。
職場によっては、体験入職してほしいと言われることがあります。
その際には断らず、お受けしましょう。
実際に働いてみることで、見学や求人票だけでは分からなかったことが見えてきます。
面談の時や電話連絡の時はいい印象だったとしても、実際は自分の性格に合わなかったり、
仕事内容が希望していたことと違っているかもしれません。
見学では悪く見えていたことが、実際はその方の治療には効果的だと分かるかもしれません。
転職活動において、自分の希望だけが通るわけではありません。
どこか一部分、ほんの少しだけ自分の希望と違う、だけど、この職場で働きたいと思うこともあります。
ですから、一つの職場だけではなく、最低でも5つの職場について、話を聞いたり、見学に行くことをおすすめします。
③面接時のポイント
面接時、必ず聞かれることは、
1,退職の理由
2,現在までの転職回数
3,経験してきた仕事内容
です。
①で記載したとおり、退職理由が「上司とそりが合わなくて自主退職した」とか、「大きな事故を起こしてしまった」、「職場が嫌になった」と言った理由、さらに短期間しか勤務していない場合には、敬遠されがちです。
それは、「また仕事が慣れた頃に退職されるのではないか」「指導をきちんと聞いてくれないのではないか」と思われてしまうからです。
たとえ、短期間しか勤務していなくても、会社都合や家庭の都合であれば、きちんとその旨を伝えましょう。
また、履歴書や職務経歴書にもその旨記載しておきましょう。
人間関係が理由で退職した場合は、その理由を聞かれることが多いです。
その際には隠さず、離せる範囲でかまいませんので、相手に事情を伝えておきます。
面接において次に見られることは、指、髪、装飾品です。
指については、特に爪を見られます。介護の現場において、爪が伸びていると言うことはあり得ないことです。
相手に怪我を追わせるだけではありません。自分自身も危険になることがあるからです。
髪については、長髪の方は結ぶようにし、短髪の方であっても清潔感のある髪型にしてください。
いないとは思いますが、派手なリボンをしたり、輪ゴムで髪を結んでいるのはやめましょう。
装飾品についても同じです。派手な装飾品を身につけないようにしましょう。
服装については、無難にスーツがよいでしょう。
「私服可能」「服装に縛りはありません」と書かれていることもありますが、相手に敬意を持ち、清潔感のある服装をします。
④初出勤時の注意点
再就職先が決まり、初出勤の日には、緊張されるかと思います。
前日に眠れないかもしれませんが、きちんと睡眠をとり、元気な笑顔で出勤できるようにしておきましょう。
服装についてですが、職場からの指示がない場合にはスーツでの出勤が好ましいです。
どんな服装でも構わないと言われることが多いですが、初出勤は、職員、家族、入所者・利用者様と初めてお会いすることもあるかもしれませんので、
見苦しくないように気をつける必要があります。
出勤したら、挨拶はもちろんですが、態度も見られていると考えてください。
「どんな人が来るんだろう」と、期待と不安の目で見られていると頭に入れ、行動します。
初日は、おそらくはオリエンテーションがあるかと思います。
その時に、可能であれば職員・入所者の名簿を確認しておきましょう。
早く名前を覚えることができ、早く馴染むことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
転職活動において大切なポイントをいくつか挙げましたが、一番のポイントは、「求人票や外観だけを信用するのではなく、実際に見学し、体験する」ということです。
初めての転職活動は、大変なこと、泣きたくなることも多いかと思います。
一人で抱え込まず、相談窓口などを利用して、自分に合った職場を見つけましょう。
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