看護師経験があっても、看護師をしていない期間の長い既卒の看護師が転職してきたとき、プリセプターとしてどう対応しますか?ブランクのある既卒看護師との関わり方のポイントをご紹介します。
看護師を続けているとプリセプターとしての仕事を任せられることも少なくありません。それは必ずしもまるっきりの新人ではなく、既卒の看護師の場合もあります。
自分も新人時代はプリセプターが付いていたとはいえ、いざ自分が教えるとなるとどう教えていいか不安になるものです。そこで今回は、プリセプターとしてブランクのある既卒看護師に関わるときのポイントをご紹介します。
①教えるのではなく、自分も勉強する姿勢を
どうしてもプリセプターは指導者という立場になってしまい、教えるという気持ちが強くなることがあります。しかし、教えるという気持ちが強くなると、うまく教えられない自分にプレッシャーがかかってしまい、あまりいいことはありません。
プリセプターを経験するのはたいていが10年目以下の看護師です。まだまだベテランとは言い難い年齢です。そのため、教えるのではなく、自分も一緒に勉強・復習をする、サポートする、といった心構えで望むようにするのがおすすめです。
まだまだ自分も学ぶことが多いプリセプターにとっては、今まで勉強したことを復習したり、新しいことを学ぶための絶好の機会なのです。経験を重ねるとなかなか聞きにくい基礎的なことも、指導を名目に「これってこうであってますよね?」というように聞くこともできます。
②信頼関係を築く
プリセプターとブランクのある既卒看護師の関わりには、信頼関係を築くということも大切です。最初から嫌そうな態度や冷たい態度、笑顔がないといった印象では萎縮してしまいます。いくら看護師経験があっても長い期間ブランクあるのであれば新人と変わりません。まずは笑顔で迎え入れてあげてください。
人間どうしなのでお互いに合う、合わないはあります。もちろんそれは仕方のないことです。しかし、お給料をもらって社会人として仕事をしている以上は、最後まで責任を持つ必要があります。「この子嫌いだから教えたくない。」では、社会人として成り立ちません。
プリセプターから既卒看護師に歩み寄り、信頼関係を築きあげることも大切です。信頼関係を築くことで、自然と既卒看護師が意見や質問をしやすい環境を作ってあげることもできます。
③できなかったことだけでなく、できたことにしっかりとフォーカスする
既卒の看護師といえど、長年のブランクがあれば忘れていることも多く、経験年数によっては新人と同様の状態の場合も多いです。プリセプターとして既卒看護師に早く成長して一人前になってほしいという思いから、できなかったことばかりに目がいってしまうこともあります。しかし、できなかったことばかりを毎日言われてしまうと、誰でも嫌になってしまうものです。モチベーションが下がり勉強する意欲もなくなってしまいます。
もちろんできなかったことに対してフィードバックをすることは大切です。ですが、頭ごなしに「なんでこれができないの?」「この間もやったよね?」という風に言われてしまっては、素直に聞き入れるよりも先に腹が立ってしまったり反抗したくなる気持ちが強くなってしまうかもしれません。
「なになにの処置はできてたよ。でもなになにの介助はもう少し復習してみたほうがいいかも。」というように、できたこととできなかったことをセットにして話してみるようにしてみてください。
ブランクの長い既卒看護師にとっても「これはよかったって褒められたし頑張ろう。」という気持ちにつながるはずです。褒め方、指導の仕方ひとつで変えられることはたくさんあります。
また、できていなかったことは当日や翌日など時間を見つけて一緒に復習してあげるようにしてください。「家で復習してきて。勉強してきて。」と言っても、転職したばかりでは仕事をするだけで精一杯です。なかなか家に帰ってまで、今日の復習や明日の仕事の予習や勉強はできないものです。
勉強して向上心を持ってほしいと思うかもしれませんが、一生懸命頑張っていることを理解してあげてください。
④毎日のフィードバックと声かけをする
プリセプターと転職してきたばかりの既卒看護師は、最初の数日から数週間は同じ勤務形態になるようにシフトが配慮されることが多いです。しかし、プリセプターは夜勤にも入らなければいけないので、勤務がずれる場合もあります。
そのため、日勤で一緒になったときには自分がいないときにどんなことをしたのか、どんなことを覚えたのかなど、一緒にフィードバックしてあげることが大切です。そうすることでできたこと、できなかったことの振り返りにもなります。チャンスがあればまだ経験していない処置や検査の介助なども経験することができます。
正直、プリセプターにとっては通常業務に加えてのこの作業は大変と思うこともあるかもしれません。しかし、こういったことからお互いの信頼関係が生まれる場合もありますし、プリセプターに頼ってくれるようになります。大変ですが、必ず結果は伴ってきます。
そのほかにも、たとえば自分が夜勤で仕事に行ったときに、日勤を頑張っている既卒看護師を見かけたら「大丈夫?」「今日はどんな感じ?」と声をかけてあげるようにしてください。ほんの少しの声かけとコミュニケーションが既卒看護師にはとても重要になってきます。
⑤すべてを自分で抱え込まない
プリセプターとしての役割を果たそうとする意思を強く持ちすぎると、すべてを自分で抱え込んでしまいどんどん精神的につらくなってしまいます。プリセプターは確かに既卒看護師に寄り添って面倒を見てあげる必要がありますが、すべてのことを抱え込む必要はありません。
必ずプリセプターを補佐してくれる先輩看護師やチームリーダーが存在するはずです。経験豊富な先輩看護師やチームリーダーに相談しつつ、チーム全体、病棟全体で新人看護師を一人前に育てていくことが大切なのです。
そのため、無理なときには抱え込まず、自分がすぐに相談することができるようにしておくことも必要です。
⑥看護師の成長には個人差があることを理解する
人手の足りていない総合病院になると、3月末で退職した看護師の補充を新人看護師や転職してきた既卒看護師で担う場合も少なくないという現状があります。そういった現状の職場では、4月の入職に各病棟4人~6人程度の新人看護師や既卒看護師が配属される場合もあります。
そこで問題になってくるのが、新人看護師と既卒看護師の成長度具合です。同じ新人の状態からスタートしても、チームやその日に診る患者によって経験できる技術や、覚えられる知識なども変わってきます。そのため、1ヶ月~数ヶ月してくるとどうしても看護師の成長度具合には開きが出てくるものです。
また、向上心のある子、マイペースな子など、人の性格はそれぞれです。1回で覚えられる子もいれば、何度教えてもなかなか覚えられずうまくできないという子もいます。
そんなときに、自分がプリセプターをしている看護師とほかの新人・既卒看護師を比べないようにすることが大切です。早く一人前にして即戦力にしなければ、という焦る思いを抱くかもしれません。人手が足りない職場と疲弊したスタッフを見ると余計にそういった思いが大きくなることもあります。
もちろん、成長が早いに越したことはありませんし、ときには振り返りそれぞれの新人・既卒看護師の成長具合を把握する必要はあります。
しかし、全員が同じように成長するというのはほぼ不可能です。焦りすぎたばかりに、せっかく築き上げた信頼関係が崩れたり、既卒看護師の成長が止まってしまう、ということも起こりかねません。個人差があることをしっかりと理解したうえで、既卒看護師が成長できるようにフォローアップしてあげてください。
まとめ
プリセプターとしてのブランクがあり転職してきたばかりの看護師との関わり方のポイントについて紹介させていただきました。なかなか思うように進まず、イライラしてしまったり焦ったりすることもあるかもしれません。しかし自分も成長できるよい機会だと思って、ぜひこの記事を参考に既卒看護師と関わってみるようにしてください。
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