社会人から訪問看護師になるために何をしておいたらよいか

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#1339 2021/01/29UP
社会人から訪問看護師になるために何をしておいたらよいか
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私は30代前半はふつうに医療事務をしており、あることがきっかけで訪問看護師を目指すようになりました。そのきっかけとなった出来事と実際になるまでにしたことや大変だったことをご紹介したいと思います。

私は20代の半ばから精神科のクリニックで医療事務として約10年間勤めていました。働く中で様々な出会いがありました。うつ病で仕事に行けず毎日薬を取りにきたり、カウンセリングを受けに来る人。長い期間統合失調症を患い50歳代でありながらも社会復帰できずにいる人などいろんな人がいました。ただ皆さん共通していえるのは、精神疾患をもつことで社会との繋がりがもてずに苦しんでいるということでした。入院するほど重度ではないが、社会復帰ができない方は本当に沢山いて、統合失調症やうつ病は病状にムラがあるためふつうの排泄行為や更衣動作、入浴などふつうの人が当たり前にできることもできなくなることがあります。一番大事なのは服薬を続けることなのですが、在宅で内服治療を続ける方の中には途中で自己判断で薬をやめてしまい病状を悪化させてしまう方も少なくありません。そういう方々を見てきて、私は訪問看護師となり精神疾患で社会生活がままならない人達の手助けになりたいと思ったのです。  

訪問看護師になるためにはまず看護学校に入学して看護師免許をとらなければいけません。そこで私が最初にとった方法は情報収集です。知り合いの看護師に聞いたり、学校や予備校などどのようにすればなれるのかを模索しました。その中で同じ市内に午後からの授業だけで2年間通えば准看護師試験受験資格がえられるという学校をみつけました。その学校は中学卒業程度の学力の試験で入れるのですが、ブランクは約15年です。勉強の仕方もわからず、試験までの時間も半年をきっていたので、効率的に勉強したいと思い予備校に通うことにしました。そこでは私と同じように社会経験を積んでからの希望者も多くいたため、同じような境遇で切磋琢磨することができ無事看護学校に入学することができました。面接では訪問看護師になりたくて受験した意を素直に伝えることで、面接感のよい反応を得ることができたので、それが合格に繋がったのかなと思います。 

学校に入ってからは、10年間勤めていた精神科の病院を一旦退社し、他の総合病院で看護助手として働くことになりました。訪問看護師といっても免許をとってからすぐになれるわけではなく、多くの事業所では3~5年の経験者を募集することが多いと聞きました。たしかに病院で先生や先輩看護師と一緒に仕事するのとはまた違い、一人で患者様の家に行って看護しなければいけない訪問看護師は、ある程度の知識と経験がないと患者様を見ることはできません。私が希望しているのは精神科の訪問看護のため直接結びつくかどうかはわかりませんが、せっかく看護師を目指すので、様々な経験を積もうと思い総合病院で看護助手として働くことにしたのです。 

学校ではベッドメイクや血圧測定にはじまり全身清拭や陰部洗浄などざまざまな技術を学びます。ベッドメイクなど、それ看護師のしごと?と最初は思いましたが、環境を整えることも看護の一環と学び、大事なことの一つであると実感し練習しました。訪問看護で患者様の自宅に行き、便や尿でシーツが汚れていては、よい療養環境とは言えません。そのためシーツ交換一つも馬鹿にすることはできず、しわのないシーツの敷き方を学ぶ必要があるのです。 

学科の授業では、人体の仕組みに始まり、循環器や整形など科ごとの科目に進みます。その他にも栄養のことや倫理など、医療的な知識だけではなく、人間性も学び適切な人間とならなければ看護師にはなれないのだと感じました。どの科目も無駄にはできません。なぜなら、心不全を知るには血液の流れや走行を知らなければいけません。血液の流れを理解するには血管の名前を知らなければいけません。骨折をしるには骨の場所や名前を知らなければいけません。骨のでき方をしるには、ホルモンや栄養を知らなければいけないなど、すべては繋がっているからです。医療は本当に難解で理解しがたいことが沢山あります。参考書を開いたとしても理解できないことも多くあり、同級生や先生に聞きながら一つ一つ少しずつ理解を進めて行きました。 

 そうして2年後、准看護師試験を受けることができ、合格に結び付けることができました。私はそのまま看護助手として勤務していた病院で准看護師として働きながら正看護師を目指すことにしました。それは2年間准看護師の資格試験の勉強をしていて、看護の奥深さを知ったことと、知識のないまま患者様と接することの怖さを痛感したからです。実習では様々な患者様と向き合いましたが、最初は全然知識もないまま接し、少しずつ勉強を進め患者様のことを理解して適切な看護を考えていきました。しかし実際に働くにはそれでは遅いのです。患者様がなんの病気でどのような作用機序があり、何に苦しめられて、何を必要としているのかを、すぐに導きだして実践しなければいけません。訪問看護ならなおさらです。ご自宅を訪問してその日の状態に合わせて、適切な看護をしていかなければなりません。そのため知識をより深めるために、准看護師でとどまらずに正看護師を目指すことにしたのです。そして勤めていた病院は総合病院でしたので、様々な科の経験もできるということでそのまま就職して経験を積むことにしたのです。 

実際に働きながら学校に行くのは本当に大変でした。しかし、実際に患者様を看護師として看ながら学校に行くというのは、学んだことをすぐに実践できる環境でもあったので、学びを深めるにはちょうど良い環境でもあったのです。 
 
3年目には約半年にも及ぶ看護実習があり、職場は休職させて頂き実習に専念することができました。こうして2月には国家試験である正看護師試験を迎え無事合格することができました。 
そして4月からは正看護師として働くことになったのですが、実習での経験から経験しておきたい科ができ、職場で移動願いを出し在宅へ帰る前にリハビリを主にしていく科である地域包括病棟に配属してもらったのです。 
 
地域包括病棟では、急性期を経て在宅へ復帰される方が入院する病棟ですが、リハビリに専念する中で、家へ帰るのに必要なことをリハビリスタッフやソーシャルワーカー、家族と相談しながら決めていく期間であり、つまり訪問看護が介入する一歩手前の時期なのです。 
その時期の看護を知ることで、訪問看護師としての役割を深めていきたいと考えたのです。 
 
看護師の行うことは、主に病棟での生活のお世話や病態管理になりますが、リハビリスタッフやソーシャルワーカーとちがい24時間接するのは、看護師なのです。普段の様子や会話から家に帰ってから必要なことを他のコメディカルに報告して相談していくのは大切な役割であると痛感しました。 他にも内服の練習なども看護師の仕事です。家でどのようにしたら間違えずに続けて飲んでいけるのか、それに必要なことは何なのか、家族の支援か、いなければ、訪問看護を入れて服薬管理してもらうべきかなどなど、考えなければいけないことは沢山あるのです。 

地域包括病棟を3年経験したのち、私は同じ系列の訪問看護ステーションへと配属になったのです。最初は精神科の患者様の支えとなりたいと思い入学した看護学校ですが、様々な経験をしていく上で、それにとどまらない訪問看護師として活躍していくことを選んだのです。訪問看護師になる方法として大切なのは選り好みせずに様々経験を積むことだと思います。在宅の患者様はいろんな社会背景の方や、基礎疾患を持っている方もいます。家族への対応もざまざまです。病気だけで看る看護師ではなく。その人自身をみていけるように、学校や病院で人間性も磨いていくことが大切であると感じました。

まとめ

いかがでしたが?看護師といっても病棟勤務、外来やクリニック、そして訪問看護など様々な職種がありますが、その患者様の人生に一番介入し看護していけるのは訪問看護師だと思います。その分責任も重たいし、様々な判断も求められます。しかしやりがいのある分野ですので、看護師になったのなら一度は経験しておくのもいいと思います。

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