アセスメントとは、看護過程を行っていく中で重要なプロセスです。対象者から見た主観的情報と医療者側から見た客観的情報を 解釈して、統合しながら患者を取り巻く看護上の問題点を分析していきます。記録としては「SOAP」で書く施設も多いと思います。 今回は意識障害で患者さんからの話しを聞くことが困難な状況でのアセスメントのポイントを紹介したいと思います。
大学病院とは
まず一言で大学病院と言っても国立大学・公立大学・私立大学といくつかの種類があります。国立大学は国が管理・公立大学は都道府県や自治体が管理・私立大学は個人が管理して運営しています。
大学病院には教育・臨床・研究の3つの役割・特徴があります。
参考URL:
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/009/toushin/970701.htm#02
教育体制がしっかりしており、また研究機関であることから、一般病院と比べて困難なケースの患者さんも受け入れています。
そのため、専門的で高度な医療・看護を学ぶことができます。
大学病院の看護師になる方法
大学病院の看護師になるには、大学病院に付属している看護学校に入学する方法と中途入職の2つの方法があります。
私は民間病院が付属する看護学校に入学した後、その系列の病院で勤務していました。
その後スキルアップ目的のために大学病院へ転職し働いていた経験があります。
自身の経験を踏まえた上で、大学病院の看護師になる方法や実際に働いて感じたメリット・デメリットを紹介します。
方法/付属の看護学校に通う
専門的で高度な大学病院で働くには、大学病院が付属している看護学校に通う方法があります。
看護学校の教育期間は大学(4年制)・短期大学(3年制)・専門学校(3年制)のコースがあります。
大学病院の看護師として働きたいという明確な目標が決まっている場合は、付属の看護学校に通うことをオススメします。
就職希望する大学病院で実習することができるため、就職後のイメージもしやすく、看護学生の時から働きやすい環境を作ることができます。
方法②中途入職も可能
看護学校卒業後に病院で働きたい方は多いと思いますが、高校卒業後に「大学病院の看護師として働きたい」という具体的な目標を持って看護学校に入学する方は少ないでしょう。
一般病院の看護師として働くなかで、「スキルアップしたい」「専門的知識を学びたい」「高度な医療のもとで看護ケアをしたい」などの向上心により転職先を大学病院に選ぶ方も多いのではないでしょうか。
私も高校卒業後、看護師になって病院で働きたいという目標はありましたが、大学病院の看護師になりたいという明確な目標はありませんでした。
そのため、私立病院が付属する看護学校に入学し、卒業後も同じ病院で勤務していました。
しかし、働く中で、「専門的知識を身につけたい」という思いが強くなり大学病院へ転職しました。
私が転職した先の大学病院は、大学卒という規定はなかったため専門学校卒業でも就職することができました。
大学病院で働くメリット
一般病院と大学病院の両方を経験した看護師として、実際に感じた大学病院で働くメリット・デメリットを紹介します。
①専門的知識を学ぶことできる
冒頭でも言いましたが、大学病院には教育・臨床・研究の3つの役割があるため、スキルアップやキャリアアップを望む方にとっては、やりがいを持って働くことができます。
教育体制がしっかりしているため、勉強会や看護研究、委員会活動にも力を入れている印象があります。
また、認定看護師や専門看護師も多く配属されているため、業務や看護ケアで分からない事がある際には相談や依頼をすることができます。
そして、専門的知識や情報を共有することができるため、自分自身の成長にも繋がってきます。
スキルアップを目指す方にとっては教育環境が整っているため、より志高く働くことができるでしょう。
②福利厚生が整っている
病院により違いはあると思いますが、福利厚生がしっかりしている環境で働くことができます。
私が最初に働いた一般病院は、残業が多く定時に帰れることはありませんでした。
また、休み希望は出せても、有給休暇の希望を出すことはありませんでした。
しかし大学病院では、有給休暇の希望を出すことができました。
また、就業時間については日勤・夜勤の勤務時間に対して、徹底した管理体制であったため残業も少なかったです。
また、残業する際は、残業理由や残業開始・終了時間を記入して提出する必要があったため、
残業の必要性の有無や働き方を考えさせられる事が多かったです。
また、生涯学習という大学病院では常に学ぶ姿勢が問われますが、福利厚生の管理がしっかりしているため、自分の体調管理に気を遣いながら働くことができました。
③転職時に活かせる
大学病院で看護師として働いた経験は、転職する際に大きなポイントになります。
大学病院の役割として研究があるため、一般病院では対応できない難しい疾患や状態の患者さんの受け入れも行っています。
そのため、提供する看護ケアにも高度な技術や専門的な知識が必要になります。
そこで学んだ知識や技術は一般病院・クリニック・施設などへ転職する際にも大きな力となってくれます。
私も転職先の介護施設や小規模病院で勤務していた時は、大学病院での経験を活かすことができました。
大学病院というコミュニティの大きい場所から、介護施設や小規模病院などのコミュニティの小さい職場へ転職となっても、やはり違う環境で働くことへの不安や戸惑いはあります。
しかし、大学病院での経験があるため、周囲のスタッフが悩んでいる時も看護ケアに対するアドバイスや相談にのることもできます。
大学病院で働くデメリット
①勉強会が多い
教育や研究に力を入れている機関だからこそ勉強会は多いです。
新人研修・中途入職者向けの研修・病棟内での勉強会・医療従事者全体への勉強会・看護研究・院内外での看護研究発表・委員会活動など様々な教育や研修があります。
スキルアップやキャリアアップを目指す方には充実した教育体制です。
しかし、生涯学習が必要となるため、プライベートの時間が少なくなりストレスを感じてしまう方もいるでしょう。
②知識の偏り
大学病院では専門性の高い技術や知識を学ぶことができますが、一方で知識の偏りというデメリットも生じてしまいます。
大学病院の特徴は、専門領域が細分化されていることです。
細分化されているからこそ、メリットでは専門的領域を突き詰めることができます。
しかし、デメリットとしては、自分の専門領域以外の看護は分からなくなってしまうことです。
私が実際に感じたのは介護施設で勤務していた時です。
急変やイレギュラーな対応、専門領域の疾患を抱えている入居者の対応は大学病院での経験を活かすことができました。
しかし、介護施設の場合ご高齢な方が多いため、一つの疾患だけでなく、様々な内科的疾患、専門領域以外の疾患を抱えている方が多いです。
そのため、全体を捉えたアセスメントをするのに苦労しました。
③看護師の手技の偏り
同じ看護師でも一般病院と大学病院で看護師の行なう手技が異なるため、大学病院と一般病院を転職した際にギャップを感じるでしょう。
私が実際に経験したギャップについて紹介します。
一般病院では採血・点滴のルートの確保・胃管カテーテルの挿入は看護師が実施します。
しかし、大学病院では採血や点滴のルートの確保は主に研修医や医師が行います。
新しく再度点滴ルートを確保する必要があった際にも、日勤帯や夜勤帯関係なく研修医や医師にお願いする必要があります。
大学病院では一般病院で学べない知識を学ぶことができます。
一方で、一般病院だからこそオールマイティに看護の知識や技術を学ぶことができます。
まとめ
・大学病院の看護師になるには、大学病院に付属している看護学校に入学する方法と中途入職の2つの方法があります。
・「大学病院の看護師として働きたい」という明確な目標が決まっている場合は、付属の看護学校に通うことをオススメします。
・一般病院などの勤務経験でも、中途入職という方法で大学病院の看護師として働くことはできます。
・大学病院で働くメリットは
①専門的知識を学ぶことできる
②福利厚生が整っている
③転職時に活かせる
・デメリットは
①勉強会が多い
②知識の偏り
③看護師の手技の偏り
・私が一般病院と大学病院を経験した中で感じたことを紹介させて頂きました。
・これから大学病院への就職・転職を考えている方の参考にしていただければ幸いです。
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