訪問看護師であるなしにかかわらず、SNSを利用している人は少なくないでしょう。SNSを利用している場合は、仕事においてメリットやデメリットが生じることもあります。その実際の事例を紹介しながら考えてみましょう。
最近ではSNSを利用している人も多いですね。もちろん看護師の中にも利用している人は多いでしょう。しかし、訪問看護師になって思うことは、SNSの利用の仕方に気を付けたほうが良いということなのです。その理由を紹介します。
・訪問看護師が訪問する家は、高齢者が多い。SNSと関係があるの?
訪問看護師が訪問する家は、高齢者宅が多いです。それは介護保険を利用している人が多いから。しかし実際は高齢者ばかりではありません。訪問看護というのは、介護保険や医療保険を使ってサービスを受けることが出来ます。そのため、医療保険を使ってサービスを利用する人は、実は30代、40代の利用者もいるのです。
30代、40代の利用者ならSNSを利用するのは納得ですね。
・無視できない利用者の家族
訪問看護師は利用者にサービスを提供するために訪問し、さまざまなケアを行いますが、訪問した際にかかわるのは利用者だけではありません。
生活の場に私たちは踏み込んでいくのです。当然そこには利用者とその介護者、つまり家族の存在があります。私たちは毎日訪問の方であれば、1日のうちのたった1時間、週に1回の訪問であれば、1週間に1時間だけというかかわりになります。その他の時間、利用者を見守っているのは家族なのです。
その家族を無視して、私たちは生活の場に入り込んでケアを提供することはできません。つまり、私たち訪問看護師は、家族とも強いかかわりがあるということなのです。
利用者自体は高齢者であったとしても、その介護者である家族は50代、60代といった少し若い世代になります。そうなればSNSを利用していてもおかしくはないですね。
・SNSを利用しているとこんなことがおこる
通常の病棟看護師は名刺を持って歩くことはありません。しかし訪問看護師は名刺を持っていることが少なくありません。初めて訪問するお宅に行ったときに必ず名刺を渡します。もしも遠方に住む家族が、利用者宅を訪問していた時にも渡すことが多いです。そこに訪問看護師の名前が書いてありますね。
SNSでは、名前を入力して検索をすることが出来ます。もしも訪問看護師である自分がSNSを利用していれば、自分のページをチェックされるということは十分に予測できます。
SNSの利用の方法は人それぞれですね。例えば友達と連絡を取るためのメッセージ機能を利用したいがために自分のアカウントを作ったという人もいるでしょう。また自分の近況を自分の親に見せたいからアカウントを作って、写真をたくさん投稿しているという人もいます。
誰に見せるか、閲覧制限を設定している場合はいいのですが、誰にも見ることが出来るページを持っている場合は要注意です。
もしも利用者や家族が、名刺の名前を見て訪問看護師のページを探したら?この訪問看護師は、こんなことをしているのか、こんな家族がいるのかという私生活がわかってしまいます。ただそれがわかっても、何も言わない利用者が家族なら問題ないでしょう。
しかしこんな事例がありました。
訪問看護師のアカウントを見つけて友達申請をしてきた利用者。訪問看護師は、それを承認していいかどうか迷っていました。そして保留のまま、月日が流れてしまったのですね。そしてある時、利用者がポツリといったのです。友達申請したんだけどと。
そうでした?と切り返しましたが、それがしこりとなって、少しかかわりが前よりもぎくしゃくしていることが続いたというでした。
訪問看護師は、利用者とは仕事上の関係です。そのため友達申請をすることにためらってしまったのです。プライベートと仕事の間で、しっかりと線引きが必要です。それを混合すると仕事に支障が出る可能性もあります。そのために、友達申請を承認することを迷ったのです。
しかし承認しなければしないで問題も起こってしまったのです。SNSは誰でも見ることが出来ます。閲覧するのも投稿するのも自由。だからこそ、そこに怖さがあるのです。
・SNSでお願いごとをしてくる家族
訪問看護師の中にもいろいろな個性を持つ看護師がいます。利用者や家族に接するときにも常に敬語を使用し、節度を持った対応をする真面目な看護師もいれば、慣れてくると方言などを織り交ぜて楽しく会話するようなかなりフレンドリーな看護師もいます。この二つのタイプの訪問看護師の利用者と患者との距離感はかなり差があるのです。
あるフレンドリーな看護師は、利用者宅を訪問した際、家族と世間話をする機会がありました。その際にバイク趣味が共通し、かなり話が盛り上がったといいます。そしてバイクの部品に関するお店の情報を知るために、自分のアカウントを教えてしまったのです。
共通したバイクの話で盛り上がるのは全く問題ありませんでした。しかし慣れてくると、利用者家族は無理なお願いをしてくるようになりました。それは、看護師とコンパがしたいから主催してというお願いでした。若い家族だったので、切なる願いだったのかもしれませんね。
本当はメッセージを無視しておきたいくらいでしたが、しつこいのでなかなか無視し続けるわけにはいきません。かといって利用者家族ですし、訪問の際には顔を合わせるのですから、失礼なこともできません。メールでは忙しいから、メンバーがいないからと断り続けましたが、納得してもらうまでに時間がかかりました。
その時には、本当にスマホを開くのが本当に怖かったという話でした。
・訪問看護師はチェックされている?
訪問看護師だけがチェックされているわけではありません。私たちだって、チェックすることは可能なので、お互い様だという意識は持っておきましょう。しかし利用者も家族も興味は持っているのです。訪問してくれる看護師さんはどんな人だろう?優しくしてくれるといいな、ベテランだといいな、このあたりに住んでいる人なのかな?と知りたいがためにSNSでチェックするのです。ケアの間にはそんなゆっくり話をする時間もないですから。本当は訪問看護師に直接聞きたいとしても。
そのため私たち看護師は、誰かにチェックされているかもしれないという意識をもってSNSを利用する必要があります。
接客をするサービス業というのは、多くの方に接する機会が多いです。また名札や名刺を持っており、相手に自分のことを紹介する機会も多いのです。仕事上のかかわりだとそれだけで終わればいいのですが、そうではないことも多く、ちょっとでも興味を抱かれたら、不用意に検索されることも。そこから生み出されるものは、仕事上のメリットではなく、デメリットのほうが多くなります。
・訪問看護師とSNSの利用の方法
プライベートの充実のためにSNSを利用する人は多いと思いますが、見られるということを常に意識して投稿はするようにしたいですね。
また閲覧制限を上手に利用して、あまり親しくない人にはプライベートな写真や投稿は見ることが出来ないようにしておきましょう。始めは見れたのに、途中から見れなくなったというのは、相手に対して失礼になります。そのため、利用し始める時によく考慮して制限を決めておきましょう。
訪問看護師としてやりがいをもって仕事をするために、プライベートな情報を利用者や家族に知らせる必要はありません。ただ不特定多数の人が見ることが出来るSNSなので、アカウントを探さないでください、見ないでくださいというわけにはいきません。
利用するためには、仕事上問題とならないような利用の方法を考えることが大切です。そしてプライベートではしっかり使用できるように対策をとっておきましょう。
まとめ
上述の通り、看護アセスメントの流れや捉え方は看護師によって異なります。患者との接し方や情報収集などのコツを紹介しましたが、それに加えて自分なりの方法を考えることも忘れてはなりません。その上で、経験豊富な先輩などにアセスメントを確認してもらい客観的な意見を求めることで、良質なアセスメントにしていくことができます。
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