看護の評価や分析をするのが看護アセスメントで、その流れは看護師によって違いがあります。コツは情報収集や何事も見逃さないこと、カルテを上手に活用するなどで新人看護師や看護アセスメントに自信のない人は、おすすめの看護アセスメントの書籍に目を通すと良いでしょう。
■看護アセスメントとは
アセスメントとは簡単に言えば評価や分析を意味します。看護アセスメントとはまさに、自身の看護の状況を分析してそれを評価し今後より一層優れた看護につなげていくためのものです。アセスメントをしっかり行うことで看護計画を立てて、自身が看護を行う上でどのような問題を抱えているのかなどをハッキリさせることも目的の一つです。
看護師自身にプラスになるのはもちろんのこと、患者もより効果的な看護を受けられるようになるので看護師にとって欠かせない要素でもあるのです。
■私が行っている看護アセスメントの一通りの流れ
看護アセスメントの流れは、人によって違います。私の場合は、まず患者が現在どういった状況なのかを聞き取りなどをして把握することから始めています。患者と言っても様々な人がおり、中には無口であまり話をしてくれない人もいますが粘り強く接することで心を開いてもらうようにしています。また、患者が一方的に思い込んでいることを押し付けられることもありますが、それを無視するのではなく私自身の考えと上手く融合させるよう注意しています。現状を把握した後にやることは、何らかの症状が出ている患者がなぜその症状に悩まされているのか、などを特定ことです。原因を捉えるのはそう簡単ではありませんが、これが分かれば対処につなげられるので私はこのステップに時間をかけるようにしています。原因が分かれば、次にやることは今後その患者にどういったことが起こり得るのかを考えることです。これはどうしても主観的になることがあるため、一人だけで考えるのではなく先輩や同僚に相談することも少なくありません。実際、相談をすることで様々な予測を立てることができ自分なりの対策ができたこともあります。
■看護アセスメントのコツ
上記のような流れで看護アセスメントを行っていますが、色々な経験を積んでいく中で私なりに感じたコツがあります。そのコツは、以下の通りです。
・細かいことでも見逃さない
・情報を時間をかけて収集する
・カルテから重要な情報を書き出す
・一人だけで対応しない
まずは、細かいことでも見逃さないことから見ていきましょう。看護アセスメントでは、患者との接し方が非常に大切です。これを怠ったりいい加減にやってしまうと、アセスメントができないだけでなく、患者との信頼関係も築けないので看護師にとっての軸となる行動ではないのでしょうか。私の場合、患者の表情などの様子はもちろんのこと、声の大きさやトーンまで気をつけるようにしています。なぜこれらに気をつけるようになったのかというと、看護師として働き始めた頃に患者の表情だけに注意していたら、先輩から「ただ患者を見るだけではなく、話し方や声の大きさにも注意するように」と指導されたからです。確かに、日によって大きさやトーンが異なるのでより良い看護をするためアセスメントにつなげることができます。それから派生させていって、例えば普段は整理整頓できたいた患者は急に身の回りを気にしなくなった、などにも気をつけるようになりました。
・次に、情報収集についてです。情報収集ではどうしても患者が普段と違うところばかりに注目してしまいがちなのですが、私がある程度の経験を積んで実感したのは普段と違うところだけでなく、普段そのものをしっかり把握することも大切だ、ということです。そもそも普段を分かっていないとどういう時が異常なのかも分かりませんし、見逃すと最悪の事態に陥る危険性もあります。そうならないためにも、普段と異常を同じくらい大切にして患者の情報を収集する必要があるのです。ある患者を担当した時に、できるだけ早く普段と異常を把握することも大切です。両者の把握に時間をかけるのも悪くないかもしれませんが、何らかの症状が出てからでは取り返しのつかないこともあるでしょう。できるだけ早期にかつ時間をかけて情報収集する、というのが看護アセスメントのコツの一つです。
・次に、カルテを用いたコツを見ています。カルテは看護師にとってとても大切な資料だと言えますが、中にはダラダラと書き込んでいて結局パッと見ただけでは良く分からないというものも少なくありません。ポイントに分けて情報をまとめれば、大切なことに重点を置いて患者やその家族から短い時間の中で話を聞くこともできます。カルテだけで患者の状況を把握するのも悪くはないでしょうが、結局何を言いたいのか、を簡潔にまとめることも良質な看護アセスメントをする上で重要なことです。
・最後の、一人だけで対応しないとはどういうことなのでしょうか。私が実際に経験してとても重要だと思ったことの一つに、先輩や同僚に確認してもらうということがあります。アセスメントを見てもらい客観的なアドバイスをしてもらうことや、先輩がこれまで行ってきたアセスメントを教えてもらうことなどです。看護アセスメントを続けていく中で、どうしても自分なりのやり方が確立されてきます。それで上手くいっていれば問題ないのですが、そうすると自分だけの考えしか反映されなくなってしまうのです。それが結果的に患者にとって悪いことへと発展し、自分のアセスメントだけが評価される事態も想定されます。実際、私は自分だけのアセスメントを確立し特に難しく考えずにやっていたことがありました。しかし、一度後輩からアセスメントを見て欲しいと言われて目を通したところ自分に足りないものがたくさん詰まっていると感じたのです。それから、私も他の人に客観的に見てもらい様々な意見をもらうようにしました。一度作り上げたものを崩すのに、乗り気な人はいないかもしれませんが自分だけでなく患者も絡むことなので、面倒だなどと思わずに確認してもらうことも重要なのです。
■看護アセスメントを勉強するための書籍
看護アセスメントは特に新人看護師にとっては中々慣れないものです。しかし、患者の症状の進行は待ってくれません。そこで、新人に限らずアセスメントに不慣れな人やより一層優れたアセスメントをするために、参考になる書籍を紹介します。
・プチナース
・洞察力で見抜く急変予兆 ~磨け! アセスメントスキル~
「プチナース」というのは雑誌で、毎月発行されています。アセスメントだけのものではありませんが、実践法や事例などが詳細に特集される月もありますので、定期的に目を通すことをおすすめします。「洞察力で見抜く急変予兆 ~磨け! アセスメントスキル~」はまさに看護アセスメントのための書籍です。分かりやすくアセスメントのコツをまとめた書籍になっており、5W1Hを意識した内容にもなっています。そのため、自分と照らし合わせてみて改善すべき点を見つけることも可能です。詳細な内容にもかかわらず小さなサイズで、持ち運びも便利なので時間のある時に読むと役に立つかもしれません。
まとめ
上述の通り、看護アセスメントの流れや捉え方は看護師によって異なります。患者との接し方や情報収集などのコツを紹介しましたが、それに加えて自分なりの方法を考えることも忘れてはなりません。その上で、経験豊富な先輩などにアセスメントを確認してもらい客観的な意見を求めることで、良質なアセスメントにしていくことができます。
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