介護の仕事に転職したいと思ってるけど、未経験だしいきなり正社員で働くのは不安・・・そんな悩みを抱えている方に、正社員とパートの両方で働いたわたしの体験談をご紹介します。
まずは簡単に、わたしの経歴をご紹介します。
わたしは新卒で特別養護老人ホームに入職し、結婚を機に派遣で販売の仕事に転職。
コロナの影響で契約が終了した後、現在は再び介護のお仕事に就いています。新卒の時とは違い、現在は入浴介助専門の短時間パートで働いています。
介護の仕事を始めようと思っている学生さんや、未経験で介護の仕事への転職を考えている方。
介護の仕事はきついし、人間関係も大変だとよく聞くから、本当に続けられるのか不安・・・そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
実際にわたしも新卒で介護の仕事を選んで、業務量の多さや責任の重さにはじめは戸惑いました。
まずは多くの人が想像するようないわゆる3K(きつい、汚い、危険)を、どうやって乗り越えてきたのかをお話しします。
1、きつい
きつい、に関しては恐らく皆さんが想像されている通りだと思います。
肉体労働で体力的にももちろんきついし、厄介な利用者様や職員との人間関係など、精神面でのきつさ。こういったことが想像できると思います。
特に40代以降に介護業界への転職を考えている方は、体力面での不安も大きいのではないでしょうか。
結論からいうと、体力面の心配はいっさい不要です。
はじめはきついと感じるかもしれませんが、介護の仕事ではまず“介助者に負担の少ない体の使い方”から、しっかりと叩き込まれます。現場で働いているうちにだんだんと体が慣れてくるので、経験を積むほど体は楽になっていきます。
特に介護士がいちばん痛めやすい腰。腰を守る体の使い方はみっちり叩き込まれるので、覚えてくると自然と体も楽になりますよ。
人間関係に関しては、正直どんな職場でも合う人、合わない人はいます。
一度介護のお仕事から離れたからこそ分かりますが、介護業界だからこそ性格がきつい人が多い、ということはないと思います。むしろ同僚は皆、介護の楽しさはもちろん辛さも良く分かっているので、ある意味職員同士の連帯感が強い仕事だとは思います。
不安な方は、一度施設見学を申し込んでみたらいかがでしょうか。介護施設では比較的、見学を歓迎している施設が多いです。
もし可能であれば、気になる施設にアルバイトなどを申し込んでみてはいかがでしょうか。短時間でも実際に働いてみれば、施設や職員の雰囲気が伝わりやすいと思いますよ。
2 汚い
正直介護職で、汚い仕事はつきものです。ですが、実際働いてみたら案外すぐ慣れるものです。
生理的にどうしても無理・・・という方も稀にいらっしゃいます。そういった方は入社してすぐやめてしまうことも多いです。ですが、お仕事を続けられている方で“汚い”のが辛くて悩んでいる人は一人もいませんでした。
とはいっても普通の仕事ならまず、他人の排泄に関わることはないから不安が消えない方もいらっしゃいますよね。
介護の仕事に転職を考えてはみたものの、どうしてもトイレ介助はちょっと・・・という方も、あきらめるのはまだ早いです。
現在わたしが行っているような、入浴介助専門のパートという道もあります。
基本的にトイレ介助を行うことはありません。利用者様の着替えや移乗、入浴の介助が主な仕事です。一人で行うことも少なく、だいたいは二人か三人一組で介助を行うので、未経験で不安だという方も安心だと思います。
けっこう入浴介助専門パートの求人数は多いので、気になる方はぜひ一度調べてみてください。
3 危険
介護の仕事は、常に利用者様の命を預かる、責任のある仕事です。
例え足元がおぼつかなくなっている人でも、ふらふら歩きまわって転倒してしまうことも多々あります。介護の仕事では常に危機意識を持って業務にあたることが求められます。
利用者様の危険だけでなく、ときには職員にも危険が及ぶこともあります。
まず、研修などで学んだことを活かせずいい加減な介護を行い、自分の体を壊してしまうこと。これは普段の心がけでいくらでも気を付けられることではありますが、忙しいとついつい忘れがちになってしまうのですよね。
また、認知症の影響で攻撃的になってしまう利用者様もいらっしゃいます。
暴言だけならまだしも、たまに手や足が出ることなんかも・・・。体にあざや噛み跡をつくってしまう職員もいました。
こういう話を聞くとやっぱり介護の仕事は不安・・・と感じてしまう人もいるでしょうが、大丈夫です。
利用者様が攻撃的になるのは何かしらの理由があるのです。適切な介助や声がけを行えば、案外穏やかでいてくれることもあります。
それでも暴言や暴力が出てくるようなら、ほかの職員に応援を頼むというのも手です。手や足をおさえてもらったり、気をそらしていてもらう間に安全に介助を行うことができます。
利用者様の安全を守ることは大切ですが、何よりも大切なのは職員の安全です。
職員がけがをして働けなくなってしまうと、それだけ利用者様に手厚い介護をすることができなくなってしまいます。少ない人数で介護を行わなければならなくなると、利用者様を危険にさらしてしまう確率もぐっと上がります。
困ったときはほかの職員の手も借りながら、まずは自分の体をしっかり守りましょう。
介護は本来、決して危険な仕事ではないのです。
ここまででいわゆる3Kの具体的な実情と解決法についてお話しました。働くイメージをつかめてきましたか?また、少しでも不安の解消をお手伝いできたでしょうか?
最後に正社員とパート、両方の働き方で介護の仕事に関わってきたわたしから、メリット・デメリットについてまとめたいと思います。
正社員(介護業務全般)
メリット
・利用者様の生活に24時間関わることができるので、やりがいがある。
・(夜勤がある場合)夜勤手当がつく。
・給与面や社会保障など、やはり正社員のため安心できる。
・シフト制のため、長い連勤が基本的にない(たいてい2,3連勤で休みに入れる)
・常に忙しく動き回っているイメージだったが、意外と時間に余裕のある日もある。
・基本的に残業することはない。
・協力しないと成り立たない仕事なので、職員同士の関係が良好。
・求人がいくらでもあるうえ、未経験でも採用されやすい。
・ほとんどの施設で研修や資格取得が無料でできる。
デメリット
・夜勤で体のリズムが崩れる、体調を崩しやすい。
・仕事の大変さに給料が見合わないと感じる。
・年末年始なども誰かしらは働かなければいけない。
・帰り際に事故がおこると、突発的に残業が発生することも。
パート(入浴専門)
メリット
・時間に余裕がある。
・正社員に比べ責任が重くない。
・短時間パートだと、体力的にも余裕がある。
・正社員と同じく求人数が多いので、通勤範囲や給料などで職場を選びやすい。
・基本的に人手不足なので、パートから正社員登用も歓迎されやすい。
・正社員に比べ、残業することが少ない。
デメリット
・やりがいを感じにくい。
・技術が身に付きにくい。
・時給が低め。
正社員・パートどちらももちろんメリット、デメリットはあります。
どちらにも言えるメリットといえばやはり、介護の仕事は今後さらに需要が高まっていきます。まず失業の心配はないので、安定した仕事と言えるでしょう。
それでもやっぱり給料は安いし、安定とは言えないんじゃ・・・?と思う人もいると思います。安心してください。介護業界の処遇は、いま現在も常に見直されています。
処遇改善手当というのも給料に加えて支給されており、今後も増額の可能性はあります。
介護の仕事を始めるメリットは十分あると、私は考えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
介護の仕事の大変さや、雇用形態ごとのメリット・デメリットについてご紹介しました。
いきなり一生の仕事に介護を選ぶのはやはり不安・・・という方は、パートやアルバイトから始めるのもアリだと思います。
正社員への門戸が広い業界ですので、そのまま正社員登用を目指しても、経験を積んで自分の行きたい施設への転職を目指すのも全然アリです。
いろいろな働き方を柔軟に選べるのも、介護の仕事の魅力だと思います。
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