看護師とひと言で言っても、あらゆる現場があると思います。例えば、病棟やオペ場、訪問看護や、リハビリ、集中治療室、そしてERなどです。今回、ERについても実際の業務内容と実際の現場がどのようなものなのかご紹介できたらと思います。作成にあたるかたの力になれればと思い、自分の体験をもとにご紹介します。
では、救急外来についてご紹介します。内容は下記の通りです。
①救急看護師になるには
②一次救急から三次救急の患者の実例
③求められるスキルと知識
④ドクターヘリナースになるには
以上の4つのことについて説明します。
①救急看護師になるには
看護師になってから救急の現場で働くことを夢見る方もいらっしゃると思いますが、どうすれば救急看護師として勤務する方法は、看護師の資格さえあれば新人看護師でも勤務することができます。特殊な新たな資格や、研修など受講しなくても各病院などで希望を言い、その希望が通れば、新人からでも勤務できます。希望する場合、「救急の現場での経験を生かし、院内、院外でも活躍できるスキルと知識を学びたい」「そのために、心肺蘇生術や、ショック患者の対応などを学び、どんな現場でも落ち着いて対応し、指示できるスタッフになりたいです」などという具体的な希望内容を伝えるといいかと思います。また、救急看護師を何年か経験すると救急の分野での特殊な研修もあるので、そのような研修を受講し、知識をスキルを身につけて行きたいと先方に伝えるとなお良いと思います。例えば、心肺蘇生術ですと、BLSやICLSなどの研修があり、外傷患者の分野ですとJPTEC、JNTECがあり、災害医療ではMCLSなどといった専門分野の研修もありますので、具体的な自己啓発を行っていこうとする内容を先方にお伝えすると救急看護師として勤務できる確率があがります。
②一次救急から三次救急の患者の実例
まず、一次救急とは、初期救急ともいわれており、入院の必要がなく、帰宅可能な軽症患者に対応する救急のことです。おもに、休日夜間急患センターや、医院などが対応する救急のことで、歩いて病院や、診察を行うような症例のことをいいます。例えば、少し微熱がある患者や、転倒し、膝に擦過傷がある患者などのことを指します。
次に二次救急とは、多くは3つの条件が整っている病院を指します。
・手術対応ができ、入院治療を提供できる設備がある
・救急医療の知識とスキルがある医師が従事している
・入院するための専用病床が整備されていること
などの条件を満たしている病院です。
また、二次救急の指定を受けた病院はおもに病院群輪番制や共同利用型病院方式などの方法で他病院とも円滑に対応するのが特徴です。
病院群輪番制とは、二次救急の指定を受け、複数の病院が当番制で救急患者の受け入れや診療を行い、1つの病院に患者が密集しないようにする方法のことです。
もうひとつの共同利用型病院方式とは、拠点病院や施設の一部を改築し、そこに地域の医師が出向き診療をおこなう方式です。このことから地域医療の二次救急は、休日や夜間でも救急診療ができるように対策されています。
実際の患者を例にあげると、腹痛の主訴の患者ですと、虫垂炎で手術が必要であったり、胆石があり、内視鏡的治療が必要であったり何らかの処置が必要な患者のことを指します。
続いて三次救急とは、一次救急や二次救急では対応困難な重症、重篤な患者を対応する現場になります。その病院は救命救急センターや、高度救命救急センターが設備されており、24時間救急患者受け入れ体制をとっています。一刻も争う患者ですので、ドクターカーや、ドクターヘリなどの設備されている病院もあり、現場では、あらゆる声やあらゆる職種のスタッフがいます。運ばれてくる患者は、大量出血疑いや、ショックバイタル、気道閉塞、心肺停止などです。実際にドクターヘリで駆けつけた内容では、高速道路での玉突き事故で多数傷病者がいる現場であったり、胸部に鉄柱が刺さって片肺が潰れている傷病者など、一刻を争うものばかりです。
③求められるスキルと知識
上記のようなそれぞれの一次救急から三次救急において、求められるスキルと知識は違うかと思います。患者の状態把握するにあたっては、気道、呼吸、循環、意識、体温という流れで患者を迅速に観察し、重症度と緊急度を判断する必要があります。それは、例え一次救急の現場でも言えることです。なぜかというと、歩いて病院へ来院した患者でも実はすぐに手術や処置を行わなければならない実例もあるからです。また、病院によって違いますが、緊急で内視鏡で止血術を行ったり、カテーテル検査でPCI、IABP、PCPS挿入、血栓回収を行ったり、時にはその場で開胸術や、骨盤固定など行う場合もあります。そのため、救急看護師のスキルと知識は必然的に、緊急内視鏡、緊急カテーテル、緊急オペを対応出来なければ行けなくなります。ですので、勤務する救命救急センターでの実際の救急看護師の業務内容を確認する必要があります。行ってみて、内視鏡も手術もカテーテル治療も行わなければならないとなり、ベテラン看護師でもキツい現場でやっていけないとなるとまた、転職など考えてしまう恐れがあります。ですが、三次救急で働く前に手術の経験や内視鏡、カテーテルの経験がないと行けない訳ではなく、まずは、三次救急の経験のある看護師と一緒にペアになりひとつひとつ経験していきますので、焦る必要はないです。逆に言うと、ひとつひとつ分かっていくとやりがいを感じたり、出来ること、任されることが増えると自信にも繋がります。また、1日の勤務の終わりの達成感は救命救急センター独特なものを感じることができます。
④ドクターヘリナースになるには
救急の現場を目指すにあたっていつかは乗ってみたいと思うドクターヘリナースに憧れを抱くと思います。実際に資格が必要となるのは、ヘリに乗るとなると、限られた器材や薬剤の中で、迅速に且つ柔軟に対応できるスタッフではなければならないです。ですので、まず院内でそのスキルと知識を学んだ上で、ヘリに乗るにあたっての研修と実技試験があります。試験があるのは地域によって違うかもしれませんが、ヘリはとても危険な乗り物でもあるので、ヘリの後方のプロペラなどに巻き込まれてしまう恐れがあったりもします。また、プロペラの音も大きく、ヘッドフォンとマイクの正しい付け方を学び、実際に飛んでコミュニケーションが行えるか判断します。また、患者を搬送するときの入り方も点滴が誰か持ち、ヘリの中からどのように点滴や、患者を安全に収容するのかも徹底的に学びます。その研修を受け試験にも合格するとドクターヘリナースとして勤務することができます。
また、補足ではありますが災害医療を学びDMAT隊員となるには、やはり急性期医療に関する知識と経験が必要です。しかし、DMATになる上で新たに必要となる認定資格などはありませんが、勤務先の病院から推薦されたあとに指定された研修と試験を受ける必要があります。
また、DMAT指定医療機関に勤めていることが最低条件になります。ですので、予めDMATとしても勤務をしていきたいと考えているのであれば、まず転職したい病院の中にDMAT指定医療機関であるか確認する必要があります。DMATになると災害現場へドクターカーなどで現地まで行き、怪我の処置や、現病歴のある患者の診察、病状を把握し、必要なら避難場所から病院へ移動する手配を行います。また、災害にあわれた人々は、精神的にも体力的にも侵襲があるため、心のケアができるよう話を聞くエリアの作成や、プライバシー確保の尽力、ボランティア活動を行っている人々ともコミュニケーションを取り、あらゆる人々と助け合いながら災害期を乗り切る活動となります。
まとめ
以上のように、救急看護師とひと言でいったとしても様々な業務内容があったり、病院や診療所などもあるので、自分が救急看護師として働きたいと思ったとき、焦って病院を見つけるのではなく、どのような救急看護師になりたいのか把握した上で、自分にあった病院を探す必要があります。もちろん自分自身にも、あらゆるスキルと知識が必要とされる現場でもやっていくことができるのか今一度考えた上で、救急の現場に挑戦していく必要があります。
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