高齢社会が続く現状で、やはり入院患者さんも高齢の方が多いですよね。そして、環境因子などが重なってせん妄を起こしてしまう患者さんが非常に多い気がします。そこで、わたしが行ってきた看護の中での学びを少しでも役に立てて頂けたら幸いです。
私はとある市民病院の救急病棟で勤務しておりました。
特に気になった事例についてお話しします。
夜間入院も多い中で、右足小指離断術を行った患者さんがいました。
排液のチューブが抜けていなくて、足は包帯でグルグル巻かれている状態でした。高齢の患者さんだったのですが、オペから帰って来てからせん妄を起こしていました。
なので、夜勤で私が受け持った時には、抑制帯をセットされた状態でした。就寝時間になると、不穏になりリスパダールやその他マイスリーなどの眠剤を服用しておましたが、何度も起き上がり、抑制帯を外そうとされるのです。
その度に、体動センサーが鳴り慌てて駆けつけると「これを外してくれ!」と何度も訴えているのです。
もちろん、抑制帯を外す事により、転倒転落の危険性が高くなるので要望に対応する事は極めて難しいか状態でした。
しかし、不穏が続き、体動センサーがなりっぱなしになるので、肩抑制を外して、座位がとれる状態にしました。
すると、座りながら少し落ち着かれました。私が「ここはどこだかわかりますか?」と尋ねると、「神社や。」と返ってきます。
失見当識あり。
そこで、「もう、帰らなあかんのや。これを外してくれ。これが邪魔で動かれへん。」とおっしゃります。患者さんにとってみれば、言葉の通りですよね。抑制帯の必要性が理解出来ないまま、装着されていると誰だって拘束されていて不快にしか思わないはずです。
結局、セレネース追加の指示に従い、落とし始めますが全く効かず。
幸い、他の受け持ち患者さんが、寝ていてくれたので私はその部屋に半分時間をついやできていました。
セレネースを落とし始めても、まだまだ眠られず、リスパダールを追加しても「これを外してくれ」との訴えが止まりません。
私は、体動センサーをOFFにしてしばらく、付き添う事にしました。朝方ようやくウトウトされ始めました。それまで、話に付き合ったり、お茶を飲んで一息ついてもらったり、排尿の介助などを行いました。
本当に大変だったと記憶する夜勤の事例でしたが、転倒転落には至らず朝を迎えられました。
しかし、その患者さんは、昼夜逆転の生活になってしまいました。薬漬けとは、このような事です。
セレネースなどの、ハロペリドールを使用する際は、逆に不穏にさせたりする副作用がある事を念頭に置かなければなりません。
それから、リスパダールの追加も、慎重に行わなければなりません。リスパダールを飲んだことありますか?
私は、経験上飲んだことがあるので、患者さんの気持ちが良くわかります。リスパダールは、眠気というより、身体の怠さを催す作用がかなり強いです。怠くてよこになるしかないって感じです。
しかし、怠すぎて簡単には寝られないのです。私はこんな薬二度と飲みたくないと思ったのが素直な感想です。
さらに、患者さんは失見当識がありました。
もちろん、目を離すと眠剤も飲んでいて、足指の離断術を受けていて、転倒転落のリスクの高い患者さんです。
それでも、抑制帯が気になって寝られない。
不穏をさ増強させる誘因だとしたら、そのままで良いのか…。
不穏だからセレネースを追加すれば良いと短絡的に考えるのはあまりにナンセンス過ぎます。私たちは忙しさに負けてルーティン化している部分がありますが、いま一度患者の立場になって考える必要性はどこまでもあるよつに思います。
何が正しいとか、正解のある仕事ではありませんが、私なりに振り返ってみるとこの事例への対応で反省すべき点は沢山ありました。まず、何が不快で眠れないのかを考える事です。
次に、その要因を可能な限り取り除く事です。肩抑制を外すだけでも、寝返りや座位がとれるようになり、患者さんの表情は穏やかになりました。また、眠剤をいくタイミングです。就寝前に行ってもダメだった。追加のリスパダールが効かなかった。そして、セレネース。ケースバイケースですが、深夜にこの様な薬を使用した事で患者さんは、朝方に寝てしまい昼夜逆転の生活になってしまいます。ある医師が、このような生活リズムを作っているのは、看護師である。と述べていましたが、あながち間違ってはいません。
本当に必要なのかを判断することが大切です。
結局、抑制帯を外して体動センサーだけにしていると、患者さんもウトウトされ始めました。
私はこの事例で何でもかんでも薬に頼るのは大きな間違いであると気がつきました。入眠を妨げる原因かは何か。尿意が気になって寝られない患者さんもいれば、痛みが引き金となっている患者さんもいる。
まずは、不快を取り除いてあげることが必要になります。可能な限り、自分が近くで見ていられるのなら、無理に抑制帯を使用する必要はないのです。
ルーティン化しては、いけないとかんじました。また、別の事例では、重症膵炎で入院となっている若い患者さんがいました。
アルコール依存症で、失見当識がありました。この患者さんも、体動センサーをつけて抑制帯をしていました。
夜間、放尿しようとしたり点滴台がついている事に気がつかないで、突然歩き出すので抑制帯をつける事になったのです。
膵炎のため、点滴量も多く痛みは点滴で調整していましたが、辻褄の合わない事ばかり口にしていました。私はこの方の受け持ちナースだったのですが、膵炎は改善傾向にありました。
しかし、精神面で問題は大きく上がっていたと記憶しています。夜間、不穏になるということでセレネースを持続点滴していました。
しかし、私は精神科薬の使い過ぎで、過沈静になっている事に早期から気がついていました。
さらに、依存性が高く成る事も考慮した上で私的にはあまり、セレネースを使いたくありませんでした。
より、患者さんを不穏にさせていると見抜いていたからです。翌朝、セレネースをオフして車椅子に乗せて洗顔へ向かいました。
すると、洗面台で自分の顔を見ながら、髭剃りや歯磨きをこなしていました。戻ってくると車椅子に座ってもらったまま、体動センサーを装着していました。日勤者が来て朝の申し送り時に患者がトイレに立ち上がりセンサーが作動しました。そして、放尿してしまっていました。この時に、リーダーからものすごく怒られました。何故、セレネースをオフしているのか?と問われ、こうなるからオフしてはダメやと言われたけれど納得のいくものではえりませんでした。尿意があっても、ナースコールが押せず、失禁してしまったのは仕方ない事です。しかし、すぐに患者はベッドに戻され、着替え後、セレネースを再開されたのです。
私はおかしいと思っていました。自分は、離床を促すために、車椅子に座らせていたし、失禁すれば更衣すればいいだけのことではないか?
ベッドに抑制帯をつけられてまた薬漬け。
これは、本当に患者の為になっているのか?とても疑問が湧き起こりました。これでは、いつになっても、悪循環のまま。
ましてや、過沈静になることは、患者に呼吸抑制をもたらす危険性もあるそのような点でかんがえられないのか?受け持ちではないからなのか?ベテランのナースにもこのよつな疑問を抱えていました。
その数日後、医師が眠剤を行きすぎている事に気がつき、減量していくとどんどん患者の意識がハッキリしてきて、ナースコールも押せるようになりました。
私は、この時はじめてナースとしての経験をアセスメント能力を実感した瞬間でした。
看護を行なっていく上で、アセスメントは欠かせませんが、どのようにアセスメントするかは看護する側によって異なります。よりよいあせすめんとをするためには、患者の声に耳を傾けることからはじめなければならないと思います。それが看護のきほんですね。
まとめ
看護の中には、忙しいからという理由でルーティン化してしまっている事がおおいです。本当に必要なのか、抑制帯や眠剤を使用する際は、患者のいちばん近くにいる看護師がアセスメントを細かく行い、経過をみて看護問題を修正していくこと、患者にとって最もいい方法を導き出すことが大切です。ケースバイケースだからこそ、慎重にアセスメントすること、患者の立場に立って考える事もアセスメントの要素になりうる事を忘れてはいけません。
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