看護師として転職はつきものです。私は最初大学病院で勤務していましたが、同期は大体3年周期で転職をするのが普通と言われきました。関東関西と地方では、看護師の転職のありかたに認識の違いがあるため、それも踏まえて記載していきたいと思います。
看護師として働いたけど、職場の環境に合わなくて転職してしまう、いじめられたり、仕事に生きがいを感じなくなって辞めてしまう、同期が仕事を辞めるのを口実に、病院を去ってしまうなど、人によって転職の理由は、本当に様々だと思います。転職するには多くのエネルギーが必要になってきます。 私も転職組の一人なのですが、辞める時は次の仕事のことをよく考えずに、その場を去りたい、逃げ出したいという気持ちが先行しています。
辞めたいエネルギーが出始めると、ほかの人が何をいっても、辞める方向の思考になり、物事をマイナスに考えることが多くなってきます。若いうちはそのエネルギーにのっかって、仕事を辞めても、次が直ぐに見つかるのですが、ある程度の年齢にいくと、自分が思っているような環境で仕事をすることは難しくなってきます。地方と関東関西での違いを私の体験談を含めて記載します。
関東関西では、就職の窓口数が地方都市と違って、広いことはご理解いただけると思います。すなわち、どのような状況においても、仕事が見つかりやすい傾向にあり、自分が学びたい専門分野をある程度極めると、次のステップアップとして転職を受け入れ、好条件で働くことも可能になってきます。その為、理由さえきちんとしていれば、転職に有利になるケースが多いのも現状です。また、教育面においても、資金を持っている病院も多く、自分がやりたい学問(専門看護・特定看護・認定看護)などを支援してくれる病院もあります。いわゆる都会と田舎で給料の違いや教育の違いがあるのは、資金を多く持っている病院と人口密度が圧倒的に違うからともいえます。 一方、地方都市では、上記とは状況が違います。私の経験上、一つの病院に長くいる方が、素晴らしい人材として扱われるケースが多いです。その為、地方都市で転職をしようとすると、今までのやり方とは180度違うやり方を覚えなくてはいけないですし、自分が作ってきた職場環境やポジションを捨てることにもなります。地方都市で転職をする看護師の多くは、自分の経験や、力量に自信をもっている人が多いのですが、他の病院と自分が勤めてきた病院の常識ややり方が違い、転職したのはいいけれど、職場環境が合わずに直ぐに転職してしまうことも多いです。関東関西では医療と看護は別として認識されている部分も多く、医者は病気を治す仕事、看護を病人をケアする仕事として認識されており、それぞれがきちんとしたプロ意識を持って仕事をしています。つまり医者の言うことが絶対ではなく、お互いが協力することでよい医療を展開しているというイメージです。しかし地方都市では、看護師は医師の下と認識していることが多く、個人病院では医師は絶対的存在で、看護師は医者のいう事を聞いて仕事をするという認識が強いです。その為、その病院で経験を積んだとしても、医療界で共通した技術や知識ではなく、その病院のオリジナルの知識というケースが目立ちます。私は東京都内の大学病院の救急で働いた年数が多いのですが、関東県内ではどの、病院に行っても一定の水準を満たしており、やり方も大きな差異はなかったのですが、地方都市に行くと、先生のやり方というのが刷り込まれており、慣れるまで苦労した経験があります。 上記の二点を踏まえて、転職をするときは、自分の本来の志を今一度見直し、しっかりと考えて実行することをお勧めします。 今回は、知っているようで知らない精神看護の世界について記載していきたいと思います。看護師や介護士さんからすると、ぱっと聞いた印象で上がるのは、精神科は怖い・危ないというイメージが多いようです。 私の友人にも多くの精神科看護師がいます。 そもそも精神科とはどのような病院なのかというと、患者の多くは統合失調症の患者が多いです。統合失調症とは、妄想を抱いたり、現実の検討意識が乏しかったりと様々な症状があり、全ての患者さんが一律同じ症状であることはありません。そのような患者さんは、社会で一人で暮らすことが困難な状態が多く、お金を上手く使えなかったり、暮らすための宿を契約することが出来なかったり、人が話していたり、テレビの会話が自分のことを言っているのではないかと認識して、怖くて外に出れないなどの症状があります。そのような人を支援の基、生活が出来るまで、薬剤調整や環境調整を精神保健福祉士や臨床心理士、作業療法士を交えて治療を行う病院です。治療効果は早くて数か月の人もいれば、数年かかる人もいて、直ぐに効果を実感することはなく、病院内での時間ととてもゆっくり流れています。その中で看護師はどのような仕事をするのかと言うと、病院内での基本的な生活が、不自由なく出来るような援助を行っていきます。一般かと比較すると、身体的アセスメントをほとんどすることはありません。理由は体は元気なのですが、病んでいるのは心だからです。その点、自分が看護師として技量を発揮したいという願望を持っている人は物足りなく感じることが多いでしょう。採血や点滴などの処置もほとんどありません。急変することも、可能性として一般科と比較すると低いのが現状です。 危ないという印象を持っている看護師や介護士がおおいですが、暴れたりする患者さんは本当に極一部です。 アスペルガーといって衝動的に行動化してしまったりする患者さんが時々いますが、その人たちも理由なくいきなり暴れるわけではありません。 普通では考えられないような内容で、言い寄ってくることもありますが、現実的な話をしても、相手は理解することが出来ず、それを怒りとして表現していることもあるので、傾聴して距離をとることが大切になってきます。 自分が向きになって相手と話したりすることは逆効果で、理論立てて物事を離しても無意味な時も多いです。 そこは一般科と違い、精神科の難しいところでもありますが、構えずに、なんとなくというスタンスでいると、上手くいったりすることが多いです。看護師の仕事は患者と関係性を作るという点が重要になってきますので、普段の仕事は、患者さんとの人間関係を作るために一緒に遊んだり、活動に参加したり、病院内の売店に買い物に行ったりすることが仕事となっています。看護師の関わり方次第では、不本意なことで感情を表出している患者も、関係性が出来ている看護師はちょっと話すことで落ち着いたりすることが多々あります。 このように精神科の看護師は患者との人間関係を構築し、一般社会へ支援を受ける状況で退院させることが仕事となってくるので、難しい技術や知識を身につける必要性が他の科と比較すると低いとも言えます。一般科で長続きしなかった看護師が精神科病院に行って長続きするという理由は上記の部分が大きいと言えます。職場内の時間の流れもゆっくりで、先輩たちも、ゆっくりとしたスタンスで仕事をしています。勿論残業はありませんし、他科と比較すると休みも多く有休消化率も多いのが現状です。主婦の人や、自分の趣味や、やりたいことに時間を費やしたいような人には、かなりお勧めの職場になります。 危険・危ないは本当に極一部で、そのような人たちは、現実の認識が出来るようになるまで、保護室と言われる特殊な環境のある急性期病棟で投薬の治療が行われます。薬をしっかり飲むことで興奮も落ち着きますし、病院内では問題なく生活できるレベルにもなりますので、イメージではなく自分の仕事をする上でのライフスタイルで選ぶと間違いない科だと思います。
まとめ
関東関西と地方都市での転職の在り方、転職をするうえで注意するポイントをわかりやすく記載しました。また、皆さんが日ごろから抱いている精神科病院のリアルな看護についても記載してみました。転職をするにあたっては自分のライフスタイルをしっかりと感がることが重要になってきます。辞めたいと思ったら、次は自分に何が出来るのか、何を重要視したらよいのかを考えてみてください。この文章が皆さんの仕事の在り方について少しでも参考になればと思います。
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