看護師が就職、転職する時にまず考えなければならない事とは

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#1228 2020/10/12UP
看護師が就職、転職する時にまず考えなければならない事とは
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看護師という仕事は、職場によって求められる事がかなり違ってきます。転職経験によって私は、看護師として就職・転職する時にまず考えなければならないのは「自分がどのような看護をしたいのか?」という事だと感じました。

初めての就職先は総合病院の集中治療室。

私は看護学校を卒業してすぐに総合病院に就職し、集中治療室で仕事を始めました。
集中治療室での看護はいつも緊迫した空気の中で、休憩中も患者さんの異変を見逃さないように常に心電図モニターをチェックしながらご飯を食べていました。
心電図の読み方を必死で覚え、呼吸器や輸液ポンプなどの機械類の管理を一生懸命勉強し、何とかちゃんと仕事がこなせるようになってきました。
常に目の前にある心電図モニターや血中酸素濃度などのデータを見て、患者さんの病態を把握しながら細心の注意を払って看護にあたります。例えば血圧を上げる薬を入れているチューブがどこかに挟まって折れ曲ってしまったら、、、とたんに患者さんは命の危険にさらされるのです。全ての業務が命に直結している、そんな職場でした。それでも集中治療室では、もう助からないのではないかと思うような患者さんや大手術の後の患者さんが劇的に回復する姿を見る事が出来て、仕事にとてもやりがいを感じていました。
集中治療室にいらっしゃる患者さん達はベッド上での生活を強いられるので、看護師の仕事にとても感謝して下さります。それがまた、やりがいに繋がっていたのかもしれません。
ただ、みなさん病状が落ちつけばすぐに一般病棟に移られるので、集中治療室勤務の時の患者さんのお顔は、正直誰一人覚えていないのです。それでも、自分がした心臓マッサージで患者さんが助かったりすると、何とも言えない嬉しい気持ちになったりするものでした。
2年、3年が過ぎ、後輩に仕事を教える立場になってきた私は、何となく看護師としての自信がついてきていました。
けれどその頃、たまに強い胃の痛みに悩まされるようになりました。
その頃はちょうど夜勤専従での勤務を始めたので、夕方から翌朝までの長時間勤務をしていました。今思えば、長時間の緊張状態に身体が疲れていたのかもしれません。一人暮らしをしていたので、きちんとした食生活が出来ていなかったのも一因かもしれません。そのまま仕事を続けていれば身体が慣れてきて平気になったのかもしれませんが、勤めていた病院が実家から遠かった事もあり、両親の心配もあったので、実家付近の病院に転職しようと決めました。

転職先は一般病棟。全然違う視点の看護を学ぶ。

実家近くの病院でちょうど看護師の募集があったので、そこに転職を決めた私は、外科の一般病棟の勤務を希望しました。なぜ一般病棟を希望したのかと聞かれれば、正直なところ、私は集中治療室のあの常に緊張した状況に少し疲れていたのかもしれません。
外科病棟ならば「術後の患者さんを観る」という点で言えば集中治療室と同じような看護が出来るかなと軽く考えていました。自分の中で、変な自信もあったように思います。急変ばかりの集中治療室で何年も仕事をしていたのだから、急変の少ない一般病棟ならば余裕なんじゃないだろうか、、、。
しかし、その自信はすぐに崩れ落ちました。集中治療室でしか看護経験のなかった私は、心電図モニターや血中酸素濃度が目に見えない状態の患者さんと接するのがとても怖かったのを覚えています。
目の前にいる患者さんの病態や体調を、どうやって知れば良いのかが分からないのです。患者さんをずっと見ているわけではないので、何を食べたかも自己申告でしか分からないし、尿量すらも目に見えては分からない。さらに言えば、いつ急変するのかも全く分からないのです。もし自分が見ていない時に急変したらどうしよう、、、と、いつも集中治療室の時よりも緊張していました。そして私が何年もかけて勉強した心電図波形や呼吸器管理うんぬんは、一般外科病棟ではほとんど使う事はありませんでした。
逆に一般病棟で大切なのは、患者さんの病態だけではなく性格やバックグラウンドなど、全体像を把握して看護をする事でした。
当たり前なのですが、本当に色々な性格の患者さんがいらっしゃるので、患者さんとお話ししながら看護にあたるのが楽しくなっていきました。家族の事や退院後の生活の事など、患者さんと一緒に考えて問題を解決していったり。
一般病棟での看護は、今、目の前の事プラス将来的な事も考えていくという、奥の深いものでした。一般病棟で担当した患者さん達の顔は、今でもとてもよく覚えています。どんな性格の方で、どんな事を話したのかも、よく覚えているのです。

ツアーナース経験で、また違った看護職を経験する。

病棟勤務の時の先輩ナースのご主人が旅行会社の方で、留学経験のある私に、海外への修学旅行の付き添いナースをして欲しいという話が来ました。当時独身だった私は、海外旅行に仕事で行ける事と日給の良さに惹かれて快諾しました。これがまた、数々のハプニングがあって忘れられない経験になりました。いくつかの体験談をお話しします。
まず行きの飛行機の離陸直後に一人の生徒が過呼吸発作を起こして大騒ぎになりました。真っ青になって意識が朦朧としている彼女に、客室乗務員が酸素マスクを当てて様子を見ていましたが、担任の先生からよく過呼吸になるとの情報が。とっさに酸素マスクを外して紙袋を口に当てると、ようやく呼吸が落ち着いてきました。この時すでに、この仕事を軽く引き受けた事を少し後悔していました。せめてもう少し自分の中で色々シュミレーションしておけば良かった、、、と。
その日の夜、私のホテルは生徒達のホテルとは別の場所でした。夜中12時を回ったので、もう呼び出される事はないかなと思い、ビールを開けたその瞬間、電話が鳴りました。生徒の一人が精神的ストレスからか壁に頭を打ちつけているとの事。急いでタクシーを呼び、生徒のもとへ駆けつけました。精神的な事なので私に出来る事などないのですが、一応その生徒と話をして、落ちついたところでまた自分のホテルへ戻りました。
ボートに乗るアトラクションの後は乗り物酔いの生徒が多数出て、みんなが気分が悪いと訴えて来ました。どうする事も出来ないのですが、座らせて水を飲ませて、、、。
修学旅行に行くのは健康な高校生だから、きっと何も起こらないであろうと思っていたのですが、なかなかハプニングだらけの3泊4日の旅行だったのです。医療従事者は私一人なので、生徒も先生も添乗員も飛行機の客室乗務員も、何かあればみんなが私を頼って来るのです。
かなり責任重大で、凄いプレッシャーでした。病院でスタッフみんなで仕事している時のような安心感はありません。今思うと、病院に連れて行くような大きな怪我や病気がなくて本当に良かったと思います。
決して旅行を楽しめるような状況ではなかったのですが、日給はとっても良かったし、貴重な経験が出来たと思っています。あの頃の私がもっと経験豊富な看護師だったのなら、もっとドーンと構えていられたのかもしれません。

復職する事を考え始めた今、思う事。

私は子育てのためにここ何年か休職していましたが、子供達が大きくなってきた今、復職を考えています。
集中治療室と一般病棟、さらにツアーナースを経験して感じた事は、私達看護師の仕事というのは働く場所によって求められる事、持つべき視点などが全く違ってくるのだという事です。もちろん「患者さんが健康的な生活を送れるようにサポートする」という基本的な看護の概念は同じですが、日々の職務は違ってきます。
それが分かった私は今、まずは自分がどんな看護をしたいのかを考えてから復職先を考えようと思っています。

まとめ

以上が、私が転職体験から学んだ事です。
3つの職場を経験して感じたのは、看護職というのは働く場所によって求められる事や持つべき視点が全く違ってくるのだという事でした。後悔しない転職先を探すために大切なのは、まず自分がどんな看護をしたいのかを考える事が大切だと思います。

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