看護過程のプロセスでのひとつである、『アセスメント』で悩んでいませんか?
高齢者施設での勤務歴が長い私が、『身体面』『心理面』『認知面』の3つの視点から見た『アセスメント』をお伝えしたいと思います。
その前に、特に重要な事がありますので、確認してくださいね!
《アセスメントとは》
看護における過程のプロセスの一つですね。
看護師が対象者の情報を収集して、問題として何が起こっているのか把握して解決する糸口を見つける手法です。
《病院と介護施設での違い》
病院は、「治療の場です」 検査や医療行為を施して病気を治す所ですね。
病気を 治す為に、様々なな医療従事者が専門知識、手技を施して病気を治していきます。
介護施設は、「生活の場です」 高齢者の解決すべき生活課題や可能性を把握するために、様々な情報を様々な職種が収集分析していきます。
《介護施設での看護師の仕事》
・御利用者様の健康チェック
・医療行為の実施
・薬の管理
・施設全体の安全な環境の確保 等々あります・・・
上記の様なことを、私達が高齢者介護施設で、高齢者に安心して生活して頂くために行わなければならないのがアセスメントなのです。
先に述べた3点を説明する前にとても重要な事があります・・・
私の経験上、下記のことを念頭に実施して行かれた方が成功すると思いますので、必ず熟読してい頂けたらと思います。
1. 介護職員(特に)、他職種の想いや考えに耳を傾けること
2.介護職員が看護師に求めているものは何なのかに耳を傾けること
3.介護士の気づきが早期発見早期治療に繋がることを認識すること
4. 他職種との情報交換を密に行うこと
5.ご利用者様、他職種とのコミュニケーション能力を上げること
6. 冷静に判断する能力 を養うこと
7. 高齢者が対象者です! 平常時のバイタルサインを把握しておくこと
《身体面のアセスメント》
ご存知の通り高齢者の身体的特徴は、生理機能の低下、身体の器官を構成している細胞にも老化が生じます。
細胞数減少や細胞の働きが定低下して、臓器の機能低下も見られるようになっていきます。
そして、身体の水分量も減少するため脱水によって、臓器の機能低下が起こることもあるのです。
よって、身体の様々な機能低下を把握することにあります!
具体的には、日々の生活状態をつかみ、把握することが大事になります。
・ADL能力~生活に支障があるのか? 介助をようするのか? どの場面の介助を要するの か? どこの筋力が弱いのか?
・活動量の把握~一日の行動量、行動パターンを観察していきます
・栄養状態の把握~肥満、るい痩の状態なのか、褥瘡のリスクをないのか? 採血を定期的に実施 する。 もちろん摂食状態も観察 嗜好品の確認
・排泄状態の把握~自立? 介助は要するのか? 排尿、排便の間隔、量の確認
・睡眠状態の把握~夜間、日中の入眠状態。夜間は良眠しているのか?
・バイタルサインの把握~平常時のバイタルサインは必ず把握しておくこと
《心理面のアセスメント》
高齢者は加齢に伴って心理面に変化が起きることはご存知かと思います
知的な能力の側面から見ると、加齢によっても能力は比較的保たれるれますが、アルツハイマー型認知症等になると記憶力の低下が顕著に見られます。
また精神的能力の側面から見ると、人格面や感情面では加齢によって頑固になり、保守的になってしまいます。
そして他者に対しても厳しくなり疑念 の感情を抱きやすいと言われます。
これらのの低下を防止するには、他者との関わりが最も重要なのです
そしてその人の役割を見つけ出し尊重することが最も大切です 。
(体験談)~成功例
昔から知っている知人の母親のことですが、保育士をしていて しつけにも厳しい人だったのですが、腎疾患をきっかけに寝ていることが多くなったら、徐々に徐々に物忘れ、感情失禁が出現してきて、自宅での介護は厳しくなりました。
医師に診ていただいたところアルツハイマー型認知症と診断されました。
知人は、仕事をしていたため、自宅の介護は厳しくなり私の勤務する施設に入所することになりました
知人の母親は環境も変わり、症状は 悪化 する一方だったため、携わるスタッフは何度も何度も話し合いましたが、なかなか症状は軽減だれませんでした・・・
知人はかなりのショックを受けましたが、アセスメントとモニタリングを重ね、知人の協力を得ることに同意して頂き、週末自宅に帰なりました。
そして、密にコミュニケーションを図ることを実施し、軽作業を意欲的に行っていくうちに症状の軽減が見られてきました((´∀`*))
現在は在宅でのケアを導入していく方向で話を進めています。
※ここでは、家族の存在が成功の鍵になったという事例でした。
《認知面のアセスメント》
認知症を引き起こす病気で最も多いのは脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく変性疾患です。
アルツハイマー認知症 前頭、側頭型認知症、 レビー小体型認知症などです。
続いて多いのは脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなりその結果、部分的に神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管認知症です。
物忘れと認知症の違いを理解する
物忘れ~日常生活に支障はない。
体験した一部分を忘れてしまう。 自覚はあって、進行はしない。
認知症~日常生活に支障あり。
体験したこと全て忘れてしまう。 自覚はなく、進行性です。
他にも、
せん妄とアルツハイマー型認知症の違いや、うつ病とアルツハイマー型認知症等を理解する事が大切になります。
認知症は、脳の機能に障害があるため、日常で何をすれば良いのか、どうしたらよいのか、分からずに不安になるのです。
このような時、本人が分かっていないこと、不安であることを理解しないで対応すると、本人は混乱を起こします。
それらの混乱が行動、心理症状( 興奮、不安、暴言等)として出現するのです。
認知症の方への対応
自分が必要な存在だと認めさせて下さい。
プライドを傷つけないでく下さい。 叱らない、 指摘しない、否定、議論しないように注意して下さい。
本人ができることは何かを把握し、できることをお願いして下さい。
達成感や互いの信頼につながります。
その時は感謝の気持ちを伝えて、大げさに認めてあげましょう。
可能な限り相手の意思を汲み取るようにして、穏やかな声で対応して下さい。
何度も納得させようとしても、認知症の人には意味が分かりません。
反感を抱かせることになります。
また、可能な限り環境を変えず、人間関係、生活環境、生活習慣を認知症の人のリズムやペースに合わせることが大切なことだと思います。
そして、孤独にさせないで欲しいんです。
人と関わる時間を設けて、交流させて下さい。
孤独は不安を募らせては認不安感は認知症を悪化させます。
(体験談)
入所前からアセスメントして行ったものです。
働き者で、家族の為に一生懸命に仕事、そして家事をこなしていた女性の認知症の方がいらっしゃいました。
子供達が独立してしばらくすると、認知症の症状が進行してきて、家族が自宅で介護が出来なくなるほどでした。
その主な症状が、家事=火の不始末、無断外出して買い物中に道に迷ったり、お金を支払わずに出てきたりでした・・・
施設に入所すると、掃き掃除をやって頂いたり、洗濯物をたたんだり、毎食後テーブル拭きをやって頂く事にしました。
最初は身も入らず、全てやり直したり、付きっ切りでしたが、半年程経った現在では、一部の介助は要するものの、ほぼお1人でやれる様になりました。
もちろん、感染症の対応もあるため、その後はスタッフが再度、次亜塩素酸で拭きます 。
他職種同士が協力して、入所前からアセスメント、プラン、モニタリングして成功した例です。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
私達看護師は、他職種(特に介護士・・)を尊重して、看護師がいない夜の状況もお願いしたり、介護の側面からも情報を得なければならないのです。
そして、日々の全身機能、生活能力の観察を行い、症状が少なく、自分から訴える事が少ない高齢者の異常の早期発見に努めていかなければならないのです。
私達看護師は、他職種からの情報も頂き、多面的に観察すること がとても重要なのです。
認知症の人は、全ての生活動作ができなくなるわけではありません。
認知症の人への愛情と、病気 に対する知識をもって対応し、良い関係性を築くことが大切になってくるのです。
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