入院患者さんが発熱したら?そのアセスメントのコツ 

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#1194 2020/09/08UP
入院患者さんが発熱したら?そのアセスメントのコツ 
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入院患者さんは、入院中に様々な症状を呈することがあります。その症状の中でも、最もわかりやすくそして注意が必要なのは発熱です。ここでは、入院患者さんが発熱した時に、どんなふうにアセスメントをしたらいいのかコツについてご紹介します。

・発熱した患者さんの経過に驚き

患者さんが発熱をしたという場面で、多く関わってきました。その中では、なんともない患者さんもいます。熱があるのに、平気である、その後にさっと下がったなどアセスメントしても、それが正解ではなかったと思うこともありました。
しかしその反対に、これはびっくりしたということもあります。熱があがり、あっという間にどんどん状態が悪くなるケースです。そのことを思いながら、熱が出ると悪いことを関連付けるようにしています。そのようにすることにより、早期発見になるからです。
そしてまた、患者さんにより熱よりも別の症状が先のこともありました。倦怠感がある、発熱ではないけどその患者さんにとったら平熱よりもずっと高いという場合がありました。その時、倦怠感があるのは、危険信号であると思うようになっています。そして患者さんにより熱の度合いが違い、発熱している状態と同じこともあるということです。そのことについても、日頃から個人の患者さんの熱グラフを把握しておく大切さも知ることになりました。

・発熱はわかりやすい患者さんのサイン

発熱をすると、どうしたのだろうと看護師なら思います。発熱というのは、最もわかりやすい危険のサインだからです。発熱がある場合は、そのまま放置してはいけません。なぜ発熱をしているのかということをアセスメントする必要があります。そして、その熱を下げることが必要となるのです。
そこで看護師のアセスメントが重要となります。

・発熱から一気に重篤化することもある

発熱が最も重要なサインであるのは、それからどんどん重篤化することがあるからです。特に手術後は見逃してはいけないのです。手術をして良好な経過として、平熱で経過をすることが望まれます。発熱をしてしまう場合は、その手術後の状態が不安定になっていることを示しています。もしかしたら、もう一度手術が必要となるケースだってあるのです。
また発熱をしてそのことから、一気に感染が体中に広まってしまうこともあります。そのようになると、命の危険性さえあります。早期に発見して対処することで、軽い状態で済ませることができます。

・発熱とバイタルサイン

発熱がある場合は、そのアセスメントとして他のバイタルサインを関連付けて考えることになります。一番は、やっぱり心拍が多くなる事ですね。発熱により、それは自然な流れです。また血圧も上がることのほうが多いです。その反対に血圧が下がってしまうのは、熱により急激に状態が悪化してしまったことがわかります。そうなると、医師に速やかに報告をして処置をすることが大切です。
発熱が見られると、その後に頻回にバイタルサインを測定することが大切となります。

・どうして発熱をしたのかアセスメントする

発熱があると、その原因について知ることが大事ですね。一番考えられるのは、どこからかの感染かと思うことが多いでしょう。特にカテーテルやドレーン等を挿入している患者さんの場合はその部位からの感染が心配されます。その部位を観察して,どんな状態になっているのかアセスメントします。
またその発熱をした前に,どんな処置をしているのかということも大事です。手術をしている場合は、手術を受けることにより、それ自体で発熱をすることもあります。また他の検査をして、その検査により熱が出ることもあります。その患者さんがどんな処置は検査をしていたのかということを、アセスメントしましょう。

・アセスメント後に関連付けて行動する

アセスメントを行うと、その後に実施することとしてまず検査があります。検査は、採血であることが多いです。採血により、まずどんなことが考えられるのかを知ることが出来るのです。
特に心配をするのは、なんといっても感染症です。感染をしてしまうと、そこからの炎症により検査のCRP等の上昇があります。その値を見て、現在患者さんがどれだけひどい感染症にかかっているのか理解することができます。
感染をしてしまうと、全身にその感染症が広がってしまうこともあります。その時、そのままであると熱が下がることがありません。処置をして初めて患者さんを助けることができます。
そのことから、検査データは自分でしっかり確認をしましょう。医師よりも把握確認をする方がいいのです。それはそこから、どんな処置が必要となるのか看護師が準備をすることができるからです。
そのほかの検査を実施することもあるでしょう。すると、その処置の必要物品等を準備することになります。また処置をする場合は、看護師を確保することも大切です。処置で一人の看護師の介助だけでいい場合もありますが、もっと看護師の手が必要となることもあるからです。
そのため、かなり検査データが悪い場合はリーダー看護師に報告を速やかにしておきましょう。するとリーダー看護師が人数の采配を行ってくれます。

・肺炎による発熱

食事をしていて、誤嚥をしてしまうとそのまま経過をすることもありますが、ほとんどの場合は肺炎になってしまいます。特に誤嚥をしてしまう可能性があるのはお年寄りなのです。そのお年寄りは、免疫力が下がっているし回復力も遅いです。その結果、重篤化することもあります。
発熱は、そのサインとしてとても重要です。発熱があると検査として、採血、レントゲン撮影などを行います。その結果、肺炎であると内服や輸液管理を実施することになります。

・輸液からの感染による発熱

輸液を長く実施している患者さんの場合は、それだけで感染リスクが高くなります。輸液により、そのルートが血管内に入っていることから感染しやすくなるのです。しかもその感染は、重篤化しやすくなります。
感染を防止できるように、日頃から滅菌操作の徹底と消毒を毎日実施するようにしています。そしてその刺入部の観察も重要です。色の変化がある、排膿している、発赤や腫脹があるなどをしっかり観察します。

・ドレーンによる発熱

手術をした患者さんの場合は、ドレーン挿入時に発熱が見られる事があります。その時、排膿や出血の度合いを観察します。

・皮膚の炎症による発熱

寝ている時間が多い患者さんの場合は、褥瘡ができてしまうことがあります。その時、褥瘡がひどくなると、感染をして発熱をすることになります。処置をする、褥瘡の経過を記録して、熱とともにアセスメントをします。

・医師への報告

患者さんが発熱をした場合は、医師に必ず報告をします。報告をすることにより、医師によるアセスメントが行われます。報告をする場合は、どんな患者さんであるのかと伝えることも重要です。それは当直をしている医師は、全員の患者さんを覚えていないこともあるからです。
どんな疾患の患者さんで経過はどうなのか,どんな手術をしたのか等、看護師のアセスメントもふまえて報告を行います。
その時、看護師の勘というのも大事です。医師に報告をした時、これは緊急性を要するという場合は、そのように思ったことを正直に伝えましょう。それにより、動く医師もいます。
 

まとめ

いかがでしたか?発熱は、最もわかりやすい患者さんからのサインです。看護師はその発熱サインを受け取ると、発熱と関連付けてどんなことを観察したらいいのか、処置はどんなことをするのか、それに対する準備、その後の経過まで考えてその行動できるといいですね。そうなれるように、アセスメント能力をアップさせましょう。

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