転職する際、ドクターや施設長などのトップとの関りは避けて通ることができませんよね。とくに、面接の際は彼らの心をつかむことができなければ、採用すらしてもらえません。いったい、どんなタイプの人たちがいて、どう対応すればいいのか、私自身の経験をもとに、一緒に検討してみましょう。
●医療業界のトップはちょっと変わった人が多い
どこの業界でもそうなのかもしれませんが、特に医療業界のトップの人たちには、ちょっとクセがあると言おうか、変わった人たちが多いように思います。
これから、転職を考える際に、こんな人たちもいるんだという心構えと覚悟ができるように、私がこれまで出会ってきた、さまざまなクリニックの院長や、施設長などについて、お話ししましょう。
そして、実際に彼らとうまく折り合いをつけていた看護師さんたちの行動や言動を参考にして、対策を講じてみたいと思います。
転職先を決める前に、自分自身の判断で転職を辞めるのも良し、または、ここは仕事だと割り切って、うまくやっていく対策を講じるも良し、決めるのはあなた自身です。
●ケースその① とにかく威圧的でマイペース。感情が先走るタイプのドクター。
彼らにとって、重要なのは効率的であること、そして、自分の思い通りに順調に事が運ぶことです。
もし、そうでなければ、一気に機嫌が悪くなり、感情的にまわりに当たり散らすようになるでしょう。
面接の際も、かなり失礼なことをズバズバ言ったりしますので、この傾向があるなど思ったら要注意です。
例えば、どうして前の仕事を辞めたのかについて、自分なりの答えを提示すると、矛盾点を突き詰めて、本当のことを答えろと詰問したりするのもこのタイプです。
事前に、質問に対する答えを用意しておくと、落ち着いて対応できる可能性が高くなるでしょう。
しいて長所をあげるなら、行動がわかりやすいことと、根に持たないので、ネチネチした嫌がらせはしないということでしょうか。
対策としては、とにかく仕事をきちんとすることに限ります。
当たり前と言えば当たり前ですが、仕事がきちんとできて、彼らの信頼を得られれば、感情的になることも少なくなり、うまくやっていけるからです。
多少の口の悪さは気にしないこと。
性格が変わることは、まず期待できませんので、必要ないことはひたすらスルーして、仕事に集中することです。
●ケースその② 一見優しそうで物静か。しかし、実際はプライドが高く、けっこう面倒くさいドクター。
年配の古い考え方のタイプのドクターにありがちなのですが「言わなくてもわかってもらえる」「自分の思っていることがすべて正しい」という思いが根底にあり、踏んではいけない地雷を踏むと人が変わったように激昂することがあります。
しかし、表面上は物静かなため、患者さんには「とにかく優しい先生」と思われており、そのイメージを崩したくないという思いが強く、患者さんの前で怒りをあらわにすることは、まずありません。
そのため、怒りをためこんであり、ひどい時には翌日「昨日の○○はこうだった」などと、話を蒸し返したりします。
対策としては、とにかく長年連れ添った奥様のように接すること。
先の先を読んで、本人が嫌がることは絶対にしないという、先回りの行動が必要です。
また、プライドが高いので、間違っていると思ってもそれをストレートに指摘することは避けたいもの。
さりげなくフォローするなど、とにかく奥ゆかしい古風な女性を演じましょう。
●ケースその③ 女性が好き。セクハラも業務の一環だと思っている勘違いドクター
気に入ったタイプの女性をみつけると、あからさまにアピールしてくるタイプ。
こういうタイプの男性は、たとえドクターであっても、きっと一生治らないのでしょうね。
更衣室に隠しカメラをつけたり、奥様が定期的に見回りにやってきたり、などという驚きの事件も少なくありませんでした。
唯一のメリットは、自分がタイプの女性なら、即採用してもらえるということくらいでしょうか。
まあ、多少セクハラされても、仕事がやりやすくなるなら、それでいいやと割り切れるタイプならかまいませんが、そうでないのなら、断固拒否の態度を貫くか、転職を再度検討するかですね。
●ケースその④ 浮世離れした宇宙人ドクター。突飛な行動を止めるのも看護師の役目。
腕の良いドクターに多いのですが、ちょっと常識離れしており、突然、わけのわからない行動をしはじめたりします。
例えば、いきなり病院を閉めると言い出すとか、行方不明になって仕事をさぼるだとか。
しかし、このタイプのドクターのふるまいを正そうとしたり、諭したりするのは、彼らを逆上させるため、逆効果になりますので、やめた方がよいでしょう。
悲しいですが、ひたすら、しりぬぐいをするのみです。
慣れてくると、突飛な行動にもそれなりのパターンがあることがわかってきますので、先手を打つことができるようになってきます。
面接の際も、わけのわからない質問をしたり、無関心だったり、急に関心を持ち始めたり、まったく先が読めません。
ふりまわされないように注意しつつ、信頼できる他の誰か(事務長さんなど)を見つけて、必要な手続きなど進めてもらうようにしましょう。
●ケースその⑤ とにかく事なかれ主義。長いものには巻かれろ。言ったもの勝ちが職場にはびこる役立たず施設長。
施設長として、スタッフからの依頼や相談に対応するのも仕事の一つだと思うのですが、私が接した施設長は、とにかく事なかれ主義。
問題が起これば、関わるのを面倒がって、問題に関わるもののうち強く主張する者の言うことだけを採用し、後は切り捨てるという策に講じるようなタイプでした。
もちろん、そのせいで、多くのスタッフが次々と自主退職していったのは言うまでもありません。
この場合も、転職するのが最善の策だとは思いますが、もし働き続けるのであれば、とにかく問題を起こさないようにすること。
そして、施設長にいらぬ期待はしないようにすることです。
このような職場の場合、退職者が多いので、転職の際、採用される確率は高いかもしれませんが・・・・
●ケースその⑥ 院長自身が逆らえない人が別におり、その人のいいなり。
逆らえない人、例えば、実の母親とか奥様とかの存在があり、その人の言いなりになってしまうタイプです。
普段は「逆らえない人」のみの対応に集中し、彼らを怒らせないための行動をとるよう心がけた方がよいでしょう。
しかし、たまにではありますが、ドクターとしての自覚とプライドが頭を持ち上げてきて、いつもは逆らわない人に急に逆らったりすることがあるので要注意です。
こうなると逆にテコでも動かなくなり、巻き込まれると非常に面倒くさい事態になります。
この「たまにあるケース」のパターンを読んでおくことが、うまくやっていくコツだと言えそうです。
●ケースその⑦ 責任転嫁がひどく、自信が無い。ここだけの話、ドクターには不向きなドクター
何かあるたびに「これでいいのかな」「大丈夫かな」と看護師に意見を求めてきます。
うまくいかないと「君がいいと言ったじゃないか」と責任転嫁してくるタイプ。
医者としての自覚がほとんどありません。
看護師として、判断して良い事はさっさと自分で判断し、重要なことだけ、これでいいですねと念を押すような臨機応変な態度が望まれます。
くれぐれも、医療事故などに巻き込まれないよう、判断することの基準はしっかりと線引きしておきましょう。
また、こういう医師に限って、面接の際に、自分が頼りになる優秀な看護婦を採用しようとして、面接のハードルをやたら挙げてくることがあります。
見極めは難しいですが、自分自身のためにも、しっかりと相手を観察しておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。本当にいろんなドクターや施設長が存在するものですね。本当に素晴らしい人も、もちろん存在することはするのですが、見つけ出すのは至難の業かもしれません。転職する際にはその点を肝に銘じて、自分なりの妥協点を探るようにしましょう。看護師は、ドクターを手のひらで転がせるようになれば、一流だともいわれます。あくまでも希望ではありますが、心を広く持って、業務に邁進したいところですね。
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