アセスメントについてのアドバイス

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#1188 2020/09/02UP
アセスメントについてのアドバイス
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「痛み」という身近なものからアセスメントにいついて考えていきたいと思います。痛みというのはとても主観的なものですが、医療職としての情報収集のコツや情報収集したものからアセスメントにどうつなげるのか。ということを書いていきたいと思います。

今回は痛みのアセスメントの方法について書いていきます。
痛みというのはとても身近なものです。
私たち自身も経験することがおおいものですが、
医療職者として、向き合うときには客観的な情報というものがとても大切になります。
アセスメントはSデータ、Oデータなしにはできません。
ですから、情報収集がとても大切になってきます。
今回はアセスメントもふまえ、情報のとりかたについても記述していきます。

痛みがあるといわれたら、大抵の人は痛みの部位を尋ねると思います。
あとは
・痛みの強さ
・重い痛みなのか、ピリピリする感じなのか
といった感じでしょうか
しかし、それだけでは情報としては不十分なのです。

①痛みの部位に関しては、

「今どこが痛みますか、痛みのあるところを全て教えてください」
と聞くと良いときがあります。
それは、痛みの部位が複数ある患者の場合は、最も強い痛みのみ訴えることがあり、
がん患者においては痛みが1カ所ではなく複数持っていることが多いためです。

②痛みの強さについては

「痛みなしを0、最悪の痛みを10だとすると、今はどれ位痛いですか?」
と聞きます。
痛みの強さをはかるのにはペインスケールが重要です。
痛みというのは主観的でつかみずらいものですがスケールを用いることにより、
ある程度の客観性をもたせ、医療チーム内でも共通の認識をもつことができます。
しかし、ペインスケールでうまく表現できない患者さんもいますので、
その際は本人の伝えるSデータ(本人が話した内容)から考えるといいでしょう
また、【痛み自制内】とかいてある看護記録を目にすることが多々ありますが
この自制内という言葉はこれからは使わないようにした方がいいと
緩和ケアの認定ナースに教えてもらったことがあります。
これは看護師主体の言葉であって、患者さんが作った言葉ではないからです。
主役は患者さんでないといけないのです。

③痛みの性質を確認します

「どんな感じの痛みですか、重い感じですかそれともピリピリする感じですか」
など患者さんが表現しやすいようにいろいろ具体例を挙げて尋ねてみましょう。
帯状疱疹などの神経因性疼痛ではピリピリとした痛みが特徴です。

④痛みの持続時間、一日の変化

「痛みはいつ頃からありますか」「一日のうちで痛みに変化はありますか」
一日の痛みのパターンを知ることで鎮痛薬の与薬方法を変更するなど参考にできます。

⑤日常生活への影響

「痛みによって眠れなかったりすることがありますか」
痛みは日常生活のQOLを低下させるものであり、
痛みによって睡眠や食事、排泄などにどのような影響があるのか知ることは重要です。

看護師は「痛み」という言葉一つからいろいろ情報を引き出し、アセスメントしなければなりません。
新人で必要な情報を引き出して考察や評価することは大変難しいと思います。
まず、学生さんや新人さんの場合は情報収集が不十分であることが多いです。
私自身も新人の時は毎日の基本的な業務でいっぱいいいっぱいでアセスメントまで気が回っていませんでした。
しかし、経験を重ねるうちに気づきや考察などができるようになっていました。
しかしアセスメントは日々のルーティーン業務を淡々とこなすだけでは身につきません。
自身で「なんでこの症状が出たんだろう、なぜ先生はこの薬をだしたのだろう」
といろいろ考え、自身で疾患や薬について学んだり、先輩に教えてもらったり
そうやって少しづつ身につけてきたのです。
私自身まだ10年ほどの経験でまだまだ知らないことがたくさんありまし、
これからもいろいろな医療の知識を増やすことが大切だとおもっています。
いろいろ考え学ぶことでアセスメント能力が高まり患者さんへの理解も深まりますし、
しっかりしたアセスメントがあると看護計画も非常にたてやすいと思います。
アセスメント能力は看護力に直結していると思います。
看護学生の人はまず、実習でアセスメントの壁にぶち当たっていることと思います。
SOAPで記録を書くことに慣れていないうちは、苦行とも言えるでしょう。
私自身、学生時代は実習記録で散々苦労した経験があります。
いつも指導教員に「このアセスメントの根拠がわからない」
と言われていました。
座学は受けていても、医療の右も左も分からぬような学生には本当に大変だと思います。
しかし、実際に働くようになってからはそれほどアセスメントに苦戦した記憶はなく、
経験の浅いうちはつたない看護記録でしたが
先輩の看護記録をみたり、医師のカルテをみたりと
実際に患者さんと関わるなかで上述したように
いろいろ疑問に思って調べるうちにアセスメントが自然とできるようになっていました。

まず、アセスメントをするには情報収集からはじめて見ましょう。
気になる情報は話しを掘り下げて聞いてみたり、具体的な例をだして、
対象者が伝えやすいように工夫してみましょう。
そして情報収集したことをもとにして
そこからアセスメントとしての考察や評価にはいります。
情報はだれにでもとることができますが、考察や評価は知識がないとできません。
ですから、学びが必要になってくるのです。
「おなかが痛い」
という人がいたとします。
まず、基礎疾患があるのか、便秘や下痢ではないのか、食事はとっているのか、吐き気があるか
腸蠕動音は良好か、圧痛があるのか、体制によって変化があるのか、
食事の前と後で変化があるのか、などなど、一瞬にうちに考えられる疾患を予測し的確に情報収集しなければならないのです。
たとえば、腸蠕動音が弱いかもしくは聞こえない、金属音がする、おう吐がある。というのであれば腸閉塞を疑い医師に報告します。
様々な症状から評価しケアにつなげる必要があるのです。
また、病院でしたらすぐに医師がいますから、細かな情報共有ができますが、
在宅における看護や、施設などで医師が常駐していない場所では看護師のアセスメントというものが非常に大切になってきます。
その場合はフィジカルアセスメントの能力が非常に重要になってくるでしょう。
これは本やCDの勉強だけでなく、いろいろな対象者のフィジカルアセスメントを通して学ぶ必要があります。
正常な肺の呼吸音なのか、肺雑音が聞こえているのか、等と言うことです。
これはいろいろな対象者で回数を重ねないと分からないことも多いです。
フィジカルアセスメントについては、まずは本などで理解したのち、実践を通して感じ取っていく。
ということが大切かと思います。

今回は「痛み」についてのことを書きましたが、これは一例ですので、
たくさんの症状がありますから、少しずつ理解できるようになっていくとよいと思います。

「アセスメントって難しそう」「そんなことできるのかしら」
と思っている未経験の方、学生のかた、新人のかた、いると思います。
だいじょうぶです。
初めはみんなうまくできません。
大切なのは気づきと学ぶことです。
患者さんによりそい、その人のために何が良いか考えてみる。
そこが第一歩だと思います。

まとめ

患者さんに「痛い」といわれたときにどれだけ必要な情報を的確にとれるのか、
そして、そこからどうアセスメントするのかということが大切です。
それには、医療職者として様々な視点や知識が必要であるということです。
従って、日々の気づきや学びが大切であり、
学びや経験によってアセスメント能力が高まっていくということです。

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