手術室看護師に挑戦してみたい!と思っていても、どうやったらなれるかわからない、私には向いていないかもと諦めていませんか?手術室看護師になる方法、大切なこと、手術室で働くメリット、デメリットをお伝えします。
<手術室看護師になる方法は?>
・実は誰でも手術室看護師になれる
私は新人で配属され4年間手術室に勤務していました。
病院によっては数年の病棟経験が必要という場合もありますが、基本的には手術室所属を希望し、定員が空いていれば手術室看護師になることできるんです。
つまり新人採用の際に手術室を希望する、もしくは、手術室に移動希望を出す、のどちらかの方法で手術室看護師になることが可能なわけです。
新人で手術室看護師になると、1年目から先輩の手厚い指導やサポートが期待できます。はじめはわからない事も多いですがその分吸収できる知識も多いです。
中途で手術室看護師になると、それまでいた病棟、科での知識が活かせます。解剖や病態だけでなく、外科病棟でしたら患者さんの術前術後の様子を知っているため、その経験は術中の看護や術後の病棟への申し送りにも活かせます。
また、中途では十分に指導がないのでは?と不安に思うかもしれませんが、病棟とは環境が違うということは先輩たちも理解しているため、中途でも十分先輩がサポートしてくれます。
<手術室で大切なこと>
・常にコミュニケーションが必要とされる
私がいた病院では日々様々な科の手術を行っていました。
予定手術を行いつつ、緊急で手術が追加されることもあります。患者さんは麻酔を受けるリスク、手術を受けるリスクがあります。
何でもないような短い時間の手術でも、命の危険と隣り合わせの現場となるため、とっさの判断や対応が必要になってきます。
看護師としての自分の考えや判断も、もちろん大切ですが、チーム内のコミュニケーションがとても重要になってきます。
手術室には当日手術を行う科の医師の他に、麻酔科医師や臨床工学技士、放射線技師など多職種のスタッフがいます。
一緒に手術につく看護師も含め、チーム内での報告、連絡、相談が必要です。術中のコミュニケーションだけでなく、術前から手術に必要な物品の確認や、術後は患者さんの経過や注意点を病棟看護師へ正確に伝えるため、必要な事はないか確認します。
チーム間で十分なコミュニケーションがとれることは、スピーディーかつ安全な手術につながり、手術室看護師として大事な役割の一つです。
時には話しかけにくい雰囲気のこともありますが、お互いに必要なことなので、そこは遠慮せず、タイミング良く声をかけて円滑なコミュニケーションをとっていくことが重要です。
・臨機応変な対応と先を読む力
手術室ではその都度状況によって指示が変わる事があるため、臨機応変で柔軟な対応が必要です。
これから緊急手術が入るから、その手術いついて!と頼まれることはよくあります。また、手術の進行具合によってはあらかじめ準備していた物とは別の物品が必要になる事もあります。
術野を見ながら、次に必要とされる物品は何か、予測されることは何かを考え、あらかじめ準備しておくことがスムーズな手術に繋がります。
手術室ではいかに手術がスムーズに進み、無事に終わるか、ということが大切です。
医師がメインで手術を進めいていく中でも、看護師の準備や介助がとても重要になってきます。1歩、2歩、さらに先を読めると介助している自分にも余裕ができ、スピーディーに対応できます。しかし、はじめから対応できる事ばかりではありません。様々な状況を経験し対応力や先を読む力が身についてきます。
<手術室で働くメリット・デメリット>
手術室で働くメリット、デメリット、気になりますよね。
メリットとしては、
・手術を行う科全般の幅広い分野で勉強する事が出来る。
・病棟にはあまりなじみのない麻酔の勉強がしやすい。
・手術室から病棟に移動した場合、手術の知識が活かせる。
・様々な科の医師、看護師と関わる機会が多くあるため、院内に知り合いが増える、仲良くなれる。
・男性看護師が多いため、女性の職場特有の派閥がない。
・土日、祝日休みのため、予定が組みやすい、パパさんママさんが働きやすい。
・緊急手術がなかったり、予定手術が順調に終われば定時で帰れる。
などがあげられます。私個人的には土日祝日休みは大きなメリットとして感じていました。数か月先であっても事前に予定が組みやすく、同じ職場や医療職でない一般企業の友人とも旅行に行きやすかったです。また、パパさんママさんも、お子さんの行事にわざわざ休みを取る必要がないため、そこも良いですよね。病院によっては手術室で夜勤がある事もありますが、勤めている人数によっては頻回に夜勤になることはありません。基本的に日勤が多いため病棟に比べると生活リズムは崩れにくいと思います。
デメリットとしては、
・新人から手術室勤務になると、病棟で必要となる看護技術は経験できないため、移動や転職がしづらくなる可能性がある。
・オンコールがあるため、月に数回呼び出しがある。
・手術が終わらない時は体力勝負になることもある。
・夜勤が少ない、または無いため、病棟に比べると給料が下がる。
などがあげられます。私は手術室勤務後に病棟へ移動していますが、清拭やオムツ交換などの病棟で必要とされるような看護技術のほとんどが学生時代の経験のみでした。卒業してから時間も経っていたため、移動直後は手順など思い出すのが大変でしたが、すぐに習得できその後は大きな支障なく業務できていたと思います。私のように病棟へ移動する看護師もいますが、長年手術室に所属し、手術室看護を極める方もいるので、新卒から手術室に配属されることが必ずデメリットになるわけではないと思います。また、病棟から移動してきた後輩の看護師が感じた一番のデメリットが給料でした。それまで病棟で夜勤に入っていた回数にもよりますが、夜勤回数が減るため、病棟勤務より給料が高額になる可能性は低いと思います。しかし、病院によっては手術室に勤めていることによる手当や加算があるかもしれないため事前に確認してもよいでしょう。
<手術室看護師に向いているのは?>
なんとなく手術室がイメージできてきましたか?
これまでのことも踏まえ、私が実際に勤務して感じた範囲でオペ室に向いているタイプは
・勉強が好き、解剖や手術が好き
・スピーディーな展開、仕事が好き
・何か仕事をしていないと気が済まない
・体育会系な方
・コミュニケーション能力が高い
手術室は日々勉強です。
新しい術式につくことになれはその都度勉強するため、勉強が好きな方はぴったりです。また、医師によってこだわりの手術道具や順番もあるため、暗記が得意だとさらに良いと思います。男性看護師が手術室に多くいることから、男性看護師も手術室に向いているかもしれません。また、手術室では術前術後に患者さんに挨拶へ伺いますが、短時間で必要な情報を収集してくる必要があるためやはりコミュニケーション能力は重要になってきます。
逆に、向いていないのは
・血や内臓が苦手な方
・患者さんとじっくり関わりたい方
・ゆっくりとした仕事が好きな方
特に患者さんと関わるのは術前術後のみで、病棟に比べると患者さんと話す時間が圧倒的に少ないため、患者さんとゆっくり話したい、じっくり関わりたい方は、手術室ではやりたい事、やりたい看護が出来ないと感じるかもしれません。また、手術室では常にスピーディーなやりとりが求められます。咄嗟の判断や早い対応が苦手な方は思うように仕事が進まない可能性があります。
上記に当てはまるから絶対に向いている、向いていないというわけではありませんが、参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
手術室では病棟に比べて、どんな看護を行っているかがイメージしにくいかもしれませんが、手術が始まる前から終わった後まで多岐にわたります。実際に手術室に勤務してみると、たくさんの看護や、やりがいに気が付くと思います。今回の記事を読んで少しでも気になるな、と思った方、ぜひ手術室看護師に挑戦してみてくださいね。
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