看護師の就職・転職の際に、最終関門となるのが「面接」です。面接で、マイナスのイメージを与えてしまうと、そのまま合否に繋がる可能性が大いにあります!ここでは、そんな面接の時に使える、プラスイメージの言い換え術をご紹介します。
就職活動の際、医療業界だけではなく、ほとんどの職場で、面接という最終関門が待っています。特に、看護師の就職・転職では、その職業柄、コミュニケーション力や人柄、看護観などが採用の合否に大きく関わってくるため、採用にあたって、面接はとても重要なものになります。面接を失敗したら、そのまま不採用に繋がると言っても過言ではありません。そこで、ここでは、そのまま伝えてはマイナスイメージになってしまう言葉を、反対にプラスイメージにする、<言い換え術>をご紹介したいと思います。
【面接でよく聞かれる質問】
①自己PR
自己PRでは、わざわざ自分からマイナスとなることを話す人はいないと思います。この質問をされたら、ラッキー!という心持ちで、自分をアピールしましょう!面接官は、履歴書などの書類と、面接のほんの少しの時間で得る、印象や話の内容でしか、あなたという人物を判断できません。ですので、出し惜しみはNGです。積極的にアピールしましょう。
前職のある人は、今までの職場で何を学んできたか、どんな経験をしてきたかを話すと、相手も能力がイメージしやすくなります。そして、学んできたことや経験が、その就職先でどのように活かせるのか、貢献できるのかという内容に繋げましょう。また、前職も看護師で、リーダー業務・学生指導者・プリセプター・委員会活動・看護研究…などの経験や実績があれば、是非伝えて下さい。即戦力としてのプラスイメージが大切です。
初めての就職の場合には、自分の長所や強みを話しましょう。こちらも、その長所や強みが、その就職先でどのように活かせるのか、貢献できるのかという内容に繋げます。接客業などのアルバイト経験や、接遇研修の参加、パソコンスキル…等も、看護師の仕事に役立つものなので、アピールすると良いです。
※長所と短所を述べる場合:
短所は、必ずマイナスイメージが少ないように言い換えが必要です。
たとえば、
・「マイペース」協調性がない・チームワークができないという印象
→「落ち着いている」
使用例:「私は少々マイペースなところもありますが、その分、どんな時にも落ち着いて行動することができます」
・「真面目・几帳面」少し窮屈な印象や融通がきかないと思われてしまう
→「丁寧」「細かいところに気づくことができる」
使用例:「真面目なところが取り柄で、丁寧さや細かい気配りを評価していただくことがあります。ただし、真面目すぎるところは短所になりうるので、柔軟に対応できるように心がけています」
…といったように、長所と短所を、うまく言い換え、
<長所は謙虚に、短所になりうることを加える>
<短所はワードを言い換えてプラスイメージになる言葉を選び、努力や克服しようとしている旨を加える>ことを意識して伝えると、好印象になります。
②退職理由
転職の場合、とても聞かれることが多いのが、退職理由です。嘘をつく必要はありませんし、あまりに本心とかけ離れた面接用の理由にすると、追及された際にほころびが出て悪い印象を与えてしまいます。しかし、実際の退職理由をそのまま発言するのはおすすめできません。
まず、ステップアップの為や、どうしてもその職場で働きたい!という思いの強い人は、その意思を正直にぶつけましょう。ただし、前職の学びや経験を踏まえて、「面接先の職場で何がしたいのか」「活かせることは何か」「どういうところに魅力を感じたのか」…など、志望動機に繋がるように答えると、伝わりやすいです。
次に、退職理由が、実際には、人間関係・いじめ・忙しい・残業が多い・給与が安い…といったマイナス要素の場合には、言い換えが必要です。何故なら、そのような退職理由だと、面接先に「コミュニケーションが苦手なのではないか」「ここでも人間関係で辞めるのではないか」「うちも忙しいし残業もあるけど…残業できない人なのか」「楽をしたくて志望したのか」「給与だけで志望したのか」…など、マイナスイメージを与えてしまうからです。
・「人間関係・いじめ・上司と合わない」
→上記のことには触れずに、前職と面接先の病院の違いを調べ、「前職でできなかったこと」や「新たに挑戦したいこと」についてを理由として話しましょう。
・「忙しい・残業・給与」
→上記と同様に対処します。どうしても伝える必要のある場合は、どのように忙しかったのか、通常の範囲を超える残業であったことなどを、具体的に話します。ただし、できる限り、この内容には触れないことがベストです。給与面についての言及は控えましょう。
・「結婚・転居・育児・介護」
→それぞれの生活や家庭事情があり、仕方のない理由ですが、「それが理由で退職したのにうちで働けるのか」という不安を与えてしまいます。事情を正直に話した上で、「こちらだったら継続して働ける」という明確で前向きな理由を、具体的に付け加えましょう。
・「体調不良」
→体調不良や慢性的な疾患があると、どこの職場でも「業務に支障がないのか」「また体調不良で辞めるのではないか」とマイナスイメージを持たれてしまいます。完治している場合には、敢えて特に話す必要もありませんが、退職理由がこれしかない場合には、正直に話し、どのようにしていつ完治したのかを具体的に話し、現在は健康で仕事に支障がない旨を明確に伝えましょう。一方、現在も治療中や症状が出る場合は、隠さずに、医師の診断・症状・服薬・治療の状況を説明し、面接先の職場で勤務するにあたり支障がないことを具体的に説明しましょう。ただし、これらの場合は、いくらうまく発言したとしても、就職してから体調を崩されてしまう不安はぬぐえないため、不採用と判断されるリスクが高いことは覚悟しましょう。
③履歴書から気になる、転職歴・ブランク・退学等について
特に、履歴書に問題のない人はあまり追及されることがないかもしれませんが、短期間で何度も転職をしている、学歴や職歴の間にブランクがある、学校を退職している…など、不自然に感じられる項目があると、そこを詳しく追及されることが多々あります。こうした経歴のある人は、あらかじめ、追及されても良いように必ず答えを準備しておきましょう。「職場がころころ変わる」「一つのことが続かない人」などのイメージを与えないように、嘘のない範囲で、前向きな理由にシフトしましょう!
【予想外の質問へのアドバイス】
ここまでは、マイナスイメージの出やすい、よくある質問に対しての対策をご紹介してきましたが、最後に、予想外の質問をされることを想定したアドバイスをお伝えします。
就職面接の場合、比較的に窓口の広い職場や人手不足でとにかく入ってほしいという職場は、よくある質問や前向きな質問の面接が多い傾向にあります。反対に、高待遇で人気の職場や応募者に対して採用枠の少ない職場は、応募者をふるいにかけるために、圧迫面接や予想外の質問を入れる面接になりがちです。ただでさえ緊張している面接で、準備をしていない質問をされると、頭が真っ白になってしまい、「何も答えられない」「しどろもどろしてしまう」など、マイナスイメージを与えてしまう事態になりかねません。
①転職の際にはなるべく転職サイトを利用
転職サイトを仲介すると、面接先の方針で拒否がない場合を除いて、担当者が一緒に面接の場にいてくれるので、一人で受けることと比べると緊張が和らぎます。また、面接で多少の失敗をしても、「緊張していたみたいですが、普段はもっとハキハキ話す方ですよ」などと、面接後にフォローしてもらえることもあります。さらに、事前に、その就職先でよく聞かれている質問を教えてもらえます。したがって、一人で何も情報のない状態で面接を受けるよりは、安心して臨むことができます。
②最低限の看護の知識は再確認しておく
職場によっては、医療や看護の知識を質問してくる場合があります。国家試験で学んだことなどを、今一度、再確認しておきましょう。また、最近の時事(特に医療関連)については、しっかり押さえておきましょう。
③とにかく答える
面接で一番マイナスイメージなのは黙ってしまうことです。どんなに予想外の質問をされても、頭が真っ白になっても、その場で考えて言葉にしましょう!
職場の採用方針にもよりますが、予想外の質問をするのは、多くの場合、「何を答えるか」「正確な解答か」ではなく、「予想外の質問をされた時にどう対処するか」「緊張している中でその場で考えられるか」などから、人間性や対応力を見るためです。何故なら、予想外の質問をされたり、頭が真っ白になった時こそ、その人の本性や人間性がわかるからです。そのために、あえて準備してきていないであろう質問をしてくることが多いのです。
私自身も、以前、転職の面接の際に、次々と予想外の質問をされたことがあります。もともと緊張している中で、3対1の圧迫面接であり、たたみかけるように準備していない全く予想外の質問が続きました。最後には、看護学生の基礎レベルの問題を質問されましたが、すっかりと抜けてしまい、しどろもどろでおかしな回答をしてしまいました。絶対に落ちたと思い、その場で泣きそうになりましたが、後日採用の通知が届きました!就職してから随分経って、看護部長と話す機会があり、面接の時の話になりましたが、「一つ一つの質問を、一生懸命その場でしっかり考えて真摯に答えているところが良かった」という言葉をいただきました。どんな質問をされても、答えがわからなくても、なげやりにならず、自分の言葉で伝えることが、一番のプラスイメージであると思います。是非、ご参考下さい。
まとめ
ご覧いただき、ありがとうございました。面接は、就職の際には逃れられない最終関門です。しかし、自分自身を見てもらうことのできる唯一の場でもあります。どんなに準備をしても、面接の当日には、緊張しますし、答えづらい質問が出てくることもありますが、マイナスをプラスにする意識と、誠心誠意で言葉にすることを、是非実践していただけたらと思います。
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