アセスメントは看護師にとって必要不可欠なものであると言えます。アセスメントとは何か…私が日々の中で簡単に行っているアセスメントを紹介したいと思います。考え方一つで変われることがあると思います。是非参考になったらと嬉しく思います。
①まず初めにアセスメントとは何かを考える
アセスメントとは、患者様の問題を抽出して、看護計画を立案、実践、評価していくこと。また、対象者を取り巻く看護上の問題点を理論的に分析すること。です。言葉では難しく書かれていますが、要するに、「方向性を定めて看護していくこと」だと私は捉えています。看護師や患者様の方向性が定まっていなければ、いくら看護をしたとはいえ、無駄なものになってしまう、なんてことも出てくるかと思います。方向性というのは、自分1人だけの方向性ではなく、患者様、家族、医師、看護師、他職種…患者様を取り巻いている全てのものとの方向性です。看護師の考えだけでは、よりよいアセスメントには繋がりません。患者様、全体を見ることが大切です。全体をみていずのアセスメントでは、看護師本意であり、アセスメントとは呼べないでしょう。
②では実際にどのようにアセスメントを行なっているのか
私は、アセスメントと行うときに、まず入院目的は何なのか、を考えます。患者様は一つの疾患だけを持って入院してくるとは限りません。そうすると、疾患全てをみようとしてしまって、何の看護をしているのかが不透明となってしまいます。ですから、今回入院した目的や経過をしっかり捉えて、患者様像を自分なりに作り出し、問題はどこにあるのかを考えていきます。
それから、看護計画を立案していくことになりますが、このときには1人で考えるのではなく、周りの看護スタッフや医師へ、自分なりに作り出した患者様像や問題点にズレがないかを確認していきます。看護師は、さまざまな患者様に関わり、さまざまな科を経験しているので、1人で考えるよりも情報獲得に繋がると言えます。また、医師の治療方針に基づき看護していくことも重要であるため、わからないことは積極的に意見交換を交わすと良いでしょう。また、私の病院では、看護計画のカンファレンスを設けて、患者様をランダムに抽出し、看護計画の内容に個別性が見えているか、看護計画が妥当であるかを話し合う機会を設けています。話し合いの中でみえてくる患者様像もあります。どうしても患者様を受け持つ回数が看護師間で偏りがみられてしまうと、その分関わりを持てていない看護師が得られる情報に限度があります。しかしカンファレンス時間を設けることで、知らない情報からまたさらにステップアップした看護計画を立案していける機会となっています。看護計画の焦点がずれていても、それは間違えではないので、立案者を特定して責めることは禁忌です。よく、なんでこんな看護計画なんだ!と責める人がいますが、その時はその看護計画であっただけで、そこから色々な関わりを経て変化したものであり、その変化はとても良いものなのです。そのようにして、私はアセスメントを行っています。
③一度アセスメントしたからといって終わりじゃない!
患者様の状況は毎日変化するものですし、関わりを持てば持つほど情報が増えていくものです。そうすると、アセスメントは変化していきます。最初にこう捉えたのに、今はこう捉えていて変なのかな?と思う必要はなく、むしろ、良い変化であるでしょう。例えば、今は業務の時短化などの理由から、アセスメントや看護計画がプレート化されている病院が多いでしょう。入力一つで文章が出てくると、癌=アセスメント①、肺炎=アセスメント②、と固定化してしまいやすく、全く患者様の個別性が見えてきません。また1人がアセスメントしている内容を、連続して使用してしまう場合も良くありません。それはただの例であり、完成形ではありません。そこから、患者様の言葉一つ、症状一つをしっかりと観察し、なんでいまこのようなことを言っているのだろう?、なんでいまの熱が出てるのだろう?、などと常に疑問を持って患者様と関わっていくと見えてくるものがあると思います。
④アセスメントを難しく考えない
アセスメントという言葉を聞くだけで苦手意識を持ってしまう方がいますが、アセスメントは看護師業務ではない日常生活でも自然におこなっていることだと思います。友達が悩んでいるときに話を聞いて想いに寄り添ったり、子供が熱を出したら熱が下がる方法で看病したり…。答えがなく分からないながらにも自然にアセスメントを行っていることかと私は思います。患者様に良い看護を提供したい!寄り添いたい!という気持ちがあれば、難しく考えずとも自然に思いが溢れくるでしょう。その思いの中に、アセスメント力は潜んでいると考えます。看護師は根拠を持って行動しなければならないので、その自然な思いに知識を肉付けしていこうと行動を習慣化すれば、自ずと見えてくることがあると思います。
⑤自己学習は忘れずに
医療は進歩していくものです。看護師のアセスメント力には適切な知識が必要です。知識量があれば、患者様のより良いアセスメント力から、より良い看護につながっていくと考えます。そうすると、看護に対して自信がつき、患者様と積極的にコミュニケーションが取れると思います。私もまだまだ勉強しなければならないですが、患者様のためにと考えると勉強が楽しく感じられます。本屋さんにいくと、漫画で描かれてる分かりやすい参考書などもあるので、難しい文章で書かれている物を読むのが苦手な人は、そのような本から知識を得ていくことも一つ手であると考えます。また私は看護協会に入会しているので、看護協会主催の研修へも積極的に参加をしています。その研修でただ座学をするのではなく、他の病院や施設などからきている看護師とも積極的にコミュニケーションを図る中でみえることもあります。
⑥自信がつくと変われる!
私は、新人看護師とのき、コミュニケーションを取るのが苦手で、もちろんアセスメントも苦手でした。そのため、避けてしまいたいと思うようになったこともあります。しかし、そんな自分ではダメだと、先輩看護師のアセスメント力をみて感じて自己学習を進めていきました。自己学習を進めていく中で知識が増えて自信が持てるようになった時から、患者様や家族様へ対して積極的にコミュニケーションを図ることができるようになりました。コミュニケーションが図れるようになると、今まで見たことのない患者様像を知ることができ、その中からアセスメントを行うことで、さらなる学びもありました。世界は広いんだなと感じる瞬間でもありました。1番は、そのように努力している中で患者様や家族様にありがとうと言われた時は頑張ってよかったな、と感じるとともに、涙が出てきたこと、今でも忘れずに覚えています。そのような経験から、何事も努力が必要なんだ、簡単に出来る様になるなんて甘い話はない、一つ一つクリアをしていけるように、自分の考え方を改める必要もあるんだと、学ぶきっかけになり、今でもその気持ちを忘れずにいます。
まとめ
1人だけでアセスメントをしよう、しなきゃ、と考えるのではなく、周りとのカンファレンスも大切であり、患者様とのコミュニケーションだけでなく、家族や医療従事者とのコミュニケーションも、必要不可欠であるということです。また、自己学習をしていくことが自信につながり、その自信もアセスメント力につながると言うことです。
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