自己分析によって自分を知るのは就職活動に向けて必要なことだということがよく知られています。ただ、どんな手順でやると良いかがわからない場合は多いでしょう。この記事では看護師におすすめの進め方を紹介するので試してみて下さい。
<自己分析の目的を理解しよう>
自己分析をするにあたってまず大切なのが、自己分析とはそもそも何のためにやるのかを理解することです。
一般的には自己分析は自分自身のことを客観的に理解するために行われます。強みを見つけて伸ばしていき、弱みを補っていくことで自分を成長させようと考えて自己分析をすることが多いでしょう。
気が病んでしまったときに自己分析をして客観的に自分を見つけ直すことにより立ち直ろうとする試みもよく行われています。
しかし、就職活動における自己分析の目的は少し異なるので注意しましょう。就職活動における自己分析は志望先に自分の人材としての魅力を伝えて内定をもらえるようにすることが大きな目的です。
その実現のために自分を成長させたり、気を取り戻したりする必要がある人もいるかもしれません。しかし、基本的には履歴書やエントリーシートに記載する内容や面接での質疑応答の内容を充実させて、ポテンシャルが高い人材だと認めてもらうために自己分析をすると考えるのが大切です。
<目的から何が必要かを考えよう>
就職活動における自己分析の目的がわかったら、自己分析を通して何を得られれば良いのかを具体的に考えてみましょう。
内定をもらうためには看護師として雇ったらきっと活躍してくれると思ってもらわなければなりません。
新卒採用は基本的にはポテンシャル採用なので、実習でうまく注射を打てたといった技術的な部分はあまり考慮に入ることはないと考えましょう。内面に秘める能力の方が重視されるのです。コミュニケーション能力が高い、向学心がある、根が優しい、包容力があるなどといった長所を持っていると看護師として期待されるでしょう。てきぱきと行動できる、臨機応変な対応ができる、スケジュール管理が得意などという点も高い評価を受けます。
ただ、このような長所があると口で言っただけでは本当だと納得してくれる可能性はあまりありません。言うだけなら誰でもできるので、根拠を持って説明して納得してもらうのが大切です。つまり、自己分析では看護師として持っていると魅力と考えられる長所を見つけていき、さらにその長所があることを示す根拠を探し出すのが重要になります。
<自己分析は過去の体験から考える>
就職活動に使う目的で自己分析をするときには過去の体験を分析していくのが簡単な方法です。新しいエピソードの方が根拠として納得してもらいやすいので、今から順々にさかのぼって記憶をたどっていきましょう。
看護学校で病院実習をしていたときのことを思い出してみるのは特に効果的で、面接のときにも看護師として現場で働いているときに同じようなことがあるだろうと想定してもらいやすいでしょう。
患者との会話を通して患者から感謝の声をかけられた経験があれば、話し上手や聞き上手、コミュニケーション能力があるといった話ができるでしょう。特に喜ばれた点が何だったかを思い出して面接で話してみると具体性があって、確かに本当にエピソードだろうと思ってくれます。
失敗した経験を切り口にして話をしてもよく、静脈注射がどうしても苦手でできなかった時期があるなら取り上げてみましょう。根気強く手伝ってくれる同級生がいたお陰で毎日練習したらできるようになったという話に展開して、手先が器用とは言えないけれど努力する力があるというアピールをすると将来の成長を期待できると評価してもらえます。
学業に関わることだけでなく私生活について考えてみるのも大切です。いとこから一ヶ月ほど姪を預かって世話をした経験があるといった場合にもエピソードとしては語りやすいでしょう。例えば、めいとは初対面だったのにすぐになついてしまい、人見知りのはずなのにといとこに驚かれたといった話をして、誰とでもすぐに打ち解けられる性格だというアピールをすることができます。他人からの評価を盛り込むのは客観性があるので信用してもらいやすく、自己PRをするときには盛り込んでおきたいポイントです。
課外活動についても自己分析をしておくに越したことはないですが、志望先によってはサークル活動やアルバイトなどの話を上げるのをあまり好まないこともあるので注意が必要です。しかし、介護施設や障がい者施設などでボランティア活動をしていたときのエピソードや、運動部のマネージャーをしていたときの話を題材にするのは看護師の仕事と関連する部分があるので前向きに捉えてくれることが多いでしょう。
この分析をどこまでもさかのぼってやっていきましょう。
近い時期のエピソードほど説得力がありますが、昔にも同じようなことがあったというストーリーにできると、その強みが自分に深く刻み込まれている能力だということを伝えられます。このようにして自分の特徴がわかる体験をたくさん思い出していき、表にして簡単にまとめてみるのが良い方法です。この表に基づいてもう少し具体的に自分の看護師像を作り上げるのが次の段階になります。
<看護師としての自分を作り上げよう>
自己分析をしていくうちに自分の色々な面が見えてきて、その根拠になる話もたくさんあるのがわかってきたでしょう。
ただ、就職活動ではその全てを語るほどの時間はありません。その中からいくつかをピックアップしていき、就職活動をしているときの自分の看護師像を作り上げるのが良い方法です。
個別の履歴書対策や面接対策では自分の長所を一つか二つ取り上げてエピソードを根拠にして説明していくというやり方が一般的になっています。
しかし、志望先に合わせてどの長所をアピールするかを考え、面接の時間に合わせて話す内容を毎回細かく決めていくのはかなり大変です。かといって、大学病院を受けるときと街中の中小クリニックを受けるときに同じ準備をして面接に行くわけにはいきません。それぞれの現場で求められている看護師の姿が異なっているからです。この総合的な対策として自己分析に基づいた自分の看護師像を作ることなのです。
看護師像とは看護師として働くときにどんな看護観を持って患者に接したり、どんな医療観を持って医師のサポートをしていったりするかを総合的にイメージしたものです。
私は会話をしているといつも自分も楽しく、相手も笑顔になってくれるからコミュニケーションを大事にして皆に元気になってもらいたいというのは大切な看護観でしょう。
私は観察眼があるから落ち着いて患者のことを見て、何を期待しているのかを察して声をかけたり、医師に助言をしたりしていきたいというのも優れている視点です。一つに限らず色々な見方でどんな風に患者のためになりたいか、医療の推進に携わりたいかを考えていくことで自分の看護師像ができていきます。その軸がぶれないようにしながら履歴書を書いたり、面接で受け答えをしたりしていれば自信のある様子を感じ取ってもらえます。
自身があるのはプロフェッショナルとして重要なことで、患者からも医師からも、周囲の看護師からも信頼を得られるようになる基本です。それがはっきりと伝わることに加え、看護師としてどのように働いていきたいかも明確になっているという点で高い評価を受けられるようになります。このようなところに行き着くのが自己分析の最終的なゴールだと考えましょう。自分なりの看護師像ができないときにはまた過去の体験を思い起こす段階に戻り、自分にもっと強みがないかを探っていくのが大切です。
まとめ
看護師が就職活動のために自己分析をするときには、看護師としてのポテンシャルがあることを根拠を持って示せるようにするのを目的にしましょう。過去の体験を思い返しながら、そのエピソードを根拠にしつつ強みを探し出していくのが大切です。そして、その分析に基づいて自分の看護師像を作り上げ、自信を持って選考に挑めるようになったら自己分析は完了です。す。 是非人生の最大のイベントとなる転職の際参考にして頂けたらと思います。
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