育児を終えてこれからブランク明けの転職を目指したいというときにどんな仕事の探し方をしたら良いかで悩んでしまうことはよくあります。再就職のときに使いやすい四つの方法を紹介するので、どのようにして仕事を探していくと良いかを具体的に考えてみましょう。
<四つの方法を候補にしてみよう>
看護師は中途採用が活発に行われているので仕事を見つけやすい状況はあります。ただ、探し方によって出会える求人も違い、探しやすさも異なっているので注意しましょう。まずは代表的には四つの探し方の特徴を説明します。
・ハローワーク
ハローワークは公的機関によって提供されているサービスで、失業している人が就職先を見つけるのを支援する目的で運営されているのが特徴です。在職中の人は利用することができませんが、既に退職して子育てに専念していた看護師ならすぐに登録したサービスを使うことができます。パソコンを使って求人を検索することもできますが、窓口で相談をしてどんな仕事が良いかを説明すると候補を紹介してもらうことも可能です。
ハローワークには施設が無料で求人を出せるので、地域の施設からは大抵求人が出されているのが特徴です。民営の採用支援サービスを利用すると広告料や手数料などを払わなければならないので施設にとっては大きな負担になります。そのため、ハローワークにしか求人を出していないケースもしばしばあります。地元で再就職をしたいと考えている人にとって候補が豊富な探し方でしょう。
また、ハローワークでは職業訓練を実施しています。再就職する前に資格を取っておきたいというときには、該当する職業訓練が設けられているかを確認してみましょう。介護系の初任者研修などは格安で受講できるようになっていて、就職にも有利になることから利用する価値があります。
・地元看護師協会の就職支援
各都道府県の看護師協会では看護師の再就職を促すための就職支援活動を行っている場合がほとんどです。潜在看護師を現場に引き戻し、地域の看護師不足の解消を目指す取り組みとして位置付けられています。地元看護師協会に加入している施設が求人を出せる仕組みになっていて、医療法人であれば大抵が登録しています。そのため、個人クリニックや介護施設からの求人はあまりありませんが、病院や大手クリニックからの求人が多いのが特徴です。
就職支援にどの程度の力を注いでいるかは地域によって差が大きく、ただ求人を掲載しているだけの地域もあります。一方、電話での相談を受け付けていたり、再就職支援やブランク支援を実施していたりすることもあるので、どんなサービスがあるかを確認してみましょう。
・求人サイト
求人サイトは看護師に限らず色々な職種の仕事を探している人たちがよく利用している求人媒体です。オンラインで簡単に求人を検索できるのが魅力で、看護師の場合には専門サイトを利用することができます。看護師を対象とした求人だけが集められていて、総合系の求人サイトには掲載されていないものもたくさんあります。
施設としては求人サイトに広告を出すのに費用がかかるのでためらいがちですが、人材の確保が急務の現場や経済的に余力がある大手では積極的に求人を出しています。ブランク可という求人だけでなく、未経験歓迎という求人すらあるので、ブランク明けの転職でも有効活用できるでしょう。
また、求人サイトにはスカウト募集のシステムが盛り込まれているところが多くなっています。履歴書や自己PRをアップロードしておくことで、興味を持った施設からオファーを受けられるのがスカウト募集の特徴です。そろそろ再就職をしたい頃になったらスカウト募集をかけておき、オファーがあったタイミングで働き始めるということができるでしょう。履歴書などから判断して期待の人材というときにだけスカウトがあるので、キャリアや経験を生かした仕事を任されることが多くなっています。仕事探しを始めるときには専門サイトに登録しておくのが賢い方法です。
・転職エージェント
転職エージェントは転職や就職をしたい人のためのマッチングサービスです。やりたい仕事は何か、年収はどのくらいを希望するか、今まで抱えてきた不満は何か、将来はどのようにして働きたいかといったことをヒアリングしてくれて、その内容に合わせて求人を紹介してくれる仕組みになっています。他のサービスと違うのは自分で無数の求人の中から希望に合っているものを探す労力をかけずとも、エージェントが適切な求人をピックアップしてくれることです。看護師専門や医療職専門の転職エージェントも多く、ブランク前に積んできた経験を生かせる現場を探してもらうこともできます。エージェントによっては普段から現場に出入りしていることもあって、職場の雰囲気などへのこだわりも考慮した求人の選定をしてくれます。
転職エージェントは人材紹介会社でもあり、施設からの依頼を受けて人材の紹介をしています。紹介料が雇用した看護師の年収の35%くらいが相場なので、本当に必要な人材を確保したいときにだけ活用されているサービスです。ただ、求人が少ないということはなく、転職エージェントでは求人サイトなどに掲載されている公開求人も加味して紹介してくれるのが通例です。
また、転職エージェントは応募や選考の際に支援をしているのも特徴です。推薦して選考を受けてもらうという形になる場合が多いため、履歴書の書き方や面接の受け方などを教えて優秀な人材として施設に受け入れてもらうことを目指しています。ブランクがあるのをどう説明したら良いかわからないといった悩みがある看護師にとって魅力的なサポートになるでしょう。
<どのサービスも併用できる>
四種類のサービスを比較してみるとどれも一長一短なことがわかります。ただ、一つに絞って利用する必要はなく、どれも並行して使って探して問題ありません。例えば、まだ小さい子供がいるうちはいつ仕事探しに時間を取ることができるかがわからないでしょう。その場合には24時間いつでも探せる求人サイトを使うのが合理的で、看護師協会の情報も閲覧できるでしょう。再就職のときにはいつから働き始めるかが悩みになりがちですが、事前の情報収集としても求人サイトや看護師協会の情報は便利です。本格的に仕事を探そうと思った時点でハローワークや転職エージェントを利用し始めるとさらに選択肢も広がり、サポートも受けられるのでスムーズに入職できるでしょう。
<ブランクがあるときには準備が必要>
ブランク明けの転職では看護師には準備が必要です。ブランクがあるのを不安に思っていると書類に書く内容や面接での対応に悪影響が出てしまうリスクがあります。自信を持てるようにするためにブランク支援を予め受けておくようにしましょう。地方自治体や看護師協会が地元の病院と連携してブランクを埋めるためのセミナーや講習会を実施している地域が多くなっています。医療技術や看護の考え方の変化について講義を受けたり、採血などの基本的な技術の実習をする機会を得られたりするのがブランク支援の特徴です。
もしこのような支援を受けられない地域なら仕事先の福利厚生を確認するようにしましょう。特に病院では潜在看護師に応募してもらうために、入職後にブランク支援のための教育研修期間を設けていることがあります。このような施設を選んで応募すればブランクがあってもマイナスに評価されることはなく、前向きな姿勢を見せれば採用の方向で検討してくれるでしょう。採用されてから現場に立つまでに昔の勘を取り戻せるので、安心して仕事を始められるという点でも魅力があります。
まとめ
看護師がブランク明けで仕事を探そうとしたときにはハローワーク、看護師協会、求人サイト、転職エージェントを活用できます。それぞれに特徴があるのでうまく併用して求人を探し出しましょう。再就職では不安が採用を見送られる原因になりがちなので、ブランク支援を受けて自信を取り戻しておくのが成功の秘訣です。
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