看護師を拒否する気難しい患者さんと上手に接していくコツ

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#1128 2020/07/06UP
看護師を拒否する気難しい患者さんと上手に接していくコツ
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看護師として働いていると、だれしも一度は患者さんから拒否された経験があるのではないでしょうか?すべての患者さんが治療や看護処置に対して積極的であるわけではなく、看護師に対して好意的でもありません。
そんな患者さんにどうやって対応されていますか?
今回は看護師を拒否する患者さんと上手に接していくコツをご紹介したいと思います。

1、情報収集をする。

患者さんの現状、病状、主訴、既往歴、入院前の生活スタイル、仕事、家族構成、性格などあらゆる情報を収集しましょう。
入院前後の変化を知ることでその患者さんの背景を知り、なぜ看護師を拒否するのか、理由や問題点を見いだすことができます。
入院前から気難しい性格だったのか、それとも入院後、病気発覚後から性格が変化したのか知ることもできます。
また、精神的、身体的サポートしてくれる家族はいるのかも把握しておきましょう。サポートをしてくれる家族がいる場合には、家族からの情報収集も忘れずに行ってください。家族の協力を得ることはとても大切です。看護師の話は聞かなくても家族の話は聞く、なんて患者さんも少なくないですよ。サポートしてくれる家族がいる場合にはおおいに活用させてもらいましょう。

2、情報共有をする。

患者さんに関しての情報共有をしっかり行いましょう。看護師間はもちろんのこと、医師や作業療法士、薬剤師、看護助手などその患者さんに関わるすべての医療従事者と連携を図り、コミュニケーションを密にすることで、患者さんの現状、問題点をあらゆる面から知ることができます。
もしかしたら看護師だけでなくリハビリ中や服薬指導中なども拒否的で非協力的かもしれませんね。
また、残念ながら医師に対しては素直で治療に積極的な態度なのに、看護師に対しては文句ばかり、看護処置は拒否ばかりなんて患者さんがいるのも事実なんですね。そういった患者さんにどのように関わっていくか、どうやって関わることができるのか、対処法を見いだすためにも情報共有は必須です。

3、環境を整える。

なるべく入院前の生活スタイルに近い入院生活が送れるように生活環境を整えてあげることが大切です。入院によって入院前にできていたことができなくなるということは、患者さんにとってとても大きなストレスになります。ストレスにより痛みが増大してしまったり、イライラして情緒不安定になってしまったり、夜間ぐっすり眠れず昼夜逆転してしまったりする患者さんも少なくありません。ストレスから治療や看護処置に対して拒否的になったり、非協力的になってしまうこともあります。
入浴や清拭、食事の時間や消灯時間は病院ごとに決まっていて変更することはできないかと思いますので、入院時に患者さんへしっかりと説明し同意を得ておくことも大切です。その他の時間を患者さんがなるべくリラックスして過ごせるように配慮することが大切です。サポートしてくれる家族がいるのであれば、可能な範囲で面会に来てもらえるように協力を得ましょう。家族がそばにいるだけでリラックス効果は絶大です。家族がいる間は治療や看護処置に協力的になる、なんて効果も得られます。

4、訴えを傾聴する。

3つ目で述べた環境を整える、をすることで患者さんが意見を表出しやすい状況を作りだすことができます。いろいろな制限のある入院生活の中で、看護師に話を聞いてほしいと思っている患者さんも少なくないと思いますよ。患者さんが話しているときは、しっかりと耳を傾けて聞く姿勢を持ちましょう。うなずきや同意をすることはとても大切です。もちろん時間がないときもあるでしょう。そのときは、時間を見つけて5分だけでも話を聞きに行くなどの対処をしましょう。話を親身になって聞いてもらっていやな気持になる人はいないですよね。むしろ、この看護師さんは自分の話をちゃんと聞いてくれてる、と好意的になると思いますよ。

5、プライバシーの保護。

プライバシーの保護を徹底しましょう。個室であればその患者さんだけしかいませんが、大部屋になれば他の患者さんやその家族、スタッフの出入りも多くあります。部屋で行う看護処置の場合はしっかりとカーテンを閉める、本人の個人情報に関わることであれば周りに聞こえない声の大きさで話す、などの注意が必要です。もちろん神経質になりすぎる必要はありませんが、自分のことを大きな声で話されたらだれだっていい気持ちにはなりませんよね。そんなことをされたら、ますます拒否されてしまうなんてことにもなりかねません。それが羞恥心をともなう看護処置であればなおさらです。患者さんの立場に立った対応を考えましょう。プライバシーの保護は、患者さんの尊厳を守り、信頼関係を確立するうえでの必須項目です。

6、時間をかける。

もし患者さんから拒否されても、わたしじゃ対応できない、なんてすぐにあきらめないでください。もしかしたら患者さんが拒否したのは、そのときただ眠くてめんどうくさかっただけかもしれません。または自分の病状や現状、治療のこと、今後のことに対していろいろ考えてイライラしたり葛藤したりしていたときだったのかもしれません。タイミングが悪いだけだったというのも十分にありえます。そのときには30分、1時間と時間を置いて再度声かけに挑戦してみましょう。
その患者さんに対して時間処置(点滴や血糖測定、薬の内服、検査など)が必要なのにも関わらず拒否された場合は、まず一度時間処置が必要な旨を患者さんに説明してみましょう。はっきりとわかりやすく、なぜこの時間処置を今やらなければいけないのか、簡潔明瞭に伝えることが大切です。ダラダラと難しいことを口頭で説明されても余計に拒否されるだけなので注意しましょう。
説明しても拒否されてしまった場合は、他のスタッフやチームリーダーに相談しましょう。少し時間を空けて再度行ってみる、別のスタッフが行ってみるなどの対策が必要になります。それでも拒否されるようであれば医師に報告して指示を得る必要があります。
患者さんから拒否されると、どうしても心がポキッと折られてしまって悲しくなってしまいますよね。あまり思い悩まずに周囲に相談して助けを求めることも大切です。
また、患者さんが何度も拒否しているのにしつこくその場にいると、患者さんが興奮してしまったり、暴力をふるってくるなどのリスクも考えられます。いったんその場を離れることも大切です。

7、常に笑顔で接する。

毎日忙しくあわただしい業務の中、ただでさえイライラしてしまいがちなのに、拒否されたりしたら余計にイラッとして顔に出ちゃったりしてしまいますよね。こっちは一生懸命やってるのになんなのって思っちゃいます。大丈夫、あなただけじゃありません。みんな一緒ですよ。でも、看護師を拒否する患者さんにイライラした態度で接してしまうと、患者さんはさらにイライラしてしまい、結果それは火に油を注ぐ行為と同じになってしまいます。そんなときこそ笑顔で、落ち着いた声のトーンで話すようにしましょう。難しいときもあるかもしれませんが、イライラは伝染してしまうので気を付けましょうね。
いつも笑顔で接してくれる看護師にきっと患者さんは癒されていますよ。

8、目線を合わせる。

ベッド上にいる患者さんに接するときは、ベッドサイドで患者さんと目線の高さを合わせて話をするようにしましょう。立ったまま話をすると、患者さんを見下ろす形になってしまいどうしても威圧的な態度に見えてしまいます。ただでさえ印象が悪くなるのに加えて、看護師を拒否している患者さんに対して威圧的な態度をしてしまうと、さらに拒否されてしまうこと間違いなしです。
忙しくてバタバタしているとどうしても忘れがちなんですが、目線を合わせて話をすることは実はとっても重要なことです。患者さんのベッドサイドへ行ったら一度立ち止まって思い出してくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した内容は看護師としてとても基本的なことばかりなので、すぐに実践に取り入れられると思います。自分を拒否する患者さんと接するのはどうしても消極的になってしまいますし、できれば関わりたくないですよね。この記事を読んで少しでも、積極的に関わってみようかなと思ってもらえたらうれしいです。

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