看護師の働き方にはいろいろなものがありますが、看護師の同じ分野内の転職はありうるのでしょうか。転職で病院を変えるということはよくありますが、実際に多い、訪問看護ステーションから別の訪問看護ステーションへの就職について紹介していきます。
著者である私は、現在訪問看護ステーションで勤務しています。
まだまだ経験は浅いですが、それでも地方で訪問看護師をしていると、いろいろなことを感じる場面があります。その一つ。意外にも訪問看護ステーションから別の訪問看護ステーションに転職、就職をしている人が多いということなのです。
訪問看護師をしていると、研修などに参加する機会が意外と多いです。
特に在宅医療に関する研修が多いのですが、参加すると必ずと言っていいほど顔見知りの看護師に出会うのです。よく見ると、名刺や制服が変わっており、別の訪問看護ステーション!に転職した事実がわかるということもあるのです。
実は病院看護師から訪問看護ステーションへの転職はよくある話なのですが、訪問看護ステーションから別の訪問看護ステーションに転職というのもよくある話なのです。ただこれには大きなメリットもデメリットもあるのでご紹介していきましょう。
・狭い地域での転職は避けたほうが良い?
著者である私は地方都市に住んでいますが、同市内にも、複数の訪問看護ステーションがあります。年に1回は総会が行われますし、訪問看護や在宅医療に関する連絡協議会といったものも盛んにおこなわれています。その研修等でもたびたび顔を合わせることもあるので、自然と訪問看護ステーションの人脈の輪が広がるといったメリットもあります。
そんな中で訪問看護師が転職していたとわかるときがあります。転職がわかると、なんで転職をしたのかな?何かあったのかな?合わなかったのか?と思われてしまうこともあります。また転職をする際には、転職活動を行い訪問看護ステーションの所長や事務などと面接を行いますが、面接希望のステーションが事前に何かトラブルがあってやめたのかどうかを以前のステーションに内密に聞き取りをすることもあるのです。
転職希望を出しているところのほうが、給料の面でメリットがある、また通勤するのに便利等の理由で転職を希望されることもあるでしょう。しかし狭い地域での転職は、その理由もその人の評判も知られていることもあるため注意が必要です。
ただあまり評判を気にしない人には問題ないでしょう。条件が良いところを求めて転職、就職したいと希望するのは当たり前ですね。また狭い地域での転職は、お互いにどんな訪問看護ステーションであるかを知っているので、転職、就職しても失敗しないというメリットもあるのです。
・転職してうまくいく場合もある
何カ所か転職、就職を繰り返しても、仕事がうまくできず、また人間関係が築けず長続きしないという訪問看護師もいます。もちろんその人と訪問看護ステーションの相性の問題もあるでしょう。
そんな人がまた転職、就職を希望したときどのような経過を進むことが多いのでしょうか。転職回数が多い場合は、またやめてしまうのではないかと思われることもありますし、ある程度要注意人物と思われることもありますが、思わぬところに拾われて、自分の希望する働き方とマッチし、これまでで一番長く働くことが出来たという場合もあるのです。
当ステーションでも、他のステーションを転々としていた看護師を受け入れ、所長が1年間しっかり同行、一から教え込んだことで訪問看護の面白さに取りつかれて、これまでは数か月単位で転職していた看護師が、数年間勤務できたという実績もあります。転職、就職者を受け入れる訪問看護ステーション側としては、責任をもって仕事が出来る看護師を育てるために一から指導する必要があるのです。
小さな訪問看護ステーションだからこそ出来る、個別性を重視した教育というのが受けられるのですね。
・履歴書や職務経歴書を書くコツは?
上記では狭い地域での転職、就職についてメリット、デメリットをご紹介しました。ではそのようなところで転職を成功させるためには、履歴書と職務経歴書を書く上でどのようなことに注意したらいいのでしょうか。
まず一つは、自分のこれまでの経歴を正直に記載するということですね。転職回数が多い場合などは記載したくない場合もあるでしょう。また家庭の事情などがあるときもなるべく伏せておきたいこともあるでしょう。しかしそのような場合でもできるだけ正直に書くことが重要なのです。
履歴書や職務経歴書というのは、自分の個人情報になりますし、あまり人には知られたくないもの。しかし面接をする訪問看護ステーションの所長や人事といったところは、秘密ももちろん守ります。事情があるとしたら、始めに申し出ていたほうが配慮されることもあるのですね。また転職、就職回数が多い時には、なぜ回数が多いかということを伝えておくと理解してもらえることも多いのです。
そのため、転職、就職の際に履歴書や職務経歴書を提出する時には、正直に記載するということを心掛けておきましょう。
・面接ではどんなことに気を付けるといいの?
もしも転職をするとき、転職希望先の所長が顔見知りであったら?もしかすると顔を合わせづらいかもしれませんね。また気さくに話せる反面、あまり話したくないという場合もあるかもしれません。しかし、転職、就職を希望する時には面接という形で顔を合わせることになるため、面識がある人であっても、なれなれしくせず節度を持った対応をすることを心掛けましょう。
もしも面接官である所長がざっくばらんに話をする方であっても、これは面接であるという意識は忘れずに接することは重要です。決して慣れ慣れすぎず、しかし硬すぎず硬相手の出方を見ながら対応することが大切です。
面接では受け入れる側と受け入れてもらう側でやり取りを進めていきます。当然、転職、就職を希望した理由なども聞かれるのではないでしょうか。しかしその際に大切なことは、新しい環境で働きたいと思って転職や就職を希望したということは伝えてもいいのですが、自分が以前所属したところの訪問看護ステーションの悪口は言わないことが大切です。
どこの職場でも、やり方が合わない、人間関係で問題があるといったことは起こりうることです。しかしながら、それを面接のときに転職の理由として伝えてしまうと、自分の評価が下がってしまうことがあるのです。また悪口をいってしまうと、この人はどこに行っても職場の悪口を言うのではないかという不安を感じざるをえません。やはり心の中にわだかまりがあって転職、就職を希望することも多いかもしれませんが、それは心の中にとどめておきましょう。
それよりも、以前の職場ではこんなことを学ばせていただいた。今度はそれを生かしてこんなことを経験していきたいということを相手に伝えることが出来るといいでしょう。
また以前いたところでは、こんな疾患が多かったけれど、今度はこんな疾患の在宅医療を学びたい、経験したことのない訪問看護の分野で知識を深めたいという理由で転職を希望したと前向きな理由を伝えるように心掛けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は訪問看護ステーションから別の訪問看護ステーションへの転職、就職についてご紹介しました。同じ分野の転職だからこそ、メリットもデメリットもあります。しかし大切なことはやる気です。ぜひ参考にしてよい転職、就職に結び付けてください。
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