介護歴10年のわたしが、初期から現在にかけて、工夫してきたこと、ふとしたコツなどを取り入れたこれまでの経験をお話していきたいとおもいます。食事を食べなかった人が食べるようになったとか、コミュニケーション苦手な自分がどのようにして克服出来たかなど記載してます。
私は介護の仕事を始めて13年になりました。専門学校2年間通って介護福祉士の資格を習得し、現在同じ社会福祉法人の会社でつとめています。介護の仕事のイメージを持たれるとしたら
・おむつ交換
・食事介助
・入浴介助
などといったお世話のイメージがあると思います。これから新卒で勤めようと思われている方や、介護への転職をお考えの方たちに向けて、少しでも私の経験が転職やこれから勤めようと思われている方たちに対して力となれるようにと思って書かせていただこうと思います。
私は20歳の時に今現在勤めている施設へ新卒で就職させていただきました。まず初めに苦労したのはお年寄りとのコミュニケーションでした。介護の仕事だからといっていきなりおむつ交換や食事介助、入浴介助にはいるわけではありません。
お世話させていただくにはまずお一人お一人のことを知る必要があります。
その方はどういう人なのか。もっと詳しくいうと認知症はどの程度なのか。体に麻痺など病気をかかえているのか。趣味はなんなのか。ご家族は何人おられるのか。お仕事は何をされていたのか。好きな食べ物は何なのか。などといったその人を知るということが今後介護にあたらせていただくことによって非常に大事なポイントとなってきます。
初めての環境の中、自己紹介をしてその方達とコミュニケーションを図ろうと思うのですが、私はまずかなりの人見知りであったのです。自分から話しかけることがどれだけ勇気のいることか。人とお話しするのが好き、得意といった人たちにとっては簡単なことですが、人見知りの私にとっては介護に入る前にまずコミュニケーションというところでつまずいてしまいました。しかも相手は認知症の方です。耳が聞こえなかったり。聞こえていてもこちらとの話が噛み合わなかったり、同じ話をループされたり、いきなり怒ってきたりといったlことが様々なことがありました。緊張しながらも勇気を出して自分から話しかけると、だいたいこんな質問したら楽しそうに答えてくれるなということがコツを掴み始めました。だいたい仕事の話や、娘さん息子さんお孫さんの話を振るとたくさんの返事が返ってきている印象でした。入所されている方達は子供さんのことが大好きでまたは誇りに思っておられて『うちの息子、○○大学出たんやで。』とか嬉しそうに話されます。コミュニケーションを図っていくうちにその人がどんな環境でおられたか、どのように過ごされたかが少しずつ把握してきます。
初めのうちはだいたいコミュニケーションです。だいたい把握してきたら今度は介護の現場に入っていきます。おむつ交換はだいたい想像していましたが、予想をはるかに超えていました。おむつ交換だからといってただ替えるだけではないんだということ。おもつをされている人には何かしら問題があります。体がうずくまるように硬く拘縮してしまっている人や暴力をしてくる人。皮膚が褥瘡のため骨まで見えてる人、いろんなタイプの方がおられました。はじめておもつ交換に当たった方のタイプはまさに拘縮タイプの方でした。学校では体が真っ直ぐで寝たきりの状態でしかおむつ交換の練習をしたことしかありません。
初めてのことにかなり焦ったのを覚えています。おむつがずれたり、ズボンをうまくあげれなかったり、ただでさえ緊張するのにベテランスタッフさんの見守りのもと行うおむつ交換はかなり焦りました。
おむつ交換というのはただたんに交換するというのではなく交換時に皮膚の異常はないか、赤みはないか、清潔を保つために清拭をしたりといった観察も大切になってくるのです。この時点でコミュニケーションというものやおむつ交換といったことの奥深さを現場で味わうことになりました。介護の現場は私の想像を遥かに超える状態にありました。
食事はその方に合わせた食事形態になっています。常食のひとだったり少し食べやすい大きさに刻まれた刻み食だったり、おかゆだったり、または形が一切ないミキサー食だったり様々でした。
誤嚥といって咳反射がなかなかしにくい人は食事が肺に流れてしまい誤って肺に流れ込んだら誤嚥生肺炎を起こしてしまう可能性があります。そのようになかなか食事が難しい人たちに合わせて食事形態がすこしずつ軟食系になったりします。
食事介助もいろんな方がおられて、なかなか口を開けてくださらない人、食べても吐き出す人、食事を食事と理解されていない人、少し目を離すと食事ではないもの、ティッシュなど口に入れる人様々です。食事介助だからといって靴に運ぶだけではなく本当に大変なことだとおもいました。まだ仕事しはじめのころ印象的だったのが99歳のおばあちゃんでなかなか口を開けてくださらない方だったので食事ができず低栄養状態でした。どうやったらこの方は口を開けてくださるんだろう。ものすごく考えました。ご家族にその人の好みを聞いて提供しても口を開けてくださらない。〇〇ですよと声かけしてみても口を開けてくださらない。何をどうしたら食べてくれるのか、、途方にくれてました。ある日その人は私が歌を歌っていると体を揺らしてリズムに乗り始めました。その時思いました。体操風にしてみたら真似してくれるかも?と思い
『〇〇さん私の真似してくださいね。1、2、3、ぱあ!』といって私が口開けるとみごとに真似をしてくださって大きな口を開けてくれたのです。『舌をべーと出してください』というとこれも真似してくれたのです。食事の時にこれを取り入れて同じように私のすることに真似をしてくれて、大きく口が開いた時にスプーンをお口に運んでみるとゴクンと食事を召し上がってくれました。周りにいたスタッフの皆さんも『おお!食べたやん!すごいな!』とあちこちでいってくださり、私はその方に抱きついて大変喜んだのを覚えています。この時はじめて達成感というものをかんじました。食べなかった人が食べてくれた。私にとっては大きな喜びでした。
入浴介助は私は1番好きな時かもしれません。お風呂は人にとってはリラックスできる空間であります。普段なかなか話してくれない方でも、湯船に使っている時、とても穏やかな顔で『えーあんばいやな』と本当に気持ちよさそうに入られているのをみてこちらまでうれしくなります。
そんな時に何気ない会話を持ち出してその人とのコミュニケーションをはかっています。部署によっては団体浴だったり個人浴だったり、または身体の事情によって機械浴だったり色々ですが、わたしはグループホームという9人での生活の場ですのでスタッフと利用者さんと1対1の入浴であります。なのでそういう時の方が本音で喋ってくれたりするので入浴の時間が大好きです。利用者さんがたまに言う言葉が『子供にも背中ら流してもらったことないわ』と笑いながら言われた時。『わたしも親の背中いつ流しただろうか』と考えさせられるもんがありました。『親子だからこそかもしれませんね』と穏やかにその人とお話ししてその時は終わりましたが、今度お風呂でも誘って母親の背中流して一緒にはいろう。と親孝行を考えさせられる場にもなりました。
一通り経験してきたことをかいてきましたがこれらは本当一部のはなしです。これ以外にも介護の仕事というのはたくさんあります。レクリエーション、一緒に買い物、一年の行事の参加、ケアプラン作成といった書類ごと、介護の世界はたくさんのすることであふれています。体を使いすぎて腰を痛めたりということは確かにあります。体力的にも精神的にもなかなかくる仕事だと思います。介護業界はほとんどが女性が多い印象です。わたしの現在の職場も女性が多いです。ですがもっと男性スタッフが増えてくれるといいなと常々思っています。体力を使うので男性スタッフさんがいてくれると心強いです。ですがなぜ男性スタッフが少ないかというとやはり給与面だと思います。介護は精神的、体力的にくる割には給料が安いイメージあると思います。でも今は手当ても厚くなり。長年勤めた方には処遇改善加算手当てというのをつけてくれるようになりました。
介護はたしかに振動現場ではありますが、利用者さんから教えてもらうことがあったり、ちょっとしたことでも幸せに繋がったり嫌なことばかりではありません。わたしは自分の名前を覚えて呼んでくれるといいたことがすごくうれしいんです。
そしてその人の最期の時を一緒に過ごすこと、これほど尊いものはありません。大変なこともあります。むしろ大変なことしか多いです。ですが利用者さんが笑ってくれたり、『ありがとう』といってくれたときにはなんとも言えない嬉しさがあります。ほんとに尊い仕事です。わたしは13年この仕事をしてきましたが、なんだかんだこの介護という仕事が好きなんだなと最近思っています。自分の両親が施設に入ったとき、こんな職員さんがいてくれたらいいなと想像している人物に自分がなれるように、利用者さんから頼りにされるようにそんな介護士を目指しています。やりがいのある仕事です。新卒の方、これから転職を考えておられるかたに是非わたしの経験を見てもらえたらなと思います。
まとめ
皆何でも初めてのことで、失敗して経験して次に繋がっていくのです。
生命に関わることでなければどんどん失敗して経験として
成功に繋げれたらいいと思います。
介護業界はまだまだ人手不足です。
自分の経験したことが、この記事を読んでくださっている人たちに伝わってほしい。
ぜひ転職する気なら介護の世界にきてほしい。
不慣れなことでも、経験と失敗を繰り返すことでふとしたコツをつかむことと思います。
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