ブランク明けにどんな働き方をするかは看護師にとって悩みになるポイントです。どうすべきかで迷ってしまったときには派遣看護師になることも考慮して転職活動を展開してみましょう。そのメリットやデメリットを詳しく紹介します。
結婚や子育てなどのタイミングで離職して家庭のことに専念したいと考える看護師は大勢います。ただ、時間的に余裕が出てきてまた働きたいと思ったときにブランクがあってどうやって働くのが良いかわからずに悩むことは少なくありません。思い切って正職員として働けるように転職活動を進めようという人も、まずは働ける範囲でシフトを入れやすいパートで働こうという人もいるでしょう。そもそもブランクがあるのが心配だからやはり転職活動をするのは諦めようと考えてしまう人もいます。どのようなケースでも一度は考えてみると良いのが派遣という働き方です。
・派遣看護師という働き方の特徴
派遣という働き方にあまり馴染みがない人もいるでしょう。まずは派遣看護師という働き方にどういう特徴があるのかを理解するのが大切です。派遣看護師は派遣会社に就職して、その会社の社員として働く仕組みになっているのが特徴です。実際に業務に従事するのは派遣会社のオフィスではなく、その派遣会社を通じて紹介された病院やクリニック、介護施設や健康診断施設などになります。正職員やパートの仕事を探すときと同じようにして派遣求人の中から希望の業務内容や待遇が揃っているものを探し出して応募し、職場の担当者との面談を経て採用が決まるとその職場で働けるという仕組みになっています。派遣看護師として働くときには期間が定められていて、その期間が終わったら契約を延長するか、他の求人を探して応募するかを選ぶことが可能です。給料は全て派遣会社を通じて支払うことになり時給制で決まるのが一般的です。また、派遣会社の社員として働くことになるため、業務をする職場とは直接の雇用関係がありません。このような特徴を踏まえて、どんなメリットやデメリットがある働き方なのかを理解しておきましょう。
・派遣看護師になるメリット
・時間に余裕がある範囲で働ける
派遣看護師はパートと同じように時給制で働けるため、時間に余裕が生まれたときに働ける範囲でシフトを入れることができます。週に二日か三日程度、一日で最短三時間程度といった形で派遣契約ができる場合もあり、ブランクから復帰する段階で時間はまだあまり確保できないという場合でも気軽に働き始めることが可能です。また、フルタイム勤務の派遣先もあるため、時間に余裕が出てきて十分に働けるようになったときにはしっかりと働いて稼ぐこともできます。
・パートよりも時給が高め
派遣で働く看護師はパートで働くよりも稼ぎやすいのもメリットです。時給の水準はパートよりも高めになっている現場が多く、2割くらい高めのところがほとんどです。ただし、現場によっては派遣でもパートでも同じ時給になっていることもあります。給料にこだわるならきちんと比較してから決めるのが大切です。
・契約になければ時間外労働が不要
看護師として職場復帰するのをためらってしまう理由として残業や休日出勤が不定期に必要になることがよく挙げられています。定時通りに働けるならすぐにでも仕事を探したいのにと思っている人にとって派遣看護師は魅力的な候補です。基本的には時間外労働をしなくて良いからです。派遣契約の中に職場からの要求があったときには時間外労働に応じるように書かれている場合には必要になる可能性がありますが、その条項を除いてしまっておいたら現場から残業を命じられても断ることができます。あくまで指示を出せるのは雇用主である派遣会社であっても現場の上司ではないからです。もし強制的に働かされてしまった場合にも派遣会社を通じて指摘をしてもらえるので再発することはまずありません。
・派遣会社独自の研修を受けられる
ブランク明けの看護師にとって本当に現場で必要な知識やスキルがあるのかは悩みになりがちなポイントですが、派遣で働くことを選ぶとその悩みも払拭できます。派遣社員になって初めての派遣先に行く前には独自の研修を受けられる場合が多いからです。派遣会社では契約をして現場で働いてもらっている看護師に活躍してもらわなければならないという切実な願いがあります。期待していたような人材を紹介してもらえなかったとなると次にまた利用してもらえる可能性が低くなってしまうからです。そのため、研修制度を充実させて活躍できる看護師を現場に送り込むという形を整えています。派遣先に応じて適切な研修プログラムが作られている派遣会社も多いので、ブランク明けの看護師にとって頼もしいサポートを受けられる働き方でしょう。
・福利厚生も充実している
看護師に特化した派遣会社では福利厚生にも力を入れているところが多くなっています。一般的な施設では正職員に対する福利厚生は手厚いものの、パートで働く人に対する福利厚生はあまり充実していないことも珍しくありません。安心して働けるような福利厚生の恩恵を受けたいけれど、正職員として働くのは難しいというのが本音のことも多いのです。それを考慮して派遣会社では社会保険完備、有給休暇や育児休暇の充実、スキルアップ支援などを行うようになってきています。また、福利厚生サービスを提供する会社との提携によってレジャーや生活などで役に立つ優待サービスを受けられるようにしていることも多いのが現状です。
・紹介予定派遣を活用できる
正職員として働きたいという人にとっては派遣看護師は魅力がないと考えられてしまいがちですが、決してそんなことはありません。紹介予定派遣を活用すれば派遣社員から正職員になることもできるからです。紹介予定派遣とは派遣契約が満了した時点で職場と本人の間で合意ができたら正職員として雇用契約を結び、継続して働くという形の派遣です。職場としても現場に合う人材が欲しいと考え、看護師としても理想に近い職場を選んで正職員になりたいと考えるのがもっともなことでしょう。6ヶ月程度の派遣期間にその見極めを互いに行い、納得した上で雇用関係を作れるのが紹介予定派遣の魅力です。正職員への転職を考えている人も職場選びに不安があるなら紹介予定派遣を活用すると安心でしょう。
・派遣看護師になるデメリット
・派遣期間が限られている
派遣看護師になるデメリットとして同じ職場で働ける期間が限られている点が挙げられます。最長で3年間しか同じ職場で働くことができないので、ようやくブランクから復帰してベテランらしく働けるようになったら別の職場に移らなければならなくなるでしょう。同じ職場にこだわらないのであれば問題ではありませんが、慣れたところで働き続けたいのであれば悩みになる点です。
・実績の維持向上が重要になる
派遣看護師は実績についての意識が必要になるのが問題点です。きちんと職場から高い評価を受けていることで次の派遣先での待遇が向上する仕組みになっています。常にどの職場でも期待に応えられる働きをし続けることが重要だという認識をして働かなければならないのです。
・社会的立場が正職員より低い
看護師に限らず派遣で働くと正職員よりは社会的立場が低く見られてしまうのもデメリットです。ローンやクレジットカードなどの審査を受けるときには収入が安定していないと考えられてしまって不利になる傾向があります。これから住宅ローンを組む、クレジットカードを作るといった場合には正職員に転職して勤続年数を増やした方が有利だという音は念頭に置いておきましょう。
まとめ
ブランク明けにどんな働き方をするかは看護師がよく悩むポイントですが、その候補の一つとして派遣看護師という働き方について紹介しました。余力に合わせて働きやすく、福利厚生も充実しているなどといった形でメリットが多い働き方なので、どんな転職をしようかと迷ったときには候補として考えてみるようにしましょう。
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