介護士の方が数多くある施設の中で、どんな施設に就職するか悩んでる方に是非読んでほしいです。住宅型有料老人ホームについての業務内容や良かった点や悪かった点についてお伝えします。
・住宅型有料老人ホームとは。
住宅型有料老人ホームとは、主に民間企業が運営し、要介護者や、自立(介護認定なし)・要支援状態の高齢者を受け入れている施設です。
生活援助や緊急時の対応、レクリエーションが受けられ、介護が必要な場合は、外部サービスを利用しながら生活できます。
・住宅型有料老人ホームでの問題点
私の就職した住宅型有料老人ホームでは、施設内に訪問介護事業所が配置されており、職員のほとんどが訪問介護事業所の職員を兼任していました。
実際の業務では住宅型有料老人ホームの職員とは訪問介護事業所の職員と業務が混ざらないように、エプロンの色で区別していました。
例えば、ピンク色のエプロンをしているときは訪問介護をしているときです。このエプロンを着用している時間は実際に利用者の家を訪れているように、1対1で接しなければいけません。ですから、このエプロンを着用しているときに他の利用者の方に何かお願いされてもお受けできないのです。
極端に言えば、その方のお世話をしているときに、訪問サービスを利用している利用者様に転倒事故でも起きれば大問題になります。ただ、職員はエプロンの色で区別できていても、利用者様には関係ありません。困っているときに近くにいる職員にお願いをするのは当たり前です。
また訪問介護を受けていない利用者の対応をする職員が足りないのも現状でした。
職員も区別をつけないとと分かっていながらも、人員不足で対応せざるを得ませんでした。
しかし、現場から離れている本社の人たちは口を揃えて「訪問中に他の利用者に関わるな」の一点張りでした。
夜勤中は特に大変でした。入居者数50名を職員2人で対応するのですが、夜間帯も訪問介護があります。
就寝介助・排泄介助・起床介助と1人あたり約20分(身体介護0)を夕方から朝までずっとです。
もちろん夜勤2人とも訪問介護にあたっているので、住宅型有料老人ホームの職員は実質0人です。
時には、要支援者や自立の訪問介護を利用していない方が体調を崩す時もあります。
そういう時は誰が対応を?となりますよね。もちろん夜勤者が対応します。訪問介護をいつもより早めに終わらせたりしながら対応します。
それでも救急搬送するとなったときは、1人は同行しなくてはいけません。そんな時はもうどうしようもありません。近くに住んでいる職員に電話してきてもらうこともたびたびありました。
住宅型有料老人ホームの1番大変な面はこのシステムだと思います。
利用者、家族、職員、すべての人がこのやり方に疑問を感じていました。
・住宅型有料老人ホームの介護業務の負担は?
実際の介護業務の内容は、要介護4・5の方は10名程度。ほとんどが要介護1・2.3の方ばかりです。
介護内容も比較的簡単なものが多かったです。入浴時も見守りがほとんどでした。
重度の方の入浴介助では2人で対応することが多く、職員の負担は少ないように感じました。
施設内には機械浴も設置されており最低2人以上の職員で対応していました。
なかには自立の方も多くいらっしゃり、一人暮らしでは不安という高齢者の方も複数名しました。
65歳の若い方もいらっしゃいました。そういう方のセクハラ発言・行為は頻繁に起きていました。
元気な方が多い分、性的セクハラに悩んでいる職員は少なくありませんでした。
・訪問介護事業所について
私が就職した住宅型有料老人ホームでは、施設内に訪問介護事業所があります。
職員は事業所から、訪問介護を利用している各居室に訪問介護に行きます。
普通の訪問介護と違い交通手段が格段に楽になります。事業所から居室までは3分以内に着くので、訪問介護終了後にすぐに次の訪問先に行くことができます。
また普通の自宅のお風呂やトイレと違い施設内の設備を使用するので、介助方法も格段に楽になります。
また、本当ならば1対1での介護ですが、入浴時などは他の訪問介護利用者の方や職員もいるので、いざという時は助けてくれます。
初めて訪問介護に就職する場合、困ったとき一人で対処しなければいけませんが、住宅型有料老人ホーム内にある訪問介護事業所では常に看護師やケアマネージャー
週に2回の往診時のドクターなど、専門職の方がいるので安心して介護業務にあたることができます。
実際に私も入浴介助時に困った時が何度もありました。毎回血圧・体温測定をしてから入浴するのですが、新人の頃は正常値は把握していますが、正直微妙な値の時に困ることがありました。
例えば37.5度の体温ですが、顔色も良く本人様もお風呂を楽しみにしています。ですが、入浴した際に倒れてしまったらどうしようと考えます。
この時、普通の訪問介護ですと電話連絡などして指示を仰ぐことになります。ですが、ここではすぐに専門職に直接診ていただけます。
こういう時の対応は、職員にとってもご家族様にとっても、とても安心できることと思います。
また、新人の頃によく困ったことが、時間内に業務が終わらないことです。
例えば入浴介助で1時間以内に終わらないと次の利用者様の訪問介護に間に合わない時があります。
新人の時は慣れないことばかりで、時間が間に合わないことも多々あります。そういう時は、住宅型有料老人ホームの介護職員にヘルプで来てもらうこともできました。
また、延長で訪問介護業務にあたり、次の訪問介護には別に職員に行ってもらうこともありました。
普通の訪問介護事業所ではなかなかこの対応はできません。この対応で次の訪問介護に遅れることもありませんし、途中で放棄することもありません。
・訪問介護事業所のサービス提供責任者の業務
住宅有料老人ホー3年ム働いて介護福祉士を取得し、訪問介護事業所のサービス提供責任者に就任しました。
サービス提供責任者は住宅有料老人ホームと兼任はできないため、訪問介護事業所の専任になりました。
ですから、住宅有料老人ホームの業務をすることはできなくなりました。
しかし、訪問介護事業所が施設内にあるため、どうしても住宅有料老人ホームの業務に触れてしまいます。
しかし本社の方や、行政の方が施設に来るときは、事業所から出るなと言われていました。
そのグレーゾーンのなか仕事をするのは本当に苦痛でした。
サービス提供責任者になったのが21歳の時でした。1番最年少で役職に就き、ほかの職員からの嫉妬などもありました。
今まで仲良くしていた人たちが急に無視をしてくる等、嫌がらせは日常茶飯事でした。
サービス提供責任者の仕事は思った以上に大変でした。
訪問介護時に必要な個人ファイルの作成・手順書・モニタリング・カンファレンス・職員教育・研修など、とても1日8時間の業務では追いつきませんでした。
最初の半年は深夜までサービス残業も当たり前でした。当然そんなことをしていては体調も崩します。
勤務中に倒れて救急車で運ばれたこともありました。
しかし、一般職員だと代わりはいますが、サービス提供責任者に代わりはいません。
溜まった仕事を誰かが代わりにすることはできません。
自分が溜めてしまった仕事をしなくていはいけません。
体調を崩し、入院までしていた時、ベッドの上でパソコンと戦っていました。
半年を過ぎたあたりから業務にも慣れてきて、残業時間も少なくなってきました。
この頃から、この仕事にやりがいを感じるようになってきました。
利用者様に合った介護の提供、ADL・QOLの向上に向けた取り組みなど。
毎月モニタリングの際に、利用者様の笑顔を見るたびに、この仕事に就いてよかったと感じるようになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?就職する際に住宅型有料老人ホームを選択肢に入れている皆様に参考になりましたでしょうか?
住宅型有料老人ホームは、特に最初に就職する場所としてはピッタリの場所だと思います。
利用者の急変時などの対応に自信がない方や、まだまだ介助に時間がかかる方にお勧めの施設となります。
是非、就職選びの参考にしてみてください。
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